製作記

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 2003〜6年に掛けて一度ソロバージョンで作った事が有ります。
 バイク模型にだいぶ慣れてきた頃だったのでキットにいろいろと手を加えながらも幾度となく挫折と再開を繰り返しながら2年がかりで完成させました。

 そう言っても今となってみればやり残した部分や見過ごしている部分など沢山の未熟な部分を見付けられてしまいます。

 故有って手放しましたが、大好きなモデルで折角作った物が手元に無いのは寂しくてなりません。

 たまたまオクで格安で出ていたところ、運良く入手出来たので今度こそ心行くまで弄ってみようと製作する事にしました。
 キットはソロバージョンにサイドカーのセットが付録になった様な物で、ソロの部分は全く一緒なので、今回もソロとして作って行きます。

 エンジンやその他に関して少し書き始めた頃にパソコンが壊れてしまい詳しい画像が消えてしまいました。

 全く残っていないので、現状の部品を紹介しながら製作記を始めて行きます。


 エンジンのモールドは昔の方法と同じですが、より丁寧な削り込みを施し、シリンダー底辺の嵩上げをしたり、各調整蓋の合わさる部分の整形をしたり、前回よりも大幅に手を加えて、元の甘く乱れたモールドの面影を無くしています。

 フレームは歪みが酷く左右がピッタリ合わず、メインフレームと別体になっているエンジン後部マウント部分()が上手く接合出来ません。

 エンジンをこの部分的なフレームに取り付けてから本体に取り付ける事が出来ず、止む無くフレームはフレームとして完成させなければなりませんでした。

 これによりエンジンの搭載も全く違う方法を考えなければならず、無い知恵を絞って位置決めのノックピンを切り落とし、フレームを貫通するプラ棒にしてノックを後から決められる様に改造しました。

 しかし、これでもエンジン全体をそっくり乗せられないのでシリンダーから上は後から乗せる様になりそうです。

 フォークの形状では、インナーチューブとボトムケースの外径が同じというモールドの間違いを正そうと、キット部品のインナーチューブと同じ径のアルミパイプと、内径をアルミパイプと同径のドリルを通したプラパイプを使って造形中です。

 ダストシールカバー部分はプラ板を巻き付けて削り加工しています。

 ホイール関係ではリムをプラ板の積層から削り出したH型リムとし、低い段付きのドラム内側には冷却フィンをプラ板積層で作って置き換え、はっきりとした表情を付けています。

 ホイールの取り付けを通常通りのするための改造でハブ中心の穴を最初に大きめの穴を貫通させました。

 シャフトに使う材料はプラパイプ、アルミパイプ、真鍮パイプ等で徐々に細くして一番細い部分がボトムケースに通る様に工夫しています。

 そのシャフトをドラムに通したところです。

 ボトムケースエンドをシャフトが通る様に加工して実際にハブを仮組してみました。
 
 この時ドラムが傾いたりよれていたりしないか確認しています。

 ボトムケースにシャフト穴を開けたので、フェンダーブラケットのノック穴を開けています。

 暫定的な穴開けですが位置的には良い様に見えます。

 フロントサスと同時にリヤサスも弄っています。

 2枚合わせのリヤショックはモールドが悪くおまけにフレーム側に有るべくブラケットがショック側にモールドされています。

 最悪なのはそのブラケットがフレームから浮いてしまいブラケットの用を成していない点、上下共同じ形態なので不自然というか・・・それは無いだろうと言う事でブラケット部分を削除してショック側上下の取り付け部分を薄くして通常の形に戻しています。

 それと同時に甘いモールドを正しています。

 フレームとスイングアームを仮組して、弄っていないショックを仮置きしていますが、ご覧の様に上下のブラケット部分はフレームから離れフレームと一体になっていません。

 これではいくら塗装で色分けをしても不自然さは一目瞭然です。

 昔、同キットを作った時はスキルの低さ故この部分はスルーしてしまいました。
 他にもいろいろとスルーした部分が有り、作って行くうちに違和感だらけがストレスとなって溜まり、挫折に追い込まれてしまった経緯が思い出されます。

 パット見良く出来たと思って細部を細かく見てしまうと、今ではとても人様に御見せ出来る代物では無いのがリベンジの理由です。

 ショック上下のブラケット作りに取り掛かりました。

 プラ板の端材で2mm四方くらいの大きさですが、ショックを取り付けるためには強度も必要です。

 フレーム側も要改造。

 ブラケットの位置幅が上下で差が有ってはいけません。

 元のモールドを削除してフレーム本来の形に戻しています。

 検証するために左側のブラケット部分は残しています。

 ブラケット位置の検証。

 右ショックの下部はスイングアームに仮止めて垂直に立たせるとシートレールパイプ幅の中央に位置しています。

 未工作の左側はアッパーブラケットを削除していないので若干外側に傾いています。

 やはりショックの平行を出すためには、右同様ブラケットを作り直さなければいけない事が確認出来ました。

 フレームを弄りだしたところで、ついでだからとサイドスタンドを改造しています。

 フレームに有るスタンドのジャーナル部分を補強して割れたり折れたりしない様に加工、スタンドアーム本体は、本来ではそこを挟む形で接着するところを、真鍮パイプと半田盛で削り出したアームと置き換える事にしました。

 これで完成後はまず折れて仕舞う事は無いでしょう。

 全長22mmの真鍮パイプの片方を切り開いて広げ、半田を流し込んで塊にし、てジャーナルをピッタリ挟める様に工作をして可動出来る様にしています。

 畳んだ状態も良し。

 フレームから僅かに離れた位置で水平に収まりました。

 フレーム側のブラケットが出来ました、ついでに伸ばしランナーで溶接脈を再現、ほとんど分からない工作ですが有った方がよりリアルではないかと・・・。

 他にも溶接脈を付けなければいけなくなりそうです。

 前後しますがフロントフェンダーっを弄っています。

 この部品は左右貼り合わせで構成されていますが、どこぞのキットと違いモールドが良くなくパチピタとは行きません。

 張り合わせて全面的に修正、今回もステー部分はアルミパイプで作るため切り落とします。

 タイヤに被る部分も深すぎるのでサイドの縁を約1mmほど削って浅くなる様に修正します。

 前後の先端部分は貼り合わせ部品のため、肉厚のバラつきで内側に綺麗なRが出来ません。

 肉厚を薄く削ると同時にRもきちっと出す様に加工しています。
 シンプルな部品ですが結構手が掛かります。

全体の削り込みが終わりステーを作っています。

 これといった治具は無く、フェンダー部品に押し当てながらカーブを作り、左右の曲り部分は目見当です。

 材料は1mmアルミパイプ、つなぎ目はフェンダーブラケット部で目立たない所にしています。

 この先ステーをフェンダーに固定するための金具を前後2個づつ作ります。

 フェンダーステーは前後で2分割、中央で0.5mmのステンロッドを介して繋ぎます。

 フェンダー取り付け用ブラケットは0.2mmのアルミ板、アルミ缶を開いて塗装を落とし磨いた物で1mm幅に切り出して作りました。

 このアルミ板は結構コシが有って薄い割には変形しにくいので度々使っています。

 これでべラケット4個に取り付け用の穴を開ければ完成に近づきます。

 フェンダー取り付け金具に穴を開けてステーに通し、前後2分割のステーを一本物に接合しました。

 これで取り付け金具の穴位置を決め易く出来ます。

 フェンダーとステーの位置を決めるためには一度この様にフロントサスに仮組をして相対的な位置関係を確認しながら目指す穴位置を決めるのですが・・・これが結構難しい作業、何回もやり直してやっと位置が決まりました。

 っといっても実際に組んでみないと・・・。

 話はあちこちと飛びますが、それだけ気になる部分が多いって事で、これはメインスタンドを作っているところです。

 車体を保持するための重要な部品ですが、プラ素材のもろさや経年変化で変形や破損を経験している関係で、近年ではスタンドの強化は必須の工作となっています。

 全てでは無いにしても、強化しないと??な部品と取り付け方法には、疑問を抱いた時点で改修決定、即、強化策を講じます。

 今回はピボット部分がメインですが、キット部品を修正するよりも金属でスクラッチした方がベストと思い着手した次第です。

 使用したのは2mm、1.4mmの真鍮パイプ、0.3mm真鍮板。

 何の治具も無く作ったので多少イビツになってしまったかもしれませんが幅と平行は確保していますから使用には支障は無い筈。

 補強が主目的で、ブラック塗装なのでそんなに目立たない部品です。

 ギタギタと汚く盛った半田を丹念に削り落としたので、目立たない部品とは言え一応体裁は良くなりました。

 ざっと整形した時点で仮組をしてメインスタンドの傾斜角を点検、わずかに修正して再度、今度はサイドスタンドとスイングアームも一緒に仮組。

 キット部品と比べてもそう違和感は無いとおもいますが・・・。

 サイド、センター共に金属部品、フレーム側の補強と相まって、取り付け状況は頑丈その物。

 後はスプリングを作って取り付ける訳ですが、その前に仕組みを調べなくては・・・。

 仕組みが分かって早速工作です。

  H 型のスタンドの横棒の中央にスプリングハンガーを半田付け、メインフレームにも同様にハンガーを取り付け、ステン針金を1.2mmのドリルに巻き付けて作ったスプリングを付けてみました。

 キット部品とは違って格段に重いスタンドなので、サイドスタンドで立たせた場合にスプリングが無いとだらしなく下がってしまいますからね。

 サイドスタンドのスプリングは一回り細く作りました。

 サイドスタンドにもフックを作り、フレーム側にも同様にフックを作って掛けてあります。

 この自作スプリングは結構強力で、それぞれスタンドを外そうと少し動かすと実車同様に途中からバネ力でピンっと跳ね上がり、思わずニヤッとしてしまいます。

 センタースタンドはこのままだと跳ね上がり過ぎるので、ストッパーを何処かに作らなければなりません。

 ショックフランジに溶接脈を付けたので、その他の部分にも同じ処理をしています。

 白いラインが見えますが白いランナーを伸ばして貼り付け、流し込み接着剤で溶かしながら押し潰した物で、黒く塗装してしまえば殆ど分からなくなってしまいますが・・・。

 今回作るXS−1には、1/9 用として販売されているコスモズファクトリーのエッチングチェーンを奢ろうとしています。

 このチェーンは駒の大きさは1種類ですが、作るモデルによっては 1/8 〜 1/10 のキットに使えます。

 XS−1は 1/10 なので若干大きいかと心配なので駒を並べてキット部品のチェーンの駒数と比較したところ、前後のスプロケットに掛かっている赤矢印間で一コマ少ない事が分かりました。

 殆ど見分けが付かない差なので、コスモズファクトリーのチェーンを使う事に決定。

 今回のチェーンでは何時ものアルミ製ローラーでは無く、真鍮パイプでローラーを作り、色気を付けようとします。

 作り方はいつもと同じなので割愛して、全長160mmの長さで完成です。

 外側の駒は2000番のペーパーを掛け、内側の駒は黒染めをしました。

 ローラーが金色なので、シルバー、ブラック、ゴールドと3種類の質感の違いが表現出来ました。

 次にローラー幅と同じ0.7mmアルミ板を使って前後のスプロケットを作ります。

 チェーンのピッチをキット部品のスプロケットの直径を参考に円周上にピッタリ合わせるには面倒な計算が必要ですが、最終的には百分の数ミリ程度の誤差に収めて半径を割出して円を罫書きました。

 円周上にピッチの数値でポイントをしるし、細い針で突いて目印にしてから0.4mmのドリルから段階を経て穴を大きくします。

 ドライブ側の小さい方は既に完成、ドリブン側は穴開けが終わり座繰り処理もしています。

 これからニッパを使ってきりだします。

 チェーンとの噛み合いがスムースになる様に若干のヤスリ掛けと噛み合いの際の引っ掛かりを防ぐため刃先を両側面から斜めにヤスリを掛けています。

 前後共噛み合いはピッタリ、離れもスムーズです。

 横方向の振れも許容範囲以内

 ドリブンスプロケットに肉抜きの穴とボルト穴を開けました。

 ハブ部品の造形の関係でボルト位置が若干内側になった以外は長さ、大きさ共にピッタリに出来上がり、チェーンはこの時点で完全に繋ぎました。

 ドライブスプロケットのシャフト穴はもう少し後で開けることになります。

 XS−1のスポーク数は前後共36本、前後輪で若干サイズが違いますが、このモデルではスポークの長さはおおよそ16〜17mm、内外に引っ掛け部分を分けて曲げ、ニップルも切り出して最初に奥の内側から張り始めています。

 毎度の事ながら部品が全部揃うともう出来たも同然です。

 スポークを張り出したら2時間も有れば終了、後はニップルを塗装してエアバルブを取り付けて完成です。

 今回もリムの塗装にはスパッツを使い、ポリッシュ仕上げのH型リムにしてみました。

 ドラムの方はシルバーを塗り、メタルカラーのクロームシルバーでドライブラッシ、フロントの黒丸はエナメル塗料で筆塗りしています。

 スプロケット取り付けボルトも作って刺しこんで接着・・・チェーンラインが上手く行きますように・・・。

 ホイールが出来たので、塗装が終わったスクラッチしたボトムケースを仮組

 架装品の下準備はまだまだ有ります。

 リヤフェンダーもテールランプボディーが取り付く突起やフェンダーモールの取り付く突起を綺麗に取り除き塗装の準備へ。

 サイドカバーにモールドされているエンブレムやモールは境目がダルく塗り分けにくい状況なので、境目を際立たせる工作を施し、カバーをフレームに止めるボルトのモールドを落として、こちらも塗装スタンバイ。

 ヘッドライトボディーとヘッドライトステー、サイドカバーとフェールタンクは同色になるので4点を同時進行で工作していますが、このタンクにはラインを書き入れるための目印になる様に凸モールドのラインが有ります。

 丁度エッジの頂点になるので綺麗に落として整形しました。

 1作目はタンクは丸い物だと思い込んでいたのでこの様にエッジが付いているとは知らず、丸く整形して作ってしまいました。

 エッジが取れて丸くなったのは後期型からの様で、初期の物はこの様にエッジが存在したようです。

 上から見たところです。

 はっきりとエッジラインが見えるので、ライン引きの基準点が見分けられます。

 初回は基準を定めるのに苦労した思いでが有ります。

 マスキングによるライン塗装・・・面倒ですが今回も挑戦ですね。

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YAMAHA 650 XS1
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