ヘッドライト・ステーを作る前に、ヘッドライトその物の整形をしています。
意外と気づかない部分ですが、ライトリムの形に拘っています。
ある意味チャームポイントとも言えるヘッドライトは、時としてそのスタイルの印象を決定付ける重要な部品となります。
キットのライトリムは厚みが有り、縁がボッタリしているのでレンズが小さく見えてしまいます。
全体を削り込んで薄くし、バランスを取ってそれらしく整形しました。
1.4mmの真鍮パイプをハンダ付けで作っています。
ヘッドライトボディーはこんな風に取り付けます。
ボディーの側面から左右に広がっているプレートでカウルを支え、ボディーの後方に有る斜めの支柱はメーターパネルを支えます。
このステーは一応形を把握するために試作したもので、現物あわせという状況の中でその他の部品絡みで最終的な形を作っていきます。
フレームに仮組みして各寸法の確認と割り出しをしています。
取り出しましたるはケミカルウッドのブロック。
この素材を使って実験的に取り掛かろうとしています。
先ずは横方向からの形を削っていますが、一番硬い素材を使っているためにそうそう易々とは削れません。
大きいカッターを使いガシガシと削るんですが、次第に手や指が痛くなり切り傷も多少負ったりして・・・難物ですぞ!!。
横方向の次は上から見て削り、丸みを付けていきます。
まだまだ形に成っていませんが本当に上手くいくんでしょうか???。
見本となる物が無い中でのモデリングは自分の印象だけが頼りです。
資料写真では3次元の奥行きが全く掴めないので、いろんな角度からの画像を参考にして、組み上がっている現物と寸法的に照らし合わせて削っていきます。
ここでも現物合わせの工作なので正確とは言い難く、何処まで近付けられるか・・・くらいな気持ちで工作しています。
まあ実験的な作業なので、細かい事はあまり気にしないで進めましょう。
それにしてもまだまだ削らなくては。
実験と言うのは、この素材を使ってバキュームの型を作るのでは無く、素材その物でカウルを作ろうとしているのです。
大きく、肉厚の薄い部品が果たして可能なのか・・・。
取りあえず形もだいぶ似てきたと思うので内側をくり抜く作業に入っています。
かんな屑の様にカッターで削った屑が机一杯に広がってしまうので、何度も掃除をしながらの工作です。
この工作を長くやると指先がまた痛くなり、皮膚の内部の炎症を招くので休み休みでの進行です。
削りに削って屑の山を机一杯にしました。
肉厚は1.5mm程になりましたが、リブを残して削ったお陰でここまでのところ割れやヒビなどは起きていません。
とは言え、不用意に掴んで削ろうとすると、フヤフヤと歪んで慌てて持ち直す事から、これ以上このままの状態でカッターで削ることは困難と判断。
さて、どうしたらこれ以上の削りこみが出来るのか・・・思案のしどころです。
その前に、案の定右中指の腹に出来た水ぶくれを何とかしなくちゃあ、痛くて・・・。
水ぶくれの痛みを我慢しながら、スクリーンの型を作っています。
材料はケミカルウッドのオレンジでカウルの材質よりもずっと柔らかい物です。
カウルの面とのつながりに違和感が無い様に、何度も仮組しながら形を出していきます。
塗装に入る前に必要な部品を作っています。
ヘッドライトが覗く丸窓の縁にはトリミングが取り付いているので、それを再現すべくゴムチューブを開いてはめてみました。
実車がどんな材料なのか知らないので、有り合せの材料で何とかなるか・・・。
これはスクリーンを作るための道具作り。
ヒートプレスにするか、バキュームにするか考えましたが、今後の事もあり一つ道具を増やそうと思ってバキュームフォームが出来る箱を作っているところです。
材料は使わずにシンク下の肥やしになっているタッパを使い、蓋に四角の穴を空けパンチングメタルのアルミ板を両面テープで貼り付けてあります。
箱の側面に掃除機の細いノズルが差し込める様に形を合わせて穴を開けました。
後はスクリーンになるエンビ板をはさむ枠を作れば準備が整います。
塗装しても気泡が出ないようにしっかりとした下地を作り、クリアーに溶いたシルバーで塗装を始めました。
この段階で塗装をして磨きを掛け、表面が完成したのち更に裏側から削り込む作業をすることにします。
この工程を逆にすると、2箇所のリブが無くなる為に折れたり割れたりするリスクが格段に増すとの判断からです。
カウルの下半分をフレームカラーに塗りわけてクリアーを被せて、後は磨きを待つばかり。
平行作業でバキュームも試してみましたが、型の処理を忘れてしまったためスクリーンの出来は酷い物でした。
初めてチャレンジしたバキュームは失敗したとは言えこれも経験で、型を綺麗にしてから再挑戦することにします。
カウルの塗装は乾燥に時間が掛かるので暫く触れません。
その間にタンクとシートカウルを作っています。
使う素材はロケットカウルと同じ物を使っています。
シートカウルの方は既に大まかな形を出し、後は内側をくり抜きながら最終の形に持って行く手はずで、フェールタンクのほうは横方向からの削り込みをしています。
二つの部品は共にフレームその他の寸法に合わせながら、これも現物あわせの工作を行っているので正確な形が出来るのか・・・チョッと心配。
上の写真から2日たっています。
フレームに載せられる様に内側の削りこみは終わり、資料の写真と見比べながら外側の削り込み作業は・・・これがなかなか捗りません。
また、写真の様な2次元の物を3次元の立体に起こすには、沢山の多方向からの写真が必要なのですが、そんな物有る訳も無く・・・・。
穴の空くほど写真を見ながら自分のイメージを追いかけようと奮闘しているのですが・・・納得が行かない状態が未だに続いています。
数回にわたるサフ吹きと水研ぎを繰り返し、ケミカルウッドの気泡を完全に塞げば塗装の準備が整います。
下地の本吹きに入っています。
何回か塗装を重ね表面が滑らかになり、乾燥しても表面に異常が無ければ本塗装に入れます。
下地の塗装が落ち着いたのでシルバーで本塗装し、フレームと同色でラインを入れました。
イモラレーサーやイモラレプリカのフェールタンクではFRPタンクのため燃料の残量が一目で判るように、タンクサイドに帯状の無塗装部分を設けていますが。
製作中のこのモデルは僕自身のイメージで、そのまたレプリカのつもりなのでタンクは無塗装部分は省略しています。
この後はDUCATIのロゴマークを貼り、クリアーでオーバーコートします。
プロターのデカールは水に浸すタイプの物では無く台紙からその部分だけ切り取って押し付けて貼るタイプの物です。
塗装が完全に乾いていない状態なので、指紋が着かない様に手早く張り付け、クリアーを被せ、状態を見ながら全体を数回吹いて乾燥待ちとなりました。
サイドカバーの修正をしています。
750のロゴマークが凸モールドで成型されているのでカッターで削ぎ落としました。
スリットも崩れた様子なので穴をキチット開けて整形します。
輪郭も若干の手直しをしてフレームの角度に合わせ、厚みも1.5mm程裾を削って薄くしています。
サイドカバーのロゴマークはキットの物とは全く違うので使えません。
かといってデカールを作りたくても設備が無いので手書きで書き込む事にしました。
極細の面相筆で下書きも無しにフリーハンドで書きましたが・・・何とかなりました。
この後クリアーを被せて落ち着かせます。
サイドカバーにはトリムが廻っている様なので、整形する段階でプラ板工作でトリムを表現、塗装で色分けをするつもりです。
シートエンドのみ先行して作っていたのでシート本体の工作が未だでした。
プラ板でベースを作りシートバックに有る小物入れ部分の工作から始めています。
あまり起伏の無い形状なので、全部をプラ板工作で作れるかも・・・知れない。
シートの厚みを出すために1mmのプラ板で箱組しています。
厚みを出してから大まかな形を作るまではそんなに難しくは無いのですが、皮の質感や柔らか味を表現するのが意外と難しい・・・さて、どうなるのか。
シートエンドとシートバックの境に有るファスナーをプラ板の溝切で表現して、殆ど被る様にシートバックを接近させて目立たなく作り、全体のエッジを丸くしたり、柔らかさを表すために若干の窪みを掘り込んだりして全体の質感を付けています。
後は塗装で皮の質感に挑戦です。
最後にミシン目をカッターの切っ先で掘り込み縫製の表現を付けてみました。
また、シートエンドとの接合部分には、あらかじめ彫っていた溝の幅に合う様に0.2mmのアルミ板を切り出し、虫ピンの頭を小さく加工したリベット(本当はネジ)を挿して表現しています。
塗装はつや消しのブラックで全面塗装、後にコンパウンドワックスを控えめに掛けて、部分的にテカリを強調して少し使用感を出しています。
サイドカバーが出来上がりました。
スリットの裏に黒塗りのメッシュを貼り、トリムをブラックに筆塗りし、取り付けビスを虫ピンを小さく加工して取り付けました。
出来上がった部品達をフレームに載せ、ついでにカウルを載せて位置関係の確認。
カウルサイドのステーが未工作なので若干後部が下がり気味ですが、最初にイメージしたシルエットに徐々に近づいている様に感じています。
ヘッドライトの位置は決まったので、カウルステーの工作をしています。
ここが決まれば、後はフレームから伸びるカウルサイドのステーを作れば全体の位置が決まります。
カウルの仕上げも進めます。
スクリーンを取り付けるための立ち上げ部分を0.5mmプラ板を用いて作っています。
ヘッドライトが覗くホールの周りにはトリムをゴムチューブを開いて貼り付けました。
最後に全体を更に薄く削り、最終的に0.8mmほどの薄さまで削り込み、削り作業は終了しました。
裏側は筆塗り塗装で処理します。
カウルの工作と同時にメーターパネルも作ります。
1mm厚のプラ板と0.5mmのプラ板の二枚合わせで起伏を付けて、メーター本体を少し手前に起こす感じに。
メーター本体はキット部品を改造して作ります。
メーターパネル一体のキット部品をばらばらに解体し、丁度良い部分だけを利用しています。
カウルとヘッドライトボディーに圧迫された狭い空間に押し込むために、メーターはかなり小さくまとめなければなりません。
文字盤のめっき部品はそのままの形状で使います。
塗装の終わったヘッドライトボディーをフレームに架装、メータパネルにメーター本体をセットして仮組みをしています。
最後まで切断しないで残しておいたリブはこの時点で切断、カウル内側の塗装処理も終わらせました。
メーターパネルをカウルにセットしてフィッティングの様子を見ています。
今まで現物合わせの工作でここまでやってきたので、多少のツジツマ合わせをして来ました。
メーターパネルも多少前後幅が広めになっていますが、詳しい方でなければ分からないだろう部分と思い、バランスが壊れるのを嫌ってこのままの状態で先に進むことにします。
懸案のスクリーン作りに入ります。
用意した物は電気コンロと先に作っておいたバキューム装置、木枠で囲った0.5mmの塩ビ板、それとバキュームするための掃除機です。
以前最初にトライしたときは、型を無処理のまま試してしまい、ぶつぶつが酷く表面に現れてしまい、型の表面を綺麗に直したつもり。
初めての事なので何をどうして良いやら・・・。
結局この作業に膨大な時間を取られる事になるとは想像にも及びませんでした。
型の表面をを綺麗にして最初のトライ。
塩ビ板をどの程度熱すれば良いのか、バキュームの強さはどの程度が良いのか???な事ばかり。
それでも形は取れた様ですが・・・スクリーンの表面にぶつぶつが消えません。
目で見た程度では一見綺麗になっている様に見えるのですが・・・。
サフを掛け、水研ぎをして見ると・・・やはり気泡みたいな物が多く散らばっていました。
ちゃんとメガネをして工作をしないと・・・、思い込みが災いして無駄ばかり繰り返していました。
結局型を作り直し、合計3個も作る羽目に・・・。
使い物にならないスクリーンの残骸が増える一方でした。
最後にエポキシパテで作った型を、今度は入念に表面を磨き、気泡を全て穴埋めしてトライした結果今までとは比べられないほど綺麗に行きましたが、工作部屋が無い悲しさ、棉埃を数本挟み込んでしまいました。
そんなものでも表面にくっきり浮かび上がってしまうほどデリケートな物だとは・・・認識が甘かったようです。
浮かび上がった多少の凸凹を1500番のペーパーから研磨、裏も表も磨き上げ、更に裏側から薄くスモークを吹いて目立たなくしました。
これでやっとカウルにリベット止め出来るようになりました。
少しスモークが濃すぎる感じがしたので塗り直して薄くしました。
こんな部分でも試行錯誤しています。
スクリーンは軸径0.5mmの虫ピンを使い、ピンの頭の径を1mmに揃えてあります。
内側の止めはワッシャを一枚かませてから細いビニールチューブの輪切りを被せ瞬間接着剤で固定しました。
スクリーンの固定が出来たのでメーターパネルを作っています。
3個のインジケーターは虫ピンの頭を利用してそれぞれの中心に色付けしてあります。
白く見えるラインはデカールが無いため筆書きです。
各メーターのケーブルの取り出し角度を見付けるために仮組みをして、ケーブル取り付け用の足を付けなければなりません。
工作の手順を間違えてしまうと後で工作不可能になってしまうので慎重です。
メーターパネルの取り付け方法も確認出来たのでヘッドライトステーをカウルに固定しました。
スクリーン取り付けと同じ様に加工した虫ピンを利用して、それぞれにワッシャーを介してカウルに押し付ける様に瞬着で止めています。
沢山の虫ピンが刺さった状態からやっと開放され、すっきりと出来上がったカウル・アッセンブリー。
カウルサイドを固定するステーを作っています。
強度の都合上1.4mmの真鍮パイプを横棒に使い、工作のし易さからフレームに固定するブラケット部分はプラ板を使っています。
カウルに穴を開けステーを固定してからブラケットをフレームに接着し、カウル装着の際の水平出しをしています。
この時ステーとブラケットは固定しません。
水平が決まったら一旦タンクを載せ、ステーの横方向位置の微調整をして中心を出します。
中心出しが決まったので、薄いブラケットをプラ板でリブを追加工作して補強、最後に瞬着で固め、形を整えれば出来上がりです。
塗装は筆塗りで十分でしょう
カウルステーが出来たので最終確認のためにカウルを装着してみました。
前後左右上下と各方向からチェックをして概ね想定通りの仕上がりになってホッとしています。
カウルを固定するのはもう少し後になり、その前にフロントフォーク上部の工作やらハンドル周りの工作、エキゾーストからマフラーまで作り込む部品はまだ沢山残っています。