YAMAHA XT 250が誕生したのは1980年のことです。
当時HONDA XL250sの対抗馬として、YAMAHAは初めて4サイクルエンジンをオフロード車に搭載、モノサス装備で走破性に優れたバイクでした。
キットは1981型となっていますが、年式の違いが分からないのでそのまま作ることにします。
リム外側のタイヤ用リブモールドは工作上の邪魔になるので切り落とします。
裏面が平らになったところで、今度はU字溝を掘りました。
ここでスポークを切落とし、リムを整形します。
パターン通り36本のスポークを張るための穴あけが完了し、ハブ部品も完成、塗装待ちとなりました。
Cubその他とホイール作りだけまとめて同時進行しています。
Cubの冶具はXT250とリヤのホイールサイズが同じなのでそのまま利用できます。
リヤよりも難しい、言わば難所?フロントハブの小さい側。
直径7mmの円周上に18本のスポークが掛かる工作は、最初の4本で位置決めを決定すれば後は何時もの通りの手順を踏めば難は乗り越えられます。
この本数を張るだけで冶具から外してもガッチリ固まっているので大丈夫。
ハブとリムの位置関係を見ると、平面にベタ置きした場合僅かにハブの方がリム幅中心線よりも浮き上がっています。
その場合は冶具のリム接触面に浮きを打ち消す厚みのスペーサーをプラ板で作って敷けば解決します。
流石にフロントホイールは径が大きいので、リヤの様に30cmのバネ線1本では足りず、スポーク5本分足りませんでした。
最後の1本を張って片側が完成です。
かくして前後輪が完成しました。
オフロードのホイールはやっぱりスポークの美しさが映えますね。
フレーム、エンジン共にブラックで色気が有りません。
エンジンは艶消し、フレームは艶有りで塗装。
エアクリやキャブも塗装して取り付け。
ブラック塗装のエンジンって面白味の無い事。
多少の退色表現を付けてもあまり目立たず。
汚し塗装をしています。
折角綺麗に塗装したホイールもどんどん汚します。
全体に汚れていない所が無い様に。
シートは当然の如くアシストベルト一体型。
これで良し。
農家の納屋から引きずり出し、取りあえず埃を払って10年ぶりに日に当てている・・・フェールタンクのガソリンは腐り、タンクの中も錆が・・・。
そんな風景が目に浮かんできそうな、いいヤレ加減ではないでしょうか。
バイクの汚し表現は簡単な様で意外と難しい面を持っています。
どの様に汚すか・・・そのバイクの日常使われている状況を先に考えないと、表現する方向性が定まらなく、ストーリー性も無くて汚れ方が不自然になってしまいます。
ただ、変だなぁと思った時、直ぐにやり直せるので普通の塗装よりも方法は簡単と言えるでしょう。
フェールタンクとサイドカバー、シートの後面にデカールを貼りますが、あまりにも古いストックなので、デカールは乾燥しきっていて台紙は黄ばんでいて瀕死の状態。
そのまま水に漬けると水の中でチリジリバラバラになってしまうことは容易に判断出来ます。
そんな時にデカールフィルムを塗れば悲劇は未然に防ぐことが出来ます。
デカールフィルムを塗ったからと言っても台紙からは素直に剥がれてくれません。
気長に糊が解けるのを待ち、慎重に剥がして各部品に貼り付けました。
フェールタンクは赤いラインを境にツートンカラーに塗り分けます。
恐る恐るのデカール貼りでしたが、デカールフィルムの効果が効いて何事も無く終わらせる事が出来ました。
ただ、長い時間水に漬けていたので糊の効きは薄いでしょうから、少し乾燥させた後クリアーで保護します。
一体成型で全てをモールドするには金型の制約上仕方が無いと言えるかも知れませんが、グリップやスイッチ部分が斜めになっているのは頂けませんし、レバーの向きも上を向きすぎて操作性は良くない筈。
折角作るのだからとプラ棒を取り出し、炙って曲げて見ています。
どうせ汚すんだから、そこまで拘らなくてもと思うかも知れませんが、作りこむのと汚しとは関係無く、しっかり作って汚すからリアルさが増すのではないだろうか・・・なんて考えているんですが・・・。
後はワイヤーの取り付き部分を付けるだけ、塗装で塗り分けて終了となります。
着色して車体に取り付けました。
やはり修正して良かったと思う瞬間です。
これはハンドルに着くウィンカーボディー。
取り付き部分の修正です。
左右のステップとブレーキペダルの肉抜き。
結構汚したつもりだったけど、まだまだ足りなかったみたい。
何だかんだ有っても完成すれば達成感と安堵感は味わえるものです。