左右の部品を三つ又で繋いで接着しています。
この時点で左右に歪みが付かない様に後輪を仮組みしたフレームに仮組して確認しなければなりません。
位置が決まったら暫くの間触らないで固まるのを待つことになります。
切り出したアルミ板で作った部品を装着してアウターチューブを組み付けました。
SM06クロームシルバーの筆塗りは、塗料自体に伸びが無いのと揮発性が強く直ぐに乾いてしまうので、細筆にたっぷり含ませてからサッサと塗りつけなければなりませんでした。
出来上がってみるとアルミに近い輝きが有って余り違和感が有りません。
フロントサスを組み付けるにはこの部分を仕上げなければなりません。
ダストブーツラバーとライトステーボディーを繋ぐ部品はメッキされた物らしく、その上の膨らみのある部分まで本当は一体になっている様です。
ここではメッキ塗装をせずに下の平の部分はアルミ板をあてがい、膨らみの部分は本来エアブラシ用塗料のSM06クロームシルバーを筆塗りしてみようと思います。
キットオリジナルのシート部品です。
シートサイドのトリミングモールやアシストベルトが一体成型でモールドされていて、1/8
にしては大雑把すぎます。
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最初に少しリアリティーを出すためにモールとベルト部分のモールドを削り落として新たに作り足すことにします。
同時に表情にメリハリを持たせるため若干刃を入れて均し、ビニールレザーの質感の元を準備しておきます。
サイドモールの有った場所には幅1o深さ0.5oくらいの溝をカッターで彫ります。
彫った溝には太さ1oのアルミ棒で作ったモールをはめ込みます。
前もって溝にピッタリ合う様に、指の腹を使ってユックリ慎重に合わせて・・・。
パチンっと嵌りました。
曲がりの部分の浮きも殆ど無く、瞬間接着剤を流し込めばそのまま出来上がりそうです。
塗装では古くなったビニールレザー張りのシートという設定で、経年変化を表現しようとしています。
最初に下地の塗装が終わって艶のないブラック塗装を施しました。
塗装が充分乾燥するのを待って、コンパウンドワックスを薄く塗布した布でオシリや内股が当たり擦れてテカリが出そうな部分に重点を置きながら全体を薄く磨き上げました。
何も処置しない綺麗なシートと比べると陰影が付き、それらしい雰囲気が出た様な気がします。
次に最初に削り落としたアシストグリップベルトを0.5oプラ板で作ります。
シートの形に曲げグセを付ける前に、ミシン目のモールドを両端に刻み込みベルト幅の中央部をホンノ少しだけエグルように削って表情を付けています。
ベルトの塗装が終わり、シート地と同じ様に少しだけ部分的に艶を出せば出来上がり。
シートモールを接着し、外側から巻き込むようにベルトを取り付けてシートが完成しました。
結構それらしく見える様になったと思います。
間が空いての工作なのでアッチをいじったりコッチを作ったりでまとまりがなくなっています。
エンジンの右側のカバーを仕上げています。
オイルポンプのコントロールケーブルの基部や回転計ケーブルの基部をアルミパイプやプラ板で作り、各螺子の頭はアルミ棒に換えて作り、省略されているラインも彫りこみました。
ヘッドボルトは1mmのプラ板から切り出し、プラグのベースには0.3mmのプラ板を使いヘッドを仕上げ、エキゾーストフランジもキット部品に手を加えて形を直しています。
やっとこれでフレームに載せられるくらいまでになりました。
一度フレームに仮組みしてキャブとエアクリーナーのフィッティングを見なければならないのでもう少し手間が掛かります。
1/8 ともなると普段気にもしない部分がどうにも気になり、その気持ちに素直に手が反応していきます。
フロントサスも先に仕上げないと・・・ステムシャフトを挟むかたちでフレームを接着するので、ステムシャフトはサス側にしっかり固定しておく必要があります。
それと同時にフェンダーやホイールなどもある程度組み付けて位置を確定する必要に迫られています。
そこでフェンダーを先に仕上げようとして、メッキを剥がしたステーを加工しようと指で摘んだ瞬間、ポロポロっと折れてしまいました。
何かに引っ掛けたというわけでもないのに・・・。
最初は綺麗に形を整えるに留めようと思っていたのに・・・仕方なく真鍮パイプで作り直しに掛かっているところです。
この様にプラ素材の経年変化による脆さは随所に有るので、思いもよらない修正や加工の手間が時間を奪っていきます。
やっとエンジンをフレームに固定し、前後のホイールや付属の部品を組み付け始めました。
途中プラ素材の脆さゆえの折損が何箇所か有ってスムーズには行きません。
特に細い部分は非常に神経を使い、誤って倒したりすれば簡単に折れてしまいそうな不安が絶えず付きまといます。
これから先も慎重に行かねば・・・。
組み付けながら車体全体をエナメル塗料でビシャビシャとウォッシング&ふき取りをして落としきれない汚れを付けています
車軸は貫通式では無く、スイングアームで両側から挟む方式のため、接着時に接着剤が余計な部分に付かないように気を付けながら・・・ リヤホイール周辺も何とか収まった様で・・・。
フロントのブレーキパネルは、ケーブルの取り出しやケーブル止めなどが特別に部品が有るわけではないので、キチンと形を出すためにそれなりに手を加えて・・・。
こんな具合にしました。
こびり付いた汚れもそれとなく表現。
アルミパイプを埋め込んで置けば後でケーブルをつなぐ時に便利です。
ブレーキアームはご覧の様な部品でかなり大雑把、ここも少し手を入れましょう。
ジョイント部分のみ作り直し、アーム部分はキット部品を修正しました。
これでフロントホイール周辺も完成したので、フェンダーと共に完全に組み付け出来る様になりました。
配線もそろそろ始めなくては・・・。
配線と同時にシリンダー後部の部品たちの組み付けをしています。
シリンダーをスクラッチしたためなのか、シリンダー・インテークからキャブ、エアークリーナー・インシュレーターまでのつながりが収まり悪く、おまけにサイドカバーとエアクリーナーとの取り付きも収まりが上手く行かないので、アッチコッチ盛ったり削ったりしてフィットさせるまでずいぶん手間取りました。
セミアップマフラーを取り付けてしまうとあまり目立たなくなってしまう部分ですが、拘りとでも言いましょうか・・・。
四苦八苦して何とか収め、サイドカバーもきちんと所定の位置に収まったので、シートの位置も調整出来、先への希望が出てきたところですが、コジレる部分はまだまだ沢山有るので当分は気が重いのは晴れそうもありません。
このキットを作るうえで作り直さなければと決めていた部品の一つにマフラーが有りました。
確かに、実車の雰囲気は持っているものの、一体整形されたプロテクション・プレートやエキゾースト・パイプとのつながりの不自然さは自分としては受け入れがたく・・・。
それでも一応仮組みをしてみた結果、エキパイ部分のカーブがクランクケース幅よりも大きくに外側に位置するため、マフラー本体の幅も大きなものになります。
よくよく調べてみるとエキパイのカーブそのものが間違っている様で、直すことを検討せざるを得ませんでした。
太さ5mmもあるエキパイをどうやって作り直そうか・・・、手持ちの材料には限りが有るので選ぶ事は出来ません。
結局同じ径のプラパイプを使い、輪切りのつなぎ合わせで形を出そうとしています。
形状としては図の様に変更しなくてはならないので10数回輪切りにしてつないでいきました。
単なるカーブではなく3次元曲線を持つカーブなので、もう一方を作るためにまたまた神経を使わなくてはなりません。
また、マフラー部分に関してはキット部品の形状(純正部品)とは全く異なったカスタム形状を考えているので、マフラーはスクラッチしようとしています。
さて、どうコジレて行くのか・・・お楽しみに。
エキパイからチャンバーまでをスクラッチするにあたっておおよそのラインを参考にするためキット部品を接着して見本としています。
若干ラインの変更も考えているのでソックリそのまま写す訳にはいきません。
パイプを切っては繋ぎ切っては繋ぎの連続で形を作っているので見た目段差だらけのパイプで、果たして綺麗に作れるのか多少の不安は感じつつも、やってみなけりゃ結果は出ないと開き直って進めています。
段差をなくす作業は平ヤスリと半丸ヤスリ、大小のヤスリを総動員して表面を綺麗にしています。
一本物として排気管を作るため、テールパイプになる3mmのアルミパイプを差込み、8mmのプラパイプを細工して被せてやっとベースが出来上がりました。
サイレンサーを後部に仮付け、取りあえず片方にパテで肉盛しながら様子を見ています。
サフェーサー処理後ブラック塗装を施し、細かい凸凹を再確認しています。
カスタムマフラーと言う事で、どの様な外観にしようかと考えました。
金属地肌のまま、今風の焼け色を付けたチャンバースタイルにするか、RZ250の様な半艶消しのブラックにしようか・・・、それとも全部クローム仕上げのキラキラなマフラーか。
オリジナルの持つクロームメッキを施されたマフラーのイメージを出来るだけ残そうとすれば後者のクローム仕上げが妥当と決め、早速メッキ塗料をして様子を見て見ます。
クローム塗装といえばクレオスのSM07かアルクラッドU、今回使用した塗料はアルクラッドUの方で、SM07と使い方は同じ。
下地処理が上手く行ったせいもあって、そのクローム感は最高の出来になりましたが、今後の工作で普通には触れなくなりました。
とは言っても経年変化も表現していくので多少の色落ちは気にしないで行きます。
仕上がったところで車体に合わせてみれば・・・イメージ通り非常にグッドです。
何十年もストックし、移動も何度か有ったせいで箱は破れ中身はバラバラ状態ので無くならないのが不思議なくらいだが、やはり紛失する部品は仕方の無い事だと諦めなくてはいけない。
燃料コックもその一つ。
ランナーとプラ板でこんなもんかなあと作りました。
左右をつなぐパイプも・・・。
これでやっとタンクを載せることが出来、サイドカバー、シートの位置関係を確定する事が出来る様になりました。
マフラーの取り付きはこの辺の角度かなー。
プロテクターを作らなくては・・・。
プロテクターの形状はキット部品同様パネル状にするかそれとも全く異にするかいろいろ考えましたが、結局経験を積み上げるために半田付けの練習を兼ねてワイヤーで作る事にしました。
形状はイメージのままに、上手く行けば左右作ろうと思います。
先ず輪郭を決めてから縦棒を付け、組付け用を兼ねたプレートを付けます。
材料は0.5mm洋白線と0.3mm真鍮板を使っています。
次に、余分な半田を削り落とします。
次に横棒を溶接して余分を落として出来上がり。
右側を先に試作したのでそれを見本に左側を作っています。
無い部品のテールレンズは透明プラ板を積層してブロックを作り、リューターを使ってくり抜いて作ってみました。
赤い方は積層の方向を間違えたのと小さすぎで失敗作・・・、今度はどうかな?。
クリアー部品の紛失は正直言ってキツイです、材料は透明プラ板しか無いしノウハウも無い。
結局こんな方法しか見つからずに作っている訳です。
何とかリカバリー出来ました。
マフラープロテクターも出来、後部取り付け金具も強度を考えてアルミ板を使用して取り付け、マフラー全体が完成しました。
早速組みつけています、オリジナルと比べて若干後方への角度を付けスポーティー感を強調したデザインにしたつもりですがどうでしょうか・・・。
後部フランジボルトには荷掛けフックになる様にボルトの頭をそれらしく加工しました。
なかなか良い感じになっています・・・自己満足。
さて、次なる問題はこれ。
ステップの位置がキットでは前過ぎになるのと、あまりにも華奢なアーム部分なので直ぐに折れてしまいそうでした。
事実亀裂が既に入っておりそのままでは使えない事も分かりました。
そこで左右別部品となっているステップを2mmプラ棒を使い、キット部品のステップラバー部分のみ切り離してこんな形に作り直しました、実際は左右別体なんですがね。
これなら多少の転倒が有っても折れはしないでしょう。
また、キックアームのオリジナル部品は形状ならびに大きさが不釣合いなので、これも却下。
同じ様にプラ棒を使って作り直し決定。
更に、ブレーキペダルはフレームから直接直角に右に生えている状態なので、これも作り直し決定、しかし本物がどんな形状なのか分からない・・・困った。
他にもまだ分からない部分が数箇所・・・う〜む。
安易に考えていたメインスタンドも、よくよく調べてみれば取り付き方や形状の違いが有ることが分かり、ブレーキペダルの支点位置にも影響を及ぼしている事が分かりました。
今更メインスタンドを作り直し、フレームをいじるとポキポキと折れそうな危険をはらんでいるのでそれは断念しました。
キットの造形や部品を出来るだけ生かそうと始めた今回の制作も、いろんな箇所にモールドの間違いや省かれた部分が多く、作りこみをどこまでで止めればオリジナル性を損なわない様に出来上がるかが一番のポイントでした。
現状のフレームをいじらずにブレーキペダルを作ろうとすると、多少実物と形状が変わってしまいますが、どれだけそこまで詳しい人がいるのでしょうか。
このウネウネした曲線は実物も同様で、こんなのどうやって作れば良いのさぁと思いましたが、結局踏み板部分のみキット部品から切り離し、アーム部分はプラ棒をライターで炙り現物合わせで作ってしまいました。
支点位置の多少の違いは、目立たない部分ということで目をつぶって下さいね。
キックアームを0.3mmと0.2mmプラ棒とプラ板で作りました。
ちなみに右の絵の右のアームがキットの部品です、流石にこれではチョット・・・。
出来上がった部品は直ぐに組み付けます。
ブレーキペダルが付いたお陰でリヤブレーキのロッドとアームもつける事が出来て右側の部品は全て取り付けが完了しました。
左側もシフトアームとタンデムステップの二つの部品を取り付けて完了。
最後に残ったのは、ハンドルとケーブルの配線、最後の汚し仕上げのみとなりました。
フロントフェンダーに付くケーブルクランプをランナーから削りだして作りました。
これをフェンダーに付ければ、スピードメーターケーブルとブレーキケーブルの取り付けでやっと完成です・・・多分。
フェンダーに取り付け、ケーブルを通せばこのセクションも終了。
ハンドルは敢えて作り変えは避け、モールドの修正やアジャスター、ボルト頭を作り変えるに止めました。
ライトハウジング上に有る筈のメインキーをプラ板の積層で作り、キーにはリングを付けました。
これで走れる様になりました・・・ナンチャッテ。
最後にナンバープレートを作り、ナンバーの代わりの文字をプリンターで印刷した紙製のプレートを貼り、クリアーで固めて取り付けました。
全体にうっすらとした汚れを付けるために再度ウォッシングを掛け、拭き切れない汚れを残して完成とします。
以上をもって全工作が終了しました。
期間だけは10ヶ月近く掛かってしまいましたが、今年は週末に思うように時間が取れず間を置く時間の方が非常に長くなってしまいました。
最初に目指した様に、Revellの初期のプラモデルキットを出来るだけ素直に作ろうとして全面改良はせず、要点を押さえた改造に止めようとしましたが、中途半端なディティールアップでバランスを崩してはいないか・・・落ち着いた時間の中での制作が出来なかったため目が行き届いていない様な気がします。