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 チェーンが少し長くなったらスプロケットを作る事も合わせて進めます。

 いつもの様にアルミ板で作りますが、一発で成功したためしが有りません。

 ここでも1枚目は失敗しています。

 いつもの事ですがスプロケットはアルミ板から切り出し、形を整えてからでないとチェーンと合わせる事が出来ません。

 チェーンの駒のピッチと円周の長さが関係すため、製図ソフトを使って計算してからアルミ板にマーキングします。

 しかし、所詮老眼と手仕事のマーキングのため正確とは程遠い作業なのでスプロケットが出来てもチェーンとピッタリ合う筈もありません。

 2枚目も途中からチェーンが浮き始め全く使い物になりませんでした。

 失敗続きなので幾分手の掛からないドライブ側も作っています。

 こちらは2回目でピッタリの物が出来上がり仕上げる事が出来ます。

 4回目の正直・・・今度は上手くいきました。

 出来るだけ手間を惜しまず正確さを追求すれば、少しの微調整でチェーンはスプロケットの外周にピッタリはまり、ピンを差し込む事が出来ます。

 ここまでやればスプロケットと一体になったハブは1回転することが出来る様になります。

 勿論ドライブ側のスプロケットも同じ精度で仕上げなければならないのは・・・言うまでもありませんね。

 これで前後スプロケット作りに目処が立ったので心おきなくチェーンを伸ばしていけます。

 スプロケットのキット部品はブレーキドラム一体で実車でも表裏同じ構造の様です。

 ドラム部分は3箇所の突起が有るキット部品を使うとして、作ったスプロケットをどの様に組み込むか・・・接着剤は瞬間接着剤を使うとしてもアルミとの相性が今一つ良くないので、単にべた付けでは剥がれる事が予想されます。

 何か方法を考えて剥がれ難い工作をしなければなりません。

 そこでスプロケットの中をくり抜きリング状にしました。

 次にブレーキドラムにモールドされているスプロケットの歯部分を削り取り、リング状に整形したスプロケットを落とし込むためのストッパーをプラ板で貼り付けました。

 

 それぞれを組み付けたところです。

 ドラムに通す形で落とし込むので、接着面が増大することで剥がれ防止を図りました。

 ドライブスプロケットは全く見えなくなりますが回転がスムースに出来る様にシャフト部分に手を加えています。

 ミッションから少し離れて位置させることでチェーンがミッションやカバーに触れない様にしています。

 前後のスプロケットの加工が終わったのでやっとチェーンの長さを確定させる作業に入れます。

 スプロケットが完成したのでリヤはハブに接着、フロントはシャフトに仮通ししてチェーンを掛けてみました。

 チェーンの工作を中断した時点で長さはピッタリ!余分な弛みも無く本当にピッタリでした。

 チェーンはピンで仮止めしていますがこのまま繋いでもドライブスプロケットが抜けるので工作上は問題無し。

 ただ、とてもスムーズに回転するのでチェーンの僅かな振れで外れる事も・・・調子こいて弄り壊さない様に気を付けないと・・・って言うよりも見えない様に外れ防止の対策を考えた方が良いのかも・・・。

 チェーンの外れはドライブスプロケットの僅かな振れに起因するものだったのでシャフト部分を修正して解決。

 後輪を付ける前にキャブを完成させてしまおうとファンネル作りです。

 スポークに使うロッドの入っていアクリルの円筒ケースを使い、火で炙って伸ばしています。

 なかなか計算どおり行かなくて何度かトライ、丁度良いところを切断して・・・。

 こんな風になりました。

 キャブにはモールドの足りていない部分、ボルトの頭やワイヤー類の取り付き部分を足してそれぞれを塗装。

 出来たファンネルも塗装して取り付けて完成しました。

 出来上がったキャブをエンジンに取り付けました。

 出来上がってしまえばファンネルは少ししか見えなくなりますが、雰囲気はこれの方が良いかと思って・・・。

 徐々に組み付けが進んでいるので、デカールを貼らなければならない部品の準備に掛かろうと思いますが、キットのデカールは保護剤を使っても修復が出来ません。

 しかし、修復出来ても文字の色が合わないので結局は使えない事になります。

 メーターデカールだけは何とか台紙ごと使うことにしましたが・・・。

 色々な資料から使えそうなロゴを取り込んで編集と色をきめました。

 デカール印刷が出来ないので時々使う手法をここでも使おうとしています。

 家庭用の一般的なインクジェットプリンターで大きさを設定して出力してみました。

 このまま切り出して貼ったのでは透けてしまうので、色々な下処理をしていきます。

 処理済のマークを切り出してナンバーとサイドカバー、それとシートエンドにクリアーの原液を糊代わり使って貼り付けています。

 フェールタンクにはラインを書き込むためガイド役のマスキングテープを貼っています。

 デカールと言うより厚みの有るエンブレムと」言った方が適切かも知れませんが、わざわざ厚みを付ける細工がしてあるのでのでエンブレムとしましょう。

 フェールタンクのラインも上手くいき、こちらもノートンのロゴのエンブレムを貼り付けてたっぷりとクリアーでコート、コンパウンドで荒れている表面を均してこの作業が終わりました。

 しかし未だ工作する箇所が残っているので、そのまま組み付けと言う訳には行きません。

 いろいろと細かい部品作りを残していますが配線の方も進めて行かなければなりません。 

電装の配線はメインフレームに沿って張られているので、その束から枝分けれする様にしなければなりませんが、ケーブル類もフレーム沿って這わせていきます。

 ケーブルやパイプの配線を付けていくと徐々にリアル感が出てくるのが良いですね。

 ステップの工作に入ります。

 ノーマルのステップはキット部品を見ても分かるとおり長いアームの先にステップが取り付く方式、バックステップにする場合はアーム部分が必要無くなるのでアーム根元の三角おにぎりだけを作って、そこにステップバーを取り付く様にします。

 右側シフトアームを作っています。プラと金属のハイブリッド部品・・・なんちゃって。

 おにぎり方ブラケットにスペーサーを挟み、シフトプレート貫通させてステップバーを通しています。

 仮組みなので可倒式の工作や長さ合わせはこれから。

 キックアームを避ける様にシフトアームがカーブしているのが特徴ですが、カーブや横方向のネジレ加減が難しいところです。

 ステップを可倒式にしてシフトリンケージを作っています。

 可倒式ステップはキックアームに干渉しない様に垂直に起きる様にしています。

 左のブレーキアームもシフトアームと同じ材料を使い金属加工しています。

 両方の付け根のプレートにはナットのモールドを付け、ブレーキ側にはケーブル止めとストップスイッチも追加しています。

 キット部品のキックアームは付け根からカーブが合わないので、作り直すか修正か迷いました。

 結局キット部品を修正することにして熱処理でカーブの修正をしています。

 ペダル部分は固定式だったのを90度方向を変えられる様に工作、トップの止めナットもプラ棒で袋ナットを作って止めています。

 また一体でモールドされていたキックシャフトは削り落とし、シャフト単体でミッション側にセット、キックアームには穴を開けて本物と同じ仕様にしています。

 塗装を終えて組み付けています。

 カフェと言う事で材質の地肌は隠し、メッキ仕様としました。

 ステップを起こしキックペダルを踏みおろす位置にして見ました。

 ブレーキ側も配線を除き取り付けが終わりました。

 昔、プロターのノートンコマンド・プロダクションレーサーを作った時は結構この部分で苦労した思い出が有ります。

 今回はその時の経験が有ったせいかそれ程苦にならず、思う様に工作出来て仕上がりにも満足しています。

 一旦はこれで良しと思ったフェールタンク、何度も仮組みしてスタイルを見ていると何となく自分のイメージした物と車体にセットしたスタイルとの間に違和感を感じ始めていました。

 タンクの中央部にカーブの頂点が有り、何となくボッテリした感じでスッキリしません。

 折角完成しているタンクなのでやり直すとなると一からやり直すのと同じ様なもの。

 しかし納得出来なければ失敗作と同じで愛着も湧きません。

 意を決してピカピカのタンクに鋭いヤスリの刃を立て削ってしまいました。

 頂点位置を前方にずらし、より扁平にするため結構削っています。

 剥がしきれない塗装部分を無視して一回目のサフ吹き終了。

 サフを何回、下地の本吹きを何回と細かい数字は覚えていませんが相当の回数吹きと磨きを繰り返しています。

 下地の最終吹きが終わり、少し乾燥時間を設けてから表面に付着した少量の埃を落とすためにコンパウンドを掛けています。

 鏡面にするためには充分に乾燥させる必要が有るため暫く放置しておきます。

 フェールタンクの塗装と乾燥に時間が掛かるので、残っている部品の工作をしています。

 サイドスタンドの部品はフレームに取り付ける根本の部品が有りません。

 ただ小さなノックピンが付いた小片が有り、フレームに貼り付けてノックピンにサイドスタンドを格納した状態で接着するだけになっていました。

 完成後の立ち姿に変化と表情が欲しいので、スタンドの根本を車重に耐えられる様に補強してなおかつ可動させたいと思っています。

 補強したスタンドの根本はフレームとクロスメンバーが交わる付近の形状に合わせて削り瞬間接着剤を盛りつける様にして半ば強引に接着しました。

 結果としては大成功で、ブラック塗装のフレームのため、その有り様は全く見えなくなり、サイドスタンドで立たせた車体もシッカリした状態で自立出来ました。

 格納状態もフレームから離れてしまう事無く、バンク角にも影響を及ぼさないで収まっています。

 後はひ弱なメインスタンドの補強をどうするか・・・このまま部品を塗装して付けてしまうと、経年変化で数年内で壊れてしまいそうです。

 一時はシルバーに塗ったり、メッキ仕上げにしたりと落ち着かなかったタンク、仕舞いには手を滑らせて落下、塗装が剥げて修復は不可能。

 今までやってきたのは一体何だったんだと思いながらも、デザインに飽きが来ていたのも事実で、どこかで見た感じは拭いきれませんでした。

 人真似では無い自分オリジナルのデザインはやっぱり難しいと観念してシルバーのピンストライプ一本を書き込んで終わりとします。

 シンプルなデザインの方が飽きは来ないかも。

 最後にスクラッチしたエノット風タンクキャップとフェールコックを取り付けてタンク作りは終了です。

 出来上がっていたシングルシートと共にフレームに取り付けました。

 フィッティングを考えないで作ってはいましたが、フレームに直付け出来る様にタンク、シートとも裏側をフレームに合わせて彫り込んでいたので、そのまま瞬間接着剤で事足りました。

 タンクとシートを取り付けると、かなり裏側を削って軽くした筈ですがやはりプラ材のドンガラよりも重く、センタースタンドがゆらゆらと心もとない状態で今にもノッチが外れて倒れそうです。

 サイドスタンドを取り付けていて良かったですが、このメインスタンド、どうにかして頑丈な物に作り変えないと・・・。

 スタンドアップ時にゆらゆらする車体を抑えたくて、メインスタンドを金属で作り変えようと手持ちの材料を色々探しても見当たりません。

 プラ棒とプラ板を使って作り変えてもそう大差無いでしょう。

 そこで、一番力が掛かる部分を強化する意味で2mmの銅棒でシャフトを作って貫通させてみました。

 この部分は左右からフレームをノッチの付いたスタンドで挟むだけでしたから、構造的にはこっちの方が遥かに頑丈な筈・・・。

 結果は大成功、元々ノッチの径よりフレームの穴径の方が少し大きかったので、抑えるにしても無理な状況でした。

 スタンドアップ状態でも加工前の揺ら揺らは全く無くなり、安定した姿勢を保つ事が出来るようになりました。

 これで最終的な工作も終わり、各部をもう一度チェックして完成としましょう。

完 成

 エノット風タンクキャップをスクラッチ。

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