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昔自分でも所有してずいぶん遊んだ記憶が有りますが、当時同じ型のプラモデルが存在していた事には気が付きませんでした。
後年になってバイクモデルを作る様になってからそれに気付きましたが既に絶版で、オークションでは高値で手を出す気にはなれず、いずれ何かの機会が有るさと忘れていました。
最近再販されたニュースを知りやっと手にする事が出来たので、正確なタミヤのモールドを信じて或る目的を兼ねて作る事にしました。
同じエンジンを搭載したモンキーのキットも所有していますが、先にこいつからと言う訳で取り掛かる事に致します。
工作を始める前に不要なメッキを全て剥がし、素材の地肌を出す事にしました。
再販とは言っても金型が新しくなった訳でも無いので、タミヤと言えども古い金型なのでバリやヒケなどは以外に多く有ります。
また、キラキラと輝く一見美しいメッキですが、金属感は薄くて重みが無く、私の好みでは有りません。
メッキ部品にも金型の合わせ目やバリが有るので、どっちにしてもメッキを剥がして修正しなければならず、素晴らしいメッキ塗料が開発された現在では、私にとってメッキは不要な物でしか無いのです。
薄茶色に見える部品はクロームメッキ部品で、メッキの下地がまだ取れていません。
これは漂白剤では落とせないので、シンナーに漬けなおして落とす事になります。
エンジンは少しの修正だけで組みあがってしまいましたが、中身が無いガランドウなのでクランクケースとシリンダー内に重りを詰めて貼り合せています。
シリンダーに付いては鋳鉄シリンダーではなくアルミシリンダーという想定で塗装することにしました。
エキゾーストパイプですが、キット部品はただの曲がりくねった丸棒ですが、実際は細いエキゾーストパイプが有って、メッキのカバーが付いています。
従って此処はその様な形状を出す為に削っています。
エンジン側とマフラー側だけ接着の都合で太さは変えていません。
裏返すと元の部品の 2/3 位の細さにパイプを削り出し、カバー部分は浮き彫りにしています。
さらっと作ろうとはしていますが、縮尺が大きくなるとエンジンに取り付ける部分の裏表ははっきりと見えてしまうので、実物を知っている以上修正した方が良いのではないかと・・・、塗装した後はっきりと分かる部分ですから。
マフラーの出口、ディユフェーザーパイプをアルミパイプで作って仕込みました。
シルバー一色では面白味が無いので、少し使い込んだ感じで金属感を出そうとしています。
部品の下見がてらいろいろと見ています。
チェーンも 1/6 ともなると流石に大雑把と言わざるを得ません。
塗装しただけでは少々物足りなく感じてしまうのは、TAMIYAのRC166やアオシマのSRを作った時のチェーン作りで、彫り込みによるディティールアップがある程度効果が有ったことからです。
1/6 のこのチェーンでも同じ手間を掛ければどうなるのでしょうか・・・、 1/12 で使った時と同じ専用の刃を使って彫り込んでみました。
例によって見える部分だけで裏面は省きます。
そうは言っても上面は殆んどが露出するので結構根気が必要でした。
塗装前なのでその効果がまだ分かりませんね。
そんな訳で塗装して見ました。
用心のため完全に抜けてはいませんが、彫が深くなった分少しはリアルさはアップしたと思いますが・・・。
もし部品がもう一つ有ったら・・・完全に抜いてみたいな。
あっちこっち飛びまくりですが、これはフロントフェンダー。
フェンダーステーの取り付け穴をランナーで塞いでいます。
何でか〜と言うと・・・。
メッキを落としてバリを取ると、如何にも細く弱々しく何かの拍子に触って折れてしまいそうなので真鍮パイプで作り直しているからなんです。
フェンダーステー・クランプの部分もキットのままだとモールドの繋がりが悪く隙間が大きく開いてしまうので、考えた末の工作、サラッとキットなりの組み立ての筈が・・・。
塗装しながら組み立てなので仮組みも頻繁に行っています。
これはインテークマニホールドを作るために前後のフランジ部分の位置決めをしているところ。
インテークマニホールドにひと手間掛けるため、説明書と異なる組み立て方法を取っています。
メッキ塗装も順調に進んでいますが、何せよ数が多くて一度には処理出来ません。
取りあえず出来上がって組みつけが必要な部品は傷が付かない内に組み付けて保管します。
マフラー、プロテクター、EXパイプは後半の組み付けなので、このまま保管。
フレームを塗装するためサフ代わりに白く塗りつぶし粗探しをしています。
エンジンを仮組みして点検中です。
少しヤレた感じのエンジンが好きです。
塗装も2コート目に入りました。
フロントサスの組み立ては説明書と違う方法で組み立て、塗装を済ませてから組み立てます。
可動サスはガタが大きく折損も心配、従って今回も可動サスはオミット。
サスを可動させるほど完成後には触らないので・・・。
3コート目はパール塗装です。
この塗装は何回上塗りしてもこれ以上変化は無いので気兼ねなく思いっきり吹き付ける事ができますが、この時点で既にどの部分が基準になる色だか分からなくなっています。。
問題は次の工程・・・、基準が分からなくなった分、斑にならない様にかなり気を使う塗装です。
4コート目はクリアーレッド。
原液のままでは色の濃さの調整が難しいので、クリアーにクリアーレッドを足して濃度をいくらか薄めにしてから塗り重ねています。
ボディー色で塗装する部品が多く、同じ色の深みに揃えて塗る事に非常に神経を使います。
また、埃の混入にも注意が必要、この段階で埃によるトラブルは修復が非常に困難になります。
無埃室が欲しいといつも思っていますが・・・無理。
次のコートに入るため一時乾燥期間を設けています。
その間に未処理の小物を完成させようとしていますが、なかなか数が減って行きません。
可動部分やディティールの省かれた部分など、結構手を掛けたい物が多く、こちらも時間が掛かりそうです。
可動部分の細かいディティールでこんな工作もしています。
他にもいろいろ有りますが、写真を撮り忘れています。
5コート目にクリアーを吹きました。
表面を滑らかにするためコンパウンドを掛けますが、その時磨きすぎてクリアーレッドの層まで落とさぬ様に、もう一つ、白が多いデカールを貼るので下のレッドの滲みを抑える為と用心の為の処置です。
クリアー掛けをするとオモチャじみたピカピカ感になるのを嫌って、艶を抑える意味でコンパウンドワックスで磨いています。
フレームにはカルトグラフ製のデカールを貼りましたが、押さえのためのクリアーをもう一度吹き、同じ様にコンパウンドワックスを掛けて終了となります。
塗装が終わったのでいろいろと仮組みをしています。
サスは完全に固定、何とかガッチリとした組み付けが出来ました。
ここで一番気掛かりな事・・・ライトの傾きは本当にこれで良いのか?不安が残ります。
最後のクリアー塗装を前にしたフレームと仮組み。
しかしトップブリッジとステムシャフトで繋げていないので確実な角度が出ていないので却下。
リヤホイールも仮組みしてステムシャフトを通してから確認する事に。
ライトはトップブリッジとホイールを装着する前でなければ取り付けが出来ないためこんな確認作業をする訳です。
確認しないまま組んで上向きになったヘッドランプなんて洒落にもなりませんから。
写真には撮っていませんが、その後リヤホイールも組んで完全な自立状態にして確認してみたところ、ほんの僅かですが上向きになっていました。
1度〜2度くらいでしょうか、兎に角気に入らないので、照射角度が取り付け後に調整出来る様に工作して問題は解決。
フロント各部は確定したので本付けしました。
他の組み立て済みの部品やメッキ塗装も順じ終了してくるので追加の塗装や小物作りを除けば、本当の自立も間近になっています。
未塗装部品もあと数点になり仕上った部品から組み付けをしています。
組み付けながら修正したりするので、決してサクサクと言う訳には行きません。
マフラーの中身、デュフェーザーパイプを仕込み、外にはナットを貼り付けてボルトが通っている様にしています。
割りピンを通す箇所は3箇所、気に入らないのはホイールやマフラーを止めている厚みの有りすぎるナット、写真を見せて唯一模型だダ!っとバレてしまう部分。
金属なので薄く削る事も出来ず、工具も無いのでこのシャフトに合うナットも作れません、少し悔しいですがそれ程拘りは無いのでそのままで組みます。
エキゾーストパイプのエンジン側取り付き部分。
フランジナットの向こうにエキパイが少しだけ見えています。
.同じく反対側から。
フラッシュの所為で暗く見えますが、こちら側からだとバッチリ見えます。
エンジンの質感に付いては、シリンダーとヘッド、クランクケースはフラットアルミを梨肌になるように荒く吹いた後で磨きをかけています。
タペット調整蓋とダイナモカバーとポイントカバーはシルバーで吹いてメタルカラーのアルミシルバーでドライブラシ、その後磨きを掛けています。
クラッチ側はクリアーシルバーを吹いてアルミシルバーでドライブラシ。
その中間辺りで墨入れをバシャバシャと入れて拭き取りました。
フラッシュ撮影では顕著な違いが分からなくなっています、残念。
キックアームはキット部品では開いた状態で固定でしたので、90度向きを変えられる様に可動式に改造して取り付けています。
ゴム製のシート、質感や艶を調整しようとしても塗料の定着が悪く出来ません。
後部に貼ったHONDAのロゴシールも、本当ならつや消しクリアーで剥がれ防止対策をしたいところですが、それも叶いません。
諦めざるを得ず唯一リベット部分に筆を差したに過ぎません。
この部分は他のシリーズも同じ材質なんでしょうね・・・残念です。
テールランプとナンバープレート。
ナンバーのデカール貼りに失敗して手書きで書きました。
丁度文字の部分が凸モールドになっていたので助かりました。
純正部品にサイドスタンドは確か無かった筈、キットにも勿論部品は有りません。
サイドスタンドを付けるとすればスイングアームに後付けするか何か違う車種のステップを丸ごと移植して改造するしか無く、自分の所有したDaxも後者でした。
このアイテムが有るか無いかでは使い勝手がまるで違い、
横風にも強い面も有りました。
此処では自分のDaxのサイドスタンドを参考に真鍮パイプとプラ板、ステンの針金などを使って作ってみました。
ステンの針金で作ったバネは適度な強さが有り、スムーズに作動します。
Daxは車格の割には最低地上高が高く、其れなりにスタンドの長さも必要で、当時改造した時も車体の傾きに合ったスタンドの長さ合わせが一つのポイントでした。
自分が気に入らない箇所がそのまま存在するというのはやっぱり精神衛生上良くないし、折角作ったモデルに愛着が湧かないのはつまらない事です。
そんな訳でホイールナットや袋ナットはプラ板で作り直しました。
フロントは左は丸、回り止めに細い棒を差す小さな穴が開いています。
右側にナットが有ります。
リヤシャフトは長いボルトとナットの組み合わせ。
両方ともナットで止めています。
最後に残った塗装部品も完了。
ブレーキとハンドルバーが別部品で組み合わせると段差や隙間が大きく、完成していたバーの塗装を剥がし、最初から作り直しました。
小さい二つの部品はショック上部の袋ナットです。
その袋ナットを組み付けました。
キットの無骨なナットよりはずーっとマシだと思います。
シート開閉レバーは車体色そのままにしています。
これで全ての部品の工作と塗装が終了、簡単な配線を済ませばいよいよ完成です。
完成
製作開始から完成までジャスト1ヶ月、私としては異例な早さです。
何よりもメーカーがタミヤ、チェーンやスプロケ作りもスポーク張替えも無く、塗装に重点を置く製作だったのが要因かも知れません。
綺麗に仕上げるために指示通りの作り方から逸脱した方法を取ったり、指定の部品を使わなかったり・・・。
いつもの様に自分流の作り方を押し通しました。
昔を思い出しながら楽しく遊べた一月でした。