ハセガワ 1/10 ヤマハ 250 DT−1

製作過程の写真が無いために完成写真を元にしています。

製作奮闘記
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随分前になりますが、グンゼの1/12バイクモデルにHiテックシリーズと言うのが有って、メタルキットで当時としては結構値段の張るシリーズが有りました。

 そのシリーズの最初にリリースされたCR110は、当時のレトロバイクブームにも乗って大変に話題になりました。
 その要因となったのは全車種スポーク・ホイールモデルであり、またそれらを誰にでもスポーク・ホイールが作れるようにキット化してあった点で有ると言え、スケールモデルを始めてまだ経験の浅い私にも作れ、それまでタミヤ1/12バイクに夢中だったのを一気にグンゼに向かわせられた事は、今でも忘れられません。


このハセガワのキットの箱絵は実物写真で、グンゼのイメージに釣られて思わず買ってしまいました。
ところが箱を開けて見て唖然としてしまいました、再販との事もあり、金型の劣化のせいか全部品がバリの中に埋もれており、おまけに重要な部品が全部メッキされていて、それを見ただけで気が遠くなりかけました。

このままお蔵にしようか迷いましたが、乗りかかった船でどうしても形にしてやろうと思い直し、製作工程を考え、結局メッキ部品をそのまま使用するのはホイールリム、マフラーガード、ヘッドライトの反射鏡の3点のみとして、その他の部品は全てメッキを剥がして塗装する事にしました。

どうしてもグンゼのメタルキットのイメージで作りたいので、当然の如くスポークは金属で張り替え、勿論リムニップルの再現もしました。
エンジンその他の金属部品の質感を極力表現するように気を配り、細部にわたりディティールに拘って見ました。
シリンダーのモールドは彫りが浅くフィンも厚いので、本当はシリンダー全体をアルミ板か何か金属板で積層して作り直したかったのですが、材料が無かったのでそこまではやりませんでした。
そこでフィンの一枚一枚の厚みを薄く削り、筋堀をして多少ですが見た感じは大分良くなりました。

キットが完成した後で、プラ板で作っても良かったかな?と思いましたが、後の祭り、また別の機会がどうせやってくるさと気持ちを切り替えました。

まず取りかかったのは、組み立てる部分の部品をランナーから切り離し、バリを取除き、モールドの修正をします。
引けや成形の乱れがそこら中に有るので一つ一つつぶして行きます、この下地作業が全部品に施さなくてはならず本当に大変な時間を要しました。

        @ エンジン関係

★ エンジンとクランクケースの中空部分に糸ハンダを詰め込んで重心を低くし、展示する時の安定を期しました。
★ キャブインシュレーターにアルミ板の細く切りだした物で、締め付けバンドを作りランナーのピンでビスも再現しました。
★ キャブとシリンダーのフランジ部に取り付けボルトの頭部をランナーより切り出し取り付け、フェールパイプの差し込みを作り,コックとの間にパイピングしました。
★ エキパイからマフラー部の溶接しろの脈を、伸ばしランナーで再現しました。

              A フレーム・フロントフォーク関係

 フレームもフォークも合わせ部の合いが非常に悪く断面が円にならないで修正がかなり必要でした。
 シートレール後端のモールドが滅茶苦茶なので、パイプの太さが均一になように修正しました。
 フォークの三つ又左にブレーキとスピードメーターケーブルをまとめるクランプを追加。

フロントフェンダーは左右の張り合わせ部品で、フェンダーステーも一体成形でモールドの位置も左右がずれていたので、ステーのモールドは削り落として0.8oのニューム管で作り直しました。
フェンダー後部のステー止めはアルミ板で作り、フェンダーに固定するために虫ピンを貫通させて瞬着で止めました。
フェンダー中央と前部の取り付けもステーの先端1oを潰して平らにして形を整えて同じく虫ピンで止めてあります。

その際、フォークに取り付けるブラケット部分は厚みを薄くし、3方向からのステーを止めるための溝を掘りモールドはそのまま使用しました。

スポークの張り替えに付いては、0.3oステンロッドと外径0.56o被服線の中身を抜いた物を使用しました。
このスポーク張り替えの作業工程は別途製作記に記述致しますのでそちらを参照下さい。

 ブレーキペダル側にストップランプスイッチをランナーで作り、0.3oステン線でスプリングを新造して差し込みブレーキペダルの支点近くに掛けてあります。

サイドスタンド・スプリングも同じく巻き線を作り、フレームとスタンドアームの両方にフックを作り引っかけてあります。

バッテリーのエア抜き透明パイプを追加取り付けして、エンジンの後部を通ってミッションケース下部まで垂らしています。

★ ハンドルバーは全体にバリがきつく径がまちまちでそのままの使用に耐えられないので、メッキを落とすついでにブリッジ部も含めて径を均一に修正しました。

★ アクセル・ワイヤーガイドの取り付け、ハンドル右にスイッチ類の配線のハーネスを追加しました、っと言っても輸出仕様で作りましたので、ウィンカーが無いので意味が無い追加でしたが。

★ オイルタンクの残量覗き窓をくり抜き、クリアー部品のランナーから切り出して差し込み、窓をクリアー化しました。

★ シート表面のモールドが少し深すぎるので、カッターの刃を立てて軽く削いで表情を柔らかめにしました。

        B 塗装

★ タンク・ヘッドランプボディー・ステー・サイドカバーは共に下地にブラックを吹いて次にシルバー、そしてパールを吹いて十分に乾燥させた後クリアーオレンジをクリアーで伸ばした物で、頃合いを見ながら吹き重ねます。
★ 乾燥してからストライプを手書きし、サイドカバーにはエンブレムシールを貼りクリアーでオーバーコートしました。
★ 本来メッキ部品だった部分はグンゼ・メタルカラー・クロームを使用して塗装後の磨き方に微妙に差を付けて質感の違いを表現しました。

キット以外に使用した物。

◆ 0.3oステン・バネ線
◆ 0.8oニューム管
◆ 0.3oステン線
◆ 0.2oアルミ板 
◆ 虫ピン
◆ 外径0.56o被複線
◆ 太さの異なるチューブ3種
                以上。

2000/11/20〜2001/03/15

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