1/8のフレームが塗装を終えて仮組をしている所ですがフロントフォークの問題は未だ解決できないで頭を抱えていましたが、1/12が完成したのを機会にそれを定規代わりにHellerの1/8を進める事にしましょうか。

Heller 1/8 YAMAHA TY125の続き

1/12 TY125

 何時までも考えていても一歩も進まないので、思い切って続きを始めます。

 フォークとアウターチューブのガタの修整はインナーチューブ側の丁度アウターチューブが被る位置に0.2oプラ板を巻き付け接着し、先のほうには0.5oプラ板でスペーサーを作り振れ止めにして左右の部品とフェンダーを含め仮組をして見ています。
 この状態で各方向に狂いの無い様に仮接着し、内側だけ固定します。

 左右の位置決めが決まり、アウターチューブ外側を接着します。
 接着剤は多少多めに塗り、はみ出し気味に張り合わせ、隙間が出来るのを防ぎます。

 結局は1/12の一体モールドと同じ形になった事になります。
 モールドの細かい修整は固まってから行います。 

 シートレール後端のRの部分は中央部で繋がるのですが、左右からの合いが悪くRが滑らかでないのとリヤフェンダーを取り付け時にフレームを広げなくてはならないがその時に剥がれてしまう恐れが有るので、2oプラ棒に置き換え、つなぎに0.4oステンロッドをアンカーとして接着し整形します。

 フロントフォークもシートレール後端も何とかなり、塗装の塗り分けも終わりました。

 今回からインナーチューブの様なメッキ部分の表現に、今までのメタルカラーではなく最近出回り始めたらしいクレオス・スーパーシャイン・シルバーを使って見ました。

 この塗料は触っても落ちないし、クリアーコートもOKと言うことなので今後使い道が広がりそうで期待が持てます。

 それと、今回はオフロード車ということもあり、少し使い込んでいる様な感じを出したいので、フレームはじめ各部をウェザリングしながら 作って行こうと思います、私にとって久しぶりの事なので上手くいきますかどうか。

 1/12と違って1/8ともなると大きくて、しかし、ディティールは1/12と同じ程度なので、ただ単に普通の塗装をしただけでは実車の雰囲気が出ません。
 スプロケットの歯の出ている部分を山型に修整したり、塗装にも油や埃汚れ、歯先の擦れて光っている部分とか、ぼろ布で拭った様な使用感を意識して塗装してみました。

 エンジンをフレームにマウントするためにはエンジン後部2本の横方向のフレームを組み、そこからそれぞれ2組のフランジを付けフロント側も同時に挟み込む様にマウントします。

この時スイングアームやチェーンなども同時にセットし、今までフレームを開く為に接着しなかった他の部分も接着しました。

 エンジンの位置が確定したので3分割のマフラーを仮組して位置を合わせます、相変わらずエキパイの位置に多少の修正が必要でした。

 リヤショックはご覧の構成部品で、下のボッチだらけの棒は、この冶具でスプリングを付属の金属棒で作るために有ります。
 しかしTY125のスプリングは不等ピッチであるのでこのボッチは必要無いでしょう。
バリだらけのメッキ部品は全てメッキを落としてからの作業になります。

 一番右はエンジンガードですがエッジの厚みやラインが乱れていますので、厚みを薄く削りラインも修整して取り付け後の見栄えを良くしておきました。

 ヘッドライトリムはやはりメッキ部分に乱れがあり、ランナーからの枝がリム表面に有って修整が必要なので反射鏡部分のみマスキングをして後はメッキを落とし修整の後、金属塗装をします。
 最近GSIクレオスから、なかなか手に入らないアルクラッドUに引けを取らないメッキ塗料が発売になると言うことなので塗料待ちです。

 リヤショックを作っています、メッキは綺麗に落としスーパーシャインシルバーで塗装後、シャフトを1.3oの金属棒に変えて組みました。

 元のモールドのシャフトはプラ材が軟らかすぎのフニャフニャ状態なので強度的に不安が有りました。
 金属棒は大きめのゼムクリップに丁度太さが合う物が有ったのでそれを利用しました。

 スプリングはキットの物は太すぎて錆が来ていたので0.55oのステン針金で不等ピッチに巻いて作りました。

 チェーンカバーを作っています。

 1/12の時と同じで元の部品はやっぱり厚過ぎなのと、ステーのモールドに難が有るために0.3oプラ板で作り直しました。

 エキパイからマフラーに架けて最中の様に溶接脈を伸ばしランナーで再現します。

 貼り付けたランナーは丸い断面なので接着部分に濃いめの塗料を盛りつける様に塗り込めてから本塗装します。

 今までに出来上がった部品を組み付けました。

 フロントはトラブルがあって未だに組み付けには至っていません、どんなって?
 フェンダーが歪んでいるので直しているんですが、なかなか歪みが直らなくて苦労してます。

 それが直れば一気にと行きたいのですが・・・。

 頑固なまでのフェンダーの歪みも、根気有るのみでやっと直せました。
 どうやってって?、反対側に捻ってプラ材の腰を無くし、割れる寸前まで何回も熱いお湯の中でやってました。

 これでやっとの思いでフロントホイール周りの組み付けが出来、リヤもブレーキ関係の組み付けも出来ました。

 ブレーキロッドは0.5oステンバネ線に置き換え、スプリングも0.2oの針金で作り直してあります。

 マフラーのプロテクターですが本体に取り付けるビスのモールドがハッキリしないので、塗り分けるにもメリハリが付かないと思い、ビスのモールドは削り落として新たにビスの頭だけをプラ板で作ることにしました。
 虫ピンを代用しようとしましたが虫ピンでは少し細すぎる様です。

 取り付けビスの頭をプラ板で作るつもりでしたが、伸ばしランナーの方が作りやすいと思い、ランナーで作りました。

 少し太めに伸ばして切断し、先端をライターの火に少し炙って丸みが出たところで先端に十字を彫り込んでから薄ーく切り出しました。

 ビスを取り付けた状態です。

 プロテクターの部品は厚みが結構有って、スリットの部分から不自然な厚みが解ってしまいますのでこの部分は裏側からかなりの勢いで薄く削り落としました、途中でヒビや割れが起きないか冷や冷やしながら・・・、でも上手く行った。

プロテクター取り付け完了!!

こんな小さな工作ですが、やるとやらないでは見栄えが全然違って来るもんですな〜。

 全てのメッキを剥がしてしまっているので、メッキ部品の再現は逆に全て塗装しなければなりません。

 ヘッドライトリムですが、ランナーからの枝が直接モールドに繋がっていたのと、モールド自体の荒れが酷いもので綺麗にしてからの塗装です。
 塗料はクレオスのメッキシルバーをほんの少し付属薄め液で薄めて吹いてあります、下地には艶有りブラックをしっかり吹いて十二分に乾燥させてから吹きました。
 あまり手で触る事は控えた方が良いので行程を考えながら部分品を作った方が良いかと思います。
 仕上がりはキットのメッキ状態より遙かに雰囲気が良いですな。

 フェールタンクにデカールを貼り、マークソフターを上から塗り、1日ほど乾燥させてから様子を見ながらクリアーで抑えはじめたところです。

 このデカールは伸びが全くなく余白は乳白色なので、余白を残さないように切り取ってから貼らなければ何処かに必ずシワが寄ってしまいます。
 この段階でクリアーは3回吹いていますが表面は梨肌になっています。

 後何回か吹いて行く内に表面は滑らかになり、研ぎ出し作業と合わせて表面処理をしていきます。 

 ハンドルの構成部品です。
 グリップ、レバー共に張り合わせの部品で、付属の太いビニール製のケーブルを挟んで接着する様に太すぎる溝や太すぎる穴が開いているのを、別のケーブルに置き換えるため一旦潰しておきました。

 ハンドルバーは金型の押し出しピンの跡が多少有りましたが、修整可能でしたので敢えてこのまま使用する事にします。

 ホーンの配線をしました。

 1/8ともなると流石にホーンも大きく、ヘッドライト下にデンと据えられていて、丸見えの状態ですので配線をする必要に迫られます。

 ホーン裏側に1o角、厚さ0.5oくらいのソケットをランナーから切り出し、0.3oの穴を空け、0.45oプラグコードに彩色し、1/12で使う配線コードに2本突っ込んで作りました。

小物いろいろ

 クラッチ側のケースカバーも右カバーと同様にボルトのモールドを落とし0.8oステンロッドでインセクトピンを作り埋め込みました。
 これからクローム塗装に入ります。

 ステップは1/12と同様で無垢のモールドを0.8oドリルで穴を空け、くり抜いて全体の形状を整えて仕上げました。

 倒れたらすぐに折れてしまいそうです

 左上から、クラッチのレリーズレバー、0.3oプラ板の積層とアルミ板で自作。

 スピードメーターは1/12とは位置が違います、メータガラスの部品が無いため、エナメルクリアーを盛る様に垂らして固めレンズの代わりにしました。

 オイルタンクにはクランクケース右側に配管をしました。

 右端はライト、ホーンメーターが付いて、やっとメインフレームとトップブリッジを介して取り付いた図。

 まだ少し細かい作業が残っており、フェールタンクの処理も乾燥しきれていないので時間が必要です。

 長い長い時間の末やっとこの形まで到達する事が何とか出来ました、どうにか全体像が見えて来ましたがこの先は配線関係、ハンドル周り、タンク、シート、テールランプなど控えています、1/12と比べると大きい大きい。
 完成したら縮尺違いの2台を並べて記念撮影でもしましょうかね。

配線なんかも

 ボチボチやっておかなければいけないのが配線です。

 フロントブレーキワイヤーはフォーク左を立ち上がって、ライトケースの外を通ってレバーに繋がります。

 三つ又付近にガイドの役目をするリングが付いていますので、それを再現し、スレ止めのためのケーブルカバーを太めのチューブに通すことで表現しました。

 クランクケース右にオイルパイプとオイルポンプコントロールケーブル。
 左側にはクラッチケーブルとレリーズレバー、電気配線をしました。 

 クラッチケーブルはシリンダー横にクランプ、ダウンチューブに2カ所のクランプを作り、立ち上げています。

 レリーズとケーブルのつながり部分に極細の針金で自作したリターンスプリングを付けています。

 製作中のワンカット。

 配線があと僅かになり、タンクを仮組みしてラインの確認をしたり、タイヤをはじめ各部分を軽くウェザリングしたりしています。
 工作机は1/8を弄るにはやっぱり狭いなーと思いながら、何とか片づけながらの進行です。

 写真はシフトペダルの位置決めをしている図で、いつでも山や川に行ってトライアルが出来る様にペダルの位置を水平ではなく40度程上向きに取り付けようと木っ端を使って調整し固まるのを待っているところです。
 実際私が乗っていたTLR200のシフトレバーも、こんな位置にセットしてギヤチェンジする時はブーツのスネとカカトで蹴飛ばして操作したもんです。

 配線が全て終わり、残す事はあと僅かにシート、フェールタンク、テールランプとなりました。

 フェールタンクは綺麗に仕上がり、載せるのも違和感なくスッポリと載ります、シートもビニールレザーの質感に気を付け、ほんの少し艶のあるマットブラックに仕上げました。

 フェールパイプにクリアーオレンジを吸い込ませ、只今乾燥待ちです。

 大きさから来る迫力のためか、この縮尺に慣れていないせいか本物を触っている様な感じがどうしても抜けません。

 テールランプにはバルブの部品が無いのでクリアーランナーで作りました。

 レンズにはビス止めのビスを0.5oステンで貫通させて再現し、バルブを入れて完成です。

 球が入っている様に見えますか?

 苦節足掛け3年・・・22ヶ月、しかし何でこんなに時間が掛かったのか、何度も挫折感に打ちひしがれ、悩みながら、沈黙の時間もかなりになります。
 その度に気持ちの切り替えやアイディアの発掘などを試み、モチベーションを保つのに必死になりました。
 本当に長い間お付き合い頂き有り難うございました。

完成       04年5月20日

 一旦は完成し、写真を撮っていたところサイドスタンドが根本のプレート部分で折れてしまいました。
 元々軟らかい質でしたので心配はしていたのですが自重に負けてしまった様です。
 修復はしましたが念のため昔ホンダTLR200Rを持っていたとき鉄パイプを溶接して作った整備用のスタンドを思い出し、それと同じ物を作って展示スタンドにしました、赤さびとオイルにまみれた金属の地肌を表現しましたが余り目立たない方が良いでしょう。

 ウェザリングを結構やったつもりでしたが写真ではあまり目立たない様で、埃とオイルで薄く汚れたといった感じにしか見えませんね、ここでは「オーナーがメインテナンス中の愛車」と言うことにしましょう。
 このウェザリングに付いても今後の作品にを通して勉強して行こうと思います。

 キット以外に使用した材料。

0.4o・0.5oステンバネ線、   0.2o・0.3o・0.55oステン針金、  外径0.8o園芸様被複線、  外径1oゴムチューブ・透明チューブ、  0.3oプラ板、   0.2oアルミ板、   外径2oプラ棒。

                                                                      以上   

遅く作り始め、早くに完成した1/12TY125とのツーショット

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