↓後
↑前
部品の仮組
2002年6月12日 記
是非この張り替え技術を習得してスポークホイール仕様のバイクモデルを完成させてください、バイクモデルの世界が一変すること間違い有りません。
スポークのディティールアップをした後は、その他の部分の細かいディティールアップも一緒に行われることをお勧めします、ごく一部分だけですとバランス的におかしな感じになってしまいます。
最後に、コツはゆっくり、慎重に、仮組を何回も、です。
他にも、リムにアルミ箔を貼るなど、いろいろな方法が有るかと思いますが、スポークの張り替えに対してお悩みの
モデラー諸兄にとって、こんな張り方も有るのかと言う一例が、少しでもお役に立てれば幸いです。
作例では、たまたまこのキットのホイール部分だけ2台分の製作依頼が有りましたのでこの様な内容になりましたが、しかしこのホイールはアルミリムではなかったかな?。
1/6に限らずどんな縮尺であっても基本的な手順は変わりません。
大きいから楽そうに作れると思われがちですが、決してそうではありません ただ縮尺が小さくなるほど加工も慎重で丁寧な仕上げを要求されます。
ここに書きました作り方は、あくまで私流の作り方で人によって違う作り方や、違う素材を使用しての張り替え方法が有ると思います。
フロントと同様に左右のハブ部分がしっかり固まってから、リムを指で強めに挟み瞬間接着剤を始めは少量づつ流し込む様にして張り合わせ、一旦乾かしてから今度は十分に盛りつける様に流し込みます。
全てが完全に乾きましたらバリの出た部分や修正箇所などを補修し、タッチアップ等最後の処理をして完成です。
エアバルブとチューブ止めを作り直し左右のホイールに互いのニップルがはまる溝を彫り込んで、これからブレーキハブ部分から最初に接着していきます。
ハブの処理をしてスポークの張り替えを完了した写真。
スポークの差し込み部分に浮きが無い事がお解りでしょうか。
それと右側のハブとスポークの当たりを少なくして差し込み部分の浮き上がりを少なくするために、ハブの外径を斜めにカットして修正しながら貼っていきます。
この後の手順はフロントと同じですが、工作の違いとしてリヤはハブの幅が広い、リムが小径、この2点の違いでリムに掘る溝の角度を変えます。
1, フロントと同様に被さる側のベロの部分をニッパやカッターで切り落とします、この部分は接着や加工には全く関係のない部分なので遠慮無く切り落としてしまいます。
左側スポークが全部張り終えたところです。
スポークの頭のモールドは、あまり目立たない部分なので修正なしのペイントのみ施しました。
そこでこの部品は正規の位置と角度でハブ本体に接着した後、裏側から写真の様に段差を付けて0.5oピンバイスで貫通させない様に垂直に穴を掘り、その穴にスポークの先を差し込むという方法で張ることにしました。
玩具ではないのでホイールは固定として割り切って作業を進めていきます。
というのは別部品の方にスポークの頭部のモールドが有り、ここを通さなければならないので、この部品は本体に接着して一体化しなくてはならず、その結果リヤホイールは固定されてしまう事になるからです。
しかし、またここで不都合が有ります、このスポークの頭のモールドは6つ有るブロック全てが同じパターンですが、正しくは隣り合ったブロックは互いに逆パターンになっていないと交差するスポークの垂線がぶつかり合って張れなくなってしまいます。
このリヤホイールは右側にブレーキドラム、左側にスプロケットがあり、スプロケットが取り付くハブの部分が分離して別部品になっています。
普通、この部分もハブと一体モールドになっているキットが多い中にあって珍しい構成と言えなくもありません。
動かないスプロケットとは関係なくホイールを回転出来るようにこの様な構造になっていて、素組の場合はそれでよいのですがスポークを張り替えようとすると問題が出てきます。
第二章 リヤ・ホイール
←左側面 右側面 ↑
10, 左側も右と同じ要領で組み付けます。
チューブ止めとエアーバルブも作り直してから左右の接着面を隙間が開かないように修正したのち、ハブ内側の部品を接着して最初にハブを固定します。
ハブが固定されてズレなくなってから、リム側を押さえ瞬間接着剤を流し込むようにして着いたのを確認しながらゆっくりと周囲を接着していきます。
もし、接着剤がリムの表面に流れ出てしまった時は、固まるまで待ってからカッターの先端で剥がせますから慌てる必要は全く有りません、その後タッチアップ等してフロント側は完成です。
7, 左右を重ねてヅレが無くエアーバルブとチューブ止めが正しい位置に来るように、少しずつ片方を回しながら探します。
物によっては多少のズレが有る場合がありますので、ここは是非確認しておいた方がしょうが良いでしょう。
8, 位置が決まりましたらリムにどんな印でも良いですから合いマークをリムの周囲の数カ所に書き込みます。
こうする事で左右を離してもすぐに同じ場所に合わせられます。
9, 張り替えた側のリムニップルの位置を正確に相手側のリムに移して溝を彫り込んだところ。
この段階まで来て、左右を合わせた絵が8番の写真です、合わせ目に隙間が無いのがお解りでしょうか。
これで片側のホイールが80%出来た訳です、残り20%は、もう片方が出来て張り合わせる前の段階で作業しますので、この部分はひとまず置きます。
ここ迄はあまり気を使わなくても時間を掛ければ出来ますが、この先からは結構気を使って進めなければなりません。
6, 写真でお解りと思いますが、ニップルが半分リムに埋まっています、言い方を変えるとリムから出っ張っている形状をもう片方のリムの所定の場所からえぐり取らなくてはなりません。
その所定位置の設定は、リムのニップル付け根のふくらみが左右ピッタリ合う場所で、かつエアーバルブとチューブ止めの位置が正しい位置に来る場所を少しずつずらしながら選びます。
部品の位置決めノッチのモールドは削り落としてしまいますので、任意に位置決めをしてリムの裏側に合いマークを数カ所書いて間違わないように準備をしておきます。(このキットのノッチは位置そのものが間違ってモールドされていますので注意が必要です。)
←ハブの裏側
11本を張り終えたところ
スポークをスチール線に張り替えよう。 ( タミヤ 1/6 ヤマハ YZ250 )
バイク模型を作られた方ならどなたでも、一度ならずともスポーク・ホイールのモデルを作られた経験をお持ちではないでしょうか。
しかし、丹精を込めて完成させた作品をしみじみ眺めていて、何か納得がいかない思いをされたことはありませんか?
その訳はスポークに有ると分かっていても、張り替えのKNOW・HOWが分からなくて諦めてしまう方が多いのではないでしょうか。
そういったバイクモデルファンのどなたにも、時間は掛かりますが、治具も必要無く、お金も掛けずに出来る、私の流儀を披露致しましょう。
スポークホイール・モデルのスポークは縮尺よりもかなり太くモールドされていますので、縮尺に見合った太さで張り替えなければ意味はありません。
通常、実物のスポークの直径は3o〜3.5o程の物なので、キットのスケールに合わせて材料になるスチール(私の場合はステンレス・バネ線)線の太さを計算して決めます。(東急ハンズや通販でも求められます)
1/6ならば0.5o、1/8〜10なら0.4o、1/10〜12なら0.3oと言った具合に、さらにロードタイプ・アメリカンタイプ・オフロードタイプなど、モデルのジャンルや排気量の大小の違いで、材料の太さを決定しますが、 計算上ピッタリというより、幾分細めの方が完成したときの眺めは、より繊細でリアルに見えます。
ここで取り上げた素材はタミヤ 1/6 YZ250 のスポークホイールを0.5o線で張り替える作業をご紹介致します。
使用する材料は、0.5oバネ線と外径1o内径0.5oのゴムチューブだけです。
使用する工具は、0.5oピンバイス、クラフトカッター、ニッパー、棒ヤスリ、サンドペーパー、それと接着は全て瞬間接着剤を使います。
第一章 フロント・ホイール
1, 最初に行うのが0.5oピンバイスで、ハブ表面にモールドされているスポークの頭部の中心に正確に垂直に穴を開けます。
次に、スポークを切断する前に、リムの接着面にスポークの延長線をカッターでマーキングしておきます。
2, さて、いよいよ切断します、ここではまず4本のスポークを切断し、同時にハブ裏側のモールドを削り落として整形します。
そしてリムのマーキング部分を、スポークが通る角度に合わせて溝を掘ります。
3, スポークは曲げる前に先端を丸くヤスリがけをして、穴に通りやすくしておき、左写真のように内外用に曲げ角を変えて曲げます。
曲げしろの長さは、ハブに差し込んだ時にハブ表面から出っ張らない程度にヤスリで削って調整します。
チューブを4o位の長さに切っておいて瞬間接着剤でスポークのリム側に付け、真鍮色に塗装します, この部品を1輪の片側、内外9本ずつ計18本を作り揃えておきます。
4, スポークを張っていきますが、ここで注意が必要です。
モールドをよく見て、スポークがどの様に通るか仮組をし、確認しながら進めます。
先を急いで接着してしまうと、最後の方で組めなくなる場合も有ります。
接着は全て瞬間接着剤を使います、爪楊枝の先を細く削った物を数本用意しておき、この先端にごく少量の接着剤を付けて目標の部分を接着していきます、周りにはみ出してしまったら乾いた後でカッターで削り修正します。
5, ハブの裏側のモールドを削り、整形し、塗装をしながら数本ずつ組み付けていきます、この時モールドのスポークを切断する本数は極力少なく抑えます。
この作業の繰り返しを根気よく、丁寧に、注意を払いながら進めます。
ちなみに、このモデルのハブはつや消しブラックに塗装するので写真の様になりますが、モデルによってはアルミ地に塗装します。
それでは順を追って詳細にご説明して参ります。
2002/04/20〜06/10 追記 2003/12/29〜04/ 1/ 10
追記 2003年12月29日〜2004年1月2日
1年半振りに同じ製作をする事になり、前回メッキ部品をそのまま使用した作例を見直し、今回はメッキを落として左右貼り合わせの際に出来てしまうリム中央部の隙間や筋を修整して、一本物のリムの様に作って見ようと思います。
今回はリューターを使い前回ニップル付近の少しガサついた仕上がりを綺麗にまとめようとも思います。
何しろ1/6は前回以来の事で0.5oのバネ線の硬さを改めて思い知らされています。
ニップルの材料は直径1o、内径0.5oのシリコンゴムチューブを使いました。
作り方は、リューターを使っての溝掘り以外は最初にメッキを綺麗に落とす事だけが違います。
リムのメッキを落とす事に依ってリム自体に有るモールドの荒れやバリなどの修整も出来るプラスの面が有りますが、 その反面、工作は綿密さを要求され根気や忍耐が全てを支配した様に感じられ神経の使い方が半端では有りません。
リム中央に出来る隙間を埋める方法は、接着面に多めに接着剤を両面に着け、圧着すると表面にはみ出す様にします。
その上でリム裏側から瞬間接着剤を流し込みがっちり固定します。
それでも表面の隙間が埋まらない時は瞬着を盛る様に塗りつけて埋めます。
上の写真は、上記説明の要領で左右を貼り合わせ、接着剤がはみ出し、埋まらなかった部分に瞬着を盛り、固まってから中央部分の修正(写真右上部分)に入ったところです。
ニップル基部のふくらみ部分が最も大きな隙間と段差が生じますので、パーティングラインを消す要領を応用して慎重に修整しなければなりません、修正幅はふくらみ部分の幅より少し広めの範囲で全周の面のつながりに気を付けます。
36本のスポークとスポークの間の修整作業は、タップリと時間を掛けて楽しんでやりましょう。
っと言うことで、あらかた修整が終わりましたが所々に埋まっていない隙間が有るので、瞬着でワンポイント抑えでもう一度盛ります。
(写真中央付近の光った点々)
塗料を載せてみます、シルバーの乗りを良くするためと修正面をなだらかにするために少し厚めにしっかりと塗装します。
暫く乾燥させてもう一度確認しましょう。
今回はリムの塗装にクレオスのスパーファインシルバーを使ってみました。
如何でしょうか、完全に溝が消えて、貼り合わせた物とは言われなくては判らないと思いますが (^-^)。
アルミリムということと、リムのリップ部分のモールドが左右形が違うので削り落とし、リムサイドの面をフラットにしてアルミっぽく仕上げてみました。
次回はニップルの塗装とエアバルブとチューブ止めを自作して取り付け、スポークに付着した塗料を除去した完成品をアップします、取りあえず後輪だけですが。
リムの120度置きに有るエアバルブとチューブ止めを作りました。
それぞれの根本にあるナットは0.3oプラ板を2枚重ねで0.8o穴を開けてから6角に切り出し、角を少し落としてあります。
心棒には適当な太さの線が無かったので太さ0.8oのゼムクリップを9oにカットして作り、エアバルブのキャップにはゴムチューブを使用しました。
エアバルブ、チューブ止めをそれぞれの位置に
差し込んで固定して完成です。
完成
追っかけ完成に漕ぎ着けた前輪、ブレーキパネルも塗装してこれで全て完了しました。
1台分の製作時間は手の具合が悪い中で延べ時間で35時間ぐらいでした、正月の休暇を使ったので日数は10程でしたが、通常のペースで
作っていたら一体何日掛かるか想像も付きません。
その後、張り替え方法のバリエーションが増え、リムとハブを最初に分離してから作る方法を各バイク製作奮闘記の中で手法を紹介出来る様になってきました、どうぞ参考にしてみて下さい。
後輪
前輪