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Roadster
COMMANDO750
Norton

 

Heller 1/8

 ノートン・コマンドは、以前プロター1/9でプロダクションレーサーを製作した事が有りますが、さすが1/8だけ有って内容ははるかに細かくなっています。

 heller 1/8 を作るのはこれで3作目になりますが、前作R100RSに続いての事なので、1年を通して Heller と付き合う事になりそうです。
 キットの内容として目立った所では@シリンダーフィンが積層になっている。Aドライブチェーンが軟質プラで駒の部分が抜け、長い一本物をスプロケットに掛けてジョイントで繋ぐ様になっている。
 当時 Heller と提携していたトミーが日本語訳にして編集した説明書の文字が小さくて老眼には厳しい事。
 一応説明書のトップに完成写真が載っていますが、今回はこの形にはしないでカフェスタイルに変貌させようと思っていますが、どの様に変貌するかは見てのお楽しみと言うことでスタートしましょうか。

 始めるに当たっていつもの様に部品の点検から。
 ストック期間が長すぎたためかメッキ部品は全てこの様にシワが浮き出ていて、そのまま使用する事が出来ません、っと言っても私には全く関係の無い話ですが、もし過去にこのメッキ部品をそのまま使って組み立てていたら・・・今頃は醜く変身しているのでしょうね。

 プラモデルは生ものということを教えられてしまいます。
 メッキ部品の中にはどうしても使わなければならない部品も有ります。

 いずれにせよ全てのメッキを落とす作業から始めていきましょう。

 いつもの様に、先ずメッキ部品を全てランナーから切り離して漂白剤に漬けてメッキを落とし、シンナーに漬けなおしてメッキ下地を落としました。

 地肌のモールドはクッキリとしていて綺麗、プロターより数段良い仕事をしています。

 リム部分のみ接着してスポークを切り離しました。

 カフェスタイルにするのですからH型アルミリムに改造するのが当然の流れ、過去何回も同じ工作をして来たので、此処では省略。

 ドラムの方はクラシックムードを出す為に、効きより見た目でそのまま使用、各パネルは要改造、取りあえず今回もホイールからスタートです。 

 切ったり貼ったり削ったりして、ザッと H 型にしてから細かい部分に刃を入れたりヤスったりして仕上げていきますが、ポイントはリム幅や外寸法が工作前と変わらない事。

 タイヤを試しに履かしたところ、何だか緩い様でシックリとしません。

 スポーク穴を開ける前に処置すべき部分です。

 前後ハブも整形後スポーク穴を開けて準備完了。

 フロントブレーキパネルは、エアスクープも3個の丸い排熱口も塞がった状態で、エアスクープにはデカールを貼る様に指示が有ります。

 排熱口には何の指示も無いので、私の判断で双方開口しました。

 塗装終了後にこの部分を工作しましょう。

 今回はCafeスタイルということで、塗装もいつものクレオスSM06は止めてポリっシュ仕上げのハブ、ブレーキパネル、それとリムの組み合わせでスパッツスティックスで鏡面に近い感じに磨き込んだ風にチャレンジしてみました。

 吹いた感じは完全にメッキになってしまうので、金属感と質感を出す為に少し光を抑えています。

 ブレーキパネルに開けた穴は金属メッシュで塞いでメカメカしい感じを演出してみました。 

 同じ塗装方法でリムも終了、スポークとエアバルブを取り付けてフロントのみ完成させてみました。

 想像通り丁寧にバフ掛けして磨き上げた感じに仕上がりました。

 質感は上々、スパッツスティックのメッキではない使い方を一つ覚えました。

 エンジンを作る前にフレームを有る程度作っておこうと始めましたが、プラモデルは生もので古い外国製のキットに有りがちな歪み、ネジレ、曲がりのオンパレード。

 元々曲がったモールドなのか経年変化で歪んだのか定かでは無いですが、直すのに必死になっています。

 材料が有ればスクラッチという手も有るんでしょうがこんな中途半端な太さの材料なんて手元には有りません。

 熱湯地獄を覚悟して各部に散らばっている歪みやネジレを修正しないと先に進めない状態です。

 強引に曲げたりねじったりすると折れる可能性が高いので、熱湯に漬けて高温にしてから曲がりや歪みを修正、それでも足りないので蝋燭の火で炙って修正。

 一気に直そうとしないで何度も繰り返しながら修正作業しました。

 しまいには強制的に瞬間接着剤で固めてしまう強硬手段で、やっとの思いで何とか収束させる事が出来ました。

 折れたら折れたでどうにでもなるさと開き直らないと、力技のこの修正は出来ないでしょう

 40数個からなるシリンダーは間違えない様に組むのが大変そう。

 仮組みの段階で既に数回間違えたりして・・・。

 部品の状態はまあまあですが、フィンの端が斜めになっていて、刃こぼれの様に所々欠けている状態。

 斜めになっている事自体気に入らない事で、フィンを自作しようと思ってはみたものの、スペーサーの形が複雑で再生するには根気が続きそうも有りません。

 キット部品をそのまま使うとすれば、刃こぼれ状態をどの様に直せば良いか・・・考えどころです。

 何だかんだ言いながらシリンダーの組み立てに入ります。

 先ずシリンダーの最下部、クランクケースに重ね締め付ける部分のボルトは、本来クランクケースに埋められたスタッドボルトにシリンダーベースの穴を通し、厚みの有るナットで締め付ける様になっています。

 9個有るボルトヘッドのモールドは削り落とし、その部分を再現しましょう。

 0.8mm洋白線をスタッドボルトに見立てナットを通して接着しました。

 ベースの塗装はこの時点でやらないとナットに色付けしにくくなります。

 シリンダーは鋳鉄製の鋳物で出来ており、ヘッドはアルミで出来ているので全部重ねて一気に吹く事は出来ません。

 シリンダーはその枚数分色を塗って重ね、ヘッドも別に塗装して重ねて行きます。

 最初に心配していた刃こぼれ状態のフィンの先端は軽くペーパーを掛けて解決しました。

 0.1〜0.2mm程度の事なので、ギザギザな先端になるよりも良いと判断しました。

 1/9では再現し切れなかった8枚の縦フィンも再現出来、エンジンヘッド冷却の複雑な仕組みが理解出来ます。

 積層組み付けは順調に行くかと思えばそうでは無く、ヘッド頭頂部の下側、つまり縦に並んだフィンを覆う部分に段々が出来てしまう事に気が付きました。

 この部分は丸みを帯びているので、フィンを重ねただけの段々を消さなければなりません。

 残り数枚のフィンを頭頂部に貼り付け一体にして整形する必要が有ります。

 その他オイルライン系の部品を横に貼ると、余計におかしくなるのでこの部品はオミット、その分別に部品を作って補う事として、部品を貼るための段差を無くすためにプラ板を貼っています。

 キッチリ形を整えるには結構手間を掛けなければならないかも知れません。

 些細な事でも資料と見比べてしまうと素通りしにくいもので、自ら進んで地獄の門を開こうとします。

 バルブ機構が収まるヘッド部分の形は思っていたよりも相違点が多く、プラ板を貼った部分だけではありません。

 ヘッドのインレットポート付近の造型も、キャブを仮組みするとインシュレーター付近が全く合いません。

 エンジン側フランジ部分を切り離してヘッドにくっ付けて整形しなければなりません。

 前側2箇所のタペットカバー付近もカバーと合わせて丸く合わせる様にしましょう。

 一見簡単そうに見えた部品も実際はカーブが多く、一筋縄に行きそうもない造型になっているのが辛いです。

 キャブから切り離した物をインポートに接着、パテを盛って修正、本来はこんな形になっています。

 前後3箇所に有る調整口付近は蓋との合いも悪いので削り込んで修正(右側)しています。

 後ろは全く形が違い逆台形になっていました。

 周辺から削り込んで直しています。

 

 タペットカバーを合わせてピッタリ、後ろのカバーは部品が使えないので自作しましょう。

 元々の部品と比べるとかなり丸みを帯びた形に変貌しています。

 横面の造型が一番面倒な所、上手くいけば良いけど・・・。

 パテを盛って削り出すよりもキッチリ形を出す為にプラ板を切って貼り付け、周りに溶きパテを盛って均そうとしています。

 エンジン頭部なのでタンクの陰になりあまり目立たない部分ですが、作っている過程では丸見えなので出来るだけ忠実にと見えない目を擦りこすりしながら奮闘中です。

 ヘッドを整形して接着、色目が変わらない様に他の部分と同じ様に陰影や金属感が出る様に塗装をしました。 

 残りの部品は後付けになるのでシリンダーを塗装が済んでいるクランクケース本体に組み付けました。

 塗装済みの部品をエンジンに組み付け、別体式のミッションをサブフレームに取り付けてからエンジンに組み付けました。

 現代の一般的なフレームに搭載する方法とは違い、フレームにはこの状態で緩衝材を介して取り付きます。

 また、スイングアームピボットもミッションを挟むサブフレームに有り、フレームに直にピボットが有る一般的な物とも違っています。

 このサブフレームを組むには実際と違いボルト締めではないので結構面倒な作業でした。

 全面的に信用している訳ではありませんが、組み立て説明図に有る完成側面写真は、組み上がった実寸の様で、エンジン搭載のための前に参考までにと重ねて見ています。

 組み立て説明図の絵や文字が小さすぎて小さな部品の左右が分からなかったり、何処に取り付ければ良いかが分からなかったりと、有る程度先を見越した仮組みをしないと判別出来ないなど苦労を強いられています。

 強引に歪みを直して作ったフレームは、エンジンの搭載の段階で狂いが直りきっていない事が判明、その証拠にエンジンマウントのボルトが所定の位置に収まりません。

 エンジンをマウントするボルトはキット部品の足の短いプラボルト、穴は合わない足は短い・・・これではお手上げ。

 マウントボルトを金属棒に換え、フレームの矯正をして何とか搭載出来、カスタムベースの基本形がやっと出来上がりました。

 カスタムベースになる部品はおそらく此処までで、この先は全てカスタム部品としてスクラッチになる予定です。

 サイドカバーはステーが別部品となり、前後のステーでフレーム取り付きますが、接着箇所がハッキリしていないのでステーを点付けして仮組みをしながら位置合わせをしてそのまま本付けする手順を踏まなければなりません。

 カバーを塗装してからでは汚してしまう危険性から、先にステーを接着して後で塗装する事にしました。

 右サイドカバーにはオイルタンクが内蔵されますが、ステーとの干渉や合いを調整する為にステーが完全に固定されるまで作業は出来ません。

 サイドカバーの位置決めの前に真ん中に収まるバッテリーホルダーを仮組みする必要が有ります。

 ホルダーとサイドカバーが干渉してしまうからで、ホルダーの位置を正確に取り付けないとカバーも正確な位置に取り付けられないからです。

 手順が前後してしまうととんでもない事になり兼ねないので、曖昧な説明書を頼らず自分で何工程か先までの仮組みをしていかなければなりません。

 タイミングチェーンカバー、ミッションケースカバー、タペットカバーをメッキ塗料を使ってアルミバフ掛け&クリアー塗装風の雰囲気を出す塗装をしています。

 タイミングチェーンカバー左下部にオイルラインのジョイントが2個有りますがオイルチューブの取り付きは1っ箇所だけ。

 オイルタンクから来るラインとエンジンヘッドに出るラインですが各々チューブの太さが違うので小改造してホースを2本取り出せる様にしています。

 またタイミングチェーンカバーの取り付けビスは全て洋白線を使ってビスの代わりにしています。

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製作記