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 このキットは発売当初2セット購入しましたが、その後友人から1セット頂き合計3セット持っていました。

 其の内の1セットを12年前に作り、残りの2セットをストックして現在に至っています。

 最初の製作はホームページ開設以前なので詳しい製作記を残しておらず、完成写真を解説したに過ぎませんでした。

 今から思えば技量もそれ程高いレベルではないですが、当時はかなり苦戦を強いられた記憶が有ります。

 既に完成品は人手に渡っておりますが、是非手元に残そうと昔を思い出しながら作ろうと思います。
 リムとブレーキドラムですが、当時はこのように現在の手法とは異なり、メッキも剥がさずに初期の張替え方法を取っていました。

 そのため仕上がりも現在とは比べようも無いくらいお粗末な物でした。
 ストックしてあるキットのホイールだけは現在の手法で既に完成させているので、其の他の部分に付いて詳細に記して行こうと思っています。
 系統立てて書ければ良いのですが、なかなか思う様には行かないもので、記述がいろいろと飛びますので予めご了承下さい。

 先ずシリンダーとヘッドの部品のご紹介です。

 クランクケースから上のシリンダーは左右張り合わせでヘッドは一発抜きの単品で3個の部品から構成されています。

 シリンダーフィンの枚数は8枚、ヘッドフィンは12枚(13枚のも存在する)で実物と合っていますが、フィン自体が分厚く奥行きが無いのと、ヘッドに至ってはフィンとフィンの間が埋まった様なモールドになっているので修正するかスクラッチするか・・・いずれにせよ手を掛けなければならぬでしょう。
 フロントフェンダーは左右の貼り合わせでご覧の様な具合です。

 合いはそれ程悪くは無いのですが、ゲートが中央に有ったり接着面に押し出しピンの凹みが有るので合わせ面に隙間が出来てしまいます。

 出来てしまう隙間を瞬着で埋めたりの補修が必要です。
 フェンダーステーが取り付くブラケット部分のモールドは境がハッキリしていないので、このまま塗装すると益々分からなくなってしまいます。

 ブラケットの回りに刃を入れて浮き立たせる工作をしておきます。

 フェンダーステーも太すぎなのと、後部ステーのモールドがアンマリなのでステーは全てアルミパイプで作り直し、クランプもアルミ板を使って作っています。

2001年に製作したモデル

 ステーは3箇所、作り変えるために一度に全部切り落とさないで取りあえず前後ステーを換えています。

 最後に真ん中の短いステーを換えてステー単体で完成。

 実物では中央部のブラケットは2分割されて後部と中央部が一体構造、前側がブラケットを介して後部ステーと一体化されているので、その様に見える様な彫り込みをしています。
 また、後部ステーのフェンダー取り付け用クランプは実際にはステーに溶接されていますが、アルミはハンダが効かないので、模型ではその辺はアレンジと省略です。

 ステー後部左側のみケーブルクランプが溶接されています。

 仕上げには5本のピンを使って取り付けますが、此処での仮組み目的は中央ブラケットの位置を見ます。

 ボトムケースに取り付く穴位置が水平と左右が前後にズレていないかを見ます。

 ボトムケースに取り付け用の穴に相応のドリルを通して各方向から点検、この時点で狂いを修正しておきます。

 前回殆んど手を掛けなかったエンジンを、今回シリンダーをスクラッチすることにしてプラ板を重ねています。

 切り出したシリンダー部分のプラ板です。

 スペーサーに当たる筒外壁は掃気ポートの膨らみを再現、燃焼室部分はそれに比べるといたって小さな物になります。

 こちらはヘッド、造型は綺麗で誤りも無いのですが、フィンの間がこれでは・・・。

 ヘッドはスクラッチせずに自家製スクレーパーで削り込みます。

 後ろも同じ感じなので全体に削り込みます。

 全体の半分を消化しました。

 昔は刃物の種類も無くてこんな工作は出来ませんから、バリを取っただけで終わりでした。

 今では自作刃物の種類が多く増え、こんな作業が簡単に出来る様になったのは、その間さんざん苦労した賜物なんでしょうね。

 積層したシリンダーの前後にリブを付け、6箇所の共振止めを取り付けてシリンダーが完成しました。

 削り上がったヘッドを取り付けました。

 シリンダーフィンの一番上のフィンの一部分をカットしてシリンダー工作が終了しました。

 未塗装ですが、何もしていないキット部品そのままのシリンダーと比べて、今回スクラッチした物とではだいぶ印象が変わると思いますが・・・。

 一次塗装を終えたシリンダーを、糸ハンダを詰めたクランクケースに接着しました。

 キット本来なら5個の部品で成り立つエンジンは、スクラッチ部品だけで20ピースを越えてそれなりに見栄えは良くなったかと・・・。

 クランクケースには艶消し調色シルバー、シリンダーはシルバーに塗っていますが、これから筆で表情を付けて行きます。

 クランクケース左側のダイナモカバーとスプロケットカバー、一体で成型されていて境には深く細い溝がモールドされています。

 スプロケカバーには何かの調整用?蓋のモールドも有り、成型の乱れも多少有るので、前後を分割して乱れも均しています。

 組み付けの際、別々に接着する事で各部品をはっきりとさせようとしています。

 右側のカバーもオイルポンプの蓋の境が不十分なので、その辺も修正した方が良いでしょう。

 ハセガワの1/10シリーズ(と言っても3種類ですが)のホイールシャフトは前後共こんな形で左右から軸を通して挟む形式で、左右を接着する事が出来ないためボトムケースは完成後落ち着きが有りません。

 無理をして広げながらホイールをはめ込むので、フォーク自体の戻りも悪くガタが生じます。

 私の場合何度も仮組みをするので三つ又やフォーク上部の破損がどうしても気掛かりになります。

 初回の製作では成す術も無くそのまま組み立てましたが、未だに心残りでスッキリしていません。

 今回の製作では出来るだけ後悔を残さない様にしようとシャフトを作っているところです。

 キット部品のシャフトに当たる突起の太さが思ったよりも太く、また、それに相応したハブやブレーキパネルに開いている穴も太い物です。

 手持ちのプラ棒では役に立たないので、アルミパイプの中に真鍮パイプ通し、真鍮パイプに1mm金属棒を通してボトムケースの受け部分で止めることにしました。

 こうすればシャフトを通したボトムケースで左右からシッカリホイールを押さえる事が出来て完成後のガタ付きが抑えられます。

 フロントフォークの懸案事項も何とかクリアー出来そうなので、一作目では何も疑問に思わず素直にキット部品をそのまま使ったリヤショックとその周辺の工作に入ろうとしています。

 取りあえず左右貼り合わせのキット部品を仮組みしています。

 普通なら外見から見える筈のスピンドルが有りませんが、一段太くなっている部分は樹脂製のスピンドルカバーの様で、其の内部にスピンドルが存在するという設定の様です。

 これはこれで正解なので異論は有りませんが・・・問題は上下の取り付けブラケットです。

 先ずは上のブラケットから。

 部品ではブラケットの外側とナット、其の裏側にショックユニットの取り付け部分がモールドされていますが、フレームにモールドされているもう半分のブラケットの厚みと位置が著しく異なっているため外側ブラケットが以上にはみ出しています。

 本来ならフレームからはみ出す分はほんの僅かでしかない筈なので何とかしたい所。

 下も同じでスイングアーム後部のブラケットの半分とショックユニットのブラケットの半分が共に板厚が有り過ぎるので角型スイングアームの上面から大きく外にはみ出し、おまけに外側ブラケット部分はスイングアームから離れてしまいます。

 一作めのDT1の製作過程では変だなと思いながらも、修正する技量やパソコンを持っていなかったために今の様に調べる事も出来ないので素直にキットのまま作っています。

 今回はこの部分も何とかしたい所です。

 何とかする部分は置いといて、先にボトムケース先端の工作を済ませてしまいます。

 シャフト部分を切り落としたままでは造形的に違和感が有るので出来るだけ事実に似る様に幅を詰めたり削り込んだりして整形しています。

 ホイールシャフトも隙間が開いてぐら付く事が無い様にピッタリ幅で作りました。

 これでフォーク関係の塗装準備が整いました。

 リヤショックのブラケットをどうしようか考えながら、シートレール後端の合わせを工作しました。

 左が加工前で左右の合いは最悪、鋼管の丸パイプもあったもんでは有りません。

 フレームに長めのアンカーを仕込んで強引に接着してからどんどん削っています。

 組説によるとリヤフェンダーをセットしてからこの部分を接着するとなっていますが、そんな事したら綺麗なフレームになりません。

 瞬間接着剤でシッカリ固めたので多少広げても大丈夫、もっとも、フェンダー取り付け部とフレームから出ているノッチに一工夫しましたが・・・。

 このキットではフェールタンクを取り付ける場合、左右を別々に塗装してからフレームに有るダボを挟む形で接着・・・当然タンク中央に接着跡が醜く残ります。

 そんな作り方って誰を対象にしているんでしょうかしらね。

 そこでフレームからダボの半分の長さを切り落とし・・・。

 切り落としたダボはタンク内側の受け穴に接着、ストッパーをプラ板で追加しました。

 同シリーズのXS-1も同様の作り方でした。

 兎に角この様にしておけばタンク単体で作る事が出来、実際と同じ取り付け方が出来る様になります。

 タンクを手にしたついでにライン塗装の下準備をしています。

 タンク表面にはラインが引ける様に案内のモールドがダブルで凸モールドされています。

 このモールドは邪魔になる代わりにラインの案内になるので、削ぎ落とす前にカッターで切り込みを入れています。

 その後墨入れをすれば刃の入った跡が浮き出るので、その深さを保ちつつ工作を進めれば塗装の際にまで細い筋が残る筈。

 後はラインを筆書きすれば良い訳で、冶具もマスキングも全く必要無しで済みます・・・の筈。

 タンクを弄るついでにモールドの不足している部分を補います。

 タンクの外側と内側の境に溶接リブが有る筈ですが部品には再現されていません(左部品)。

 プラ板を使って全て再現してみました。

タンク後部、フレームを跨ぐ部分にもリブが有り、下側につながっています。

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YAMAHA  DT1
HASEGAWA 1/10

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