今回のモデルを作るために、いろいろ未経験な技法にチャレンジしてみました。
 結果として十分とは行かないまでも、今後作るであろうモデル作りの下地を蓄える事が出来たと思っています。
 何とか及第点を上げられるくらいの出来で、やっと父親への恩返しができました。  肩の荷を降ろせてほっとしました。

個人的にはこのアングルがお気に入り。

 全ての部分をウォッシングで汚したうえで拭き残した汚れを付けたり、経年変化で質感の変化の表現を試みたりでいろいろ試す事をしました。
 一見綺麗に見えても近づいてよく見ると汚れがこびり付いている感じを付けてモデルの古さを表したつもりですが・・・この辺の表現は難しいですね。

 このモデルの一番問題な部分は何と言ってもエンジンに有りました。
 そのためこの部分を作り変えられなければ、永遠に押入れの中だったでしょう。
 目標はシリンダ−から上の制作とマフラー、フェ―ルタンクの塗装による塗り分け。
 その他はRevell キットの持ち味を生かすためになるべくそのままにしておくこと。
 そんなルールを課して雰囲気第一として作ったつもりです。

 このRevell キットはいつ手に入れたのか覚えていない程昔で、多分40年近く前に父親がRevellの一連のバイクキットを何種類か買ってくれた物の一つで、覚えているだけでも当時作ったCB72、トラ・タイガー、トラ・ドラッグスター・・・、カワサキも有ったかなぁ。

 バイクにすごく興味を持ち出した頃で、本物は買ってやれない代わりのつもりだったらしい事は今でも覚えています。

 その当時のプラモデルは、国産でも高くてなかなか手に入れられない物で、手に入る物といえば小さな縮尺の大戦機が精々、モーターライズの戦艦や戦車なんて小遣いを貯めて年に一台も買う事は出来なかった。
 そんな時代の興味津々のバイクキットなんて夢のまた夢だったから、プレゼントしてもらった時の喜び様は狂喜乱舞するほど嬉しかったに違いない。
 ただ、プラモを作るための道具もスキルも殆ど無い時分だったので、まともな形になった訳は有ろう筈も無く、プレゼントした当の父親にさぞがっかりさせたことは言うまでも有りません。
 そんな自分には勿体無いキットだと気づいて、いつの間にか押入れの中に仕舞い込んでそのまま現在に至ったこのキットを、いつかは形にして今は亡き父親の愛情に報えれば幸せな事と思っていました。
 バイクキットが怖く無くなった事もあり、早く作らないと本当に朽ち果ててしまいそうなキットはやっとこれで日の目を見る事が出来た訳です。

YAMAHA Scrambler 350 YR2C