フレームを調べていて真っ先に目に付いた部分は、ステムヘッドからエンジンへ向かうフレームで、引きと言うか何と言うか。
鋼管がクロスしているのでこの様な形は有り得ないでしょう。
修正するには外側を通るフレームも同時に整形するため、パテ埋めでは強度的に不安が有るため同じ材質のプラ材を使って盛り付けています。
外側にカーブしたダウンフレームは削って修正すると、内側の白く盛った部分だけが支えることになります。
この方法はしっかり固まるまで時間が掛かりますが仕方が無いでしょう。
他にもおかしな部分が数多く点在しています。
エンジン後部のダウンフレームには変なカーブが付き・・・。
←
←
ここにもカーブが付いています。
〇
〇
ステップの位置←は間違っているし、マフラーステーのフレームも角度がおかしい等々、もう少しリサーチして手直しするべきか、いっそのことスクラッチでいくか悩むところです。
←現在のステップ位置
←本当はこの辺
←この位置はもっと上
←
←
←
片側3箇所←のプレートはフレーム内側に作られていますが、本来は表面に面一に補強兼用で造形されています。
特に一番右のショック取り付け部分はスイングアームのショック取り付け位置と密接な位置関係なので修正は必至となります。
シートレール幅を少し詰めてスリムな車体を目指したいのですが、そうなるとスイングアームも視野に入れないと・・・・。
フレームの修正作業は何やら波乱含みな展開になりそう・・・どうするかな〜。
最初からフレームをバラバラにするわけには行かないので順番に切断、作り変え、確認と手間を掛けながら修正作業に入っています。
先ずフロントから。
プラ材で修正を試みた結果、強度的に不安を残すということでプラ棒に置き換えています。
このダウンフレームの位置取りは簡単には行かず、ステムとの接続部分に緩やかなカーブを付けないとエンジンマウント幅を出せませんでした。
実車のこの部分も若干のカーブが認められるので、成る程ーっと一人で納得してしまいました。
フロントの工作が確定したところで、エンジンマウント後部のフレームを修正しています。
ここは左右同時に切り離すことは避け、片側のディメンションを残し、そこから寸法を確定していくという方法を取っています。
仮組みの段階で、平行を確認し、エンジンを仮組みして再度確認をしているところ。
位置が確定したら1mm、0.5mmプラ板で補強プレートを接着して終了です。
本当ならばメインの水平フレームも幅を1.5mmほど詰めて作り直そうかと思ったのですが、材料の手配が付かないので今回は止めておきます、って言うかフレームのスクラッチは未経験なので未だ不安が有ると言った方が素直ですね。
今度は完成している右半分をゲージにして左側を修正しました。
初めてこの様な工作を特別な冶具を作らずに、大した破綻も無くやれたのは珍しいと言えるかも知れません、多少無謀の様に最初は思いましたが取り掛かってみて慎重にさえ進めれば何とかなるもんですね。
接地する4箇所はどこも浮きが無く、各穴位置の平行や寸法が取れて一応大きな作業は終わることが出来ました。
切り飛ばしたサイドカバーのピンも作り直し、後少し手を掛ければフレームセクションも完了です。
シートレールのエンドはプラ棒に置き換え、幅も少し詰めています。
補強が無く安定しないため実車には多分無いであろう桁のフレームを追加しています。
フレーム幅を詰め、桁フレームを付けたためにフェンダーも少し改造しました。
一本物のフェンダーを前後に切り離し、それぞれを現物あわせで形を整えています。
キットのインナーチューブは太さ3.3mmに満たない物で、実寸にすると29mm程度しか有りません。
50ccかよっと言いたくなるくらいなのでインナーチューブは4mmアルミパイプを使うことにしました、これでも本来よりも細い筈ですが材料の都合上我慢するしかありません。
それに伴いボトムケースもリーディングアクスルから普通の形式のボトムケースに変えるためにスクラッチしています。
RC166、MVアグスタのフロントフォークをスクラッチした時に倣い、5mmのプラパイプを使い、0.3mmプラ板を巻きつけて造形中のショット。
5mmのプラパイプに4mmのドリルを通すにはドリルを指で回すことになります。
一度に空けることは狂いの恐れが有るため、3.5mmドリルを先に通してから4mmで拡張しました。
肉厚は残り0.5mmになりますが、表面に巻いたプラ板がここで役に立っています。
アルミパイプは♯1000から♯1500→♯2000と磨き、最後にコンパウンドワックスで磨き上げて艶を出しています。
ダストシールを整形し、フェンダー取り付け部のふくらみを造形、ホイールシャフトが通るトンネルと付近の造形をしたところでインナーチューブをはめて仮組みをしています。
トップブリッジと三つ又には3mmの穴が空いていますが段階的に4mmまで拡張、インナーチューブはトップブリッジも貫通させています。
長さは後で確定した時点でカットします。
ボトムケースに4mmのドリルを通す際に充分気を配りながら行ったわけですが、僅かに斜めに空けてしまう事も有るので、念のため各方向から眺めて見るためにフレームに仮組みして平行になっているか、歪みの有無などを見ることは欠かせません。
仮組みの際に何か違和感を感じたのでインナーチューブの上端と下端の寸法を取ってみたら、どうやらトップブリッジと三つ又の穴の間隔に差異が有ることを発見してしまいました。
下に行くほど狭くなっているのはこの所為で、直すかそのままの幅で作るか暫く考えて・・・結局トップブリッジと三つ又はサイズを1mm広げて作り直すことになりました。
そういえばKim's House Garage の軽部さんもこの部分で広げる工作をなさっていた事を思い出しました。
結果として、平行を出し下端の幅も広げることが出来ました。
フォーク下端の幅が確定した事を受けてディスクローターを作っています。
ハブの幅は何とでもなるということで、キット部品のローターでは深さと造形が気に入らないのでプラ板を使ってスクラッチしています。
大まかな形が出来てきたのでキットのハブ部品に当てがっています、っといってもこの部品も作り変えなければならないのですが。
ハブ作りに入ります。
キットはシングルディスクブレーキなのでハブの右側は露出しています。
その露出面のモールドが左の部品です。
しかし、ダブルディスクにした場合でもディスクのスポークの間から外輪部分が見えてしまうわけで・・・。
問題は縁の内側に有るギザギザ模様で、実際はこの三角の山にスポークが通るわけで、その数、形状がいい加減で単なる模様にみえてしまっていることです。
DUCATI のスポークホイールの特徴的部分なので、出来るか出来ないか実車同様にスポークが張れるか試してみるつもりで、この部分を正確に作ってみようと試作しています。
直径20mmにも満たない小さな部品で、出来上がれば殆ど見えなくなってしまう部分なんですが4枚作って・・・自己満足ですね・・・(完成出来れば・・・ですが)。
中心の部分だけキット部品から切り取って流用し、プラ板積層のハブが出来上がりました。
一番右にくるスピードメーター取り出しギヤも収まりました。
仮組みでは、ディスクローターとボトムケースの隙間は0.7mmほど有りました。
実車でも僅かな間隔なのでこれで良しとしましょう。
ハブが出来上がればいよいよスポーク張りになります。
今までの様な方式ではないので、ハブへの穴あけは慎重を期さなければなりません。
実質1mmの幅に径0.4mmのスポークを2本交差して通す穴あけは非常に神経が疲れます。
ハブのマーキングには針を刺して穴を堀り、最初は0.4mmドリルから始め、次に0.5mmへ拡大しています。
ハブに対してのスポーク穴は貫通させること無く、ただの差し込み穴とするので、スポークの固定はリム側だけでの接着ということになります。
実際この後の仮組みでは両面10本ほどのスポークを差し込んでみましたが、結果良好ということで塗装前に部品として完成させる事への弾みがつきました。
リムへの穴あけは毎度の事で、最初のマーキングから0.4mmドリルで始まり0.5→0.6→0.8mmと徐々にニップルの太さまで拡大しています。
一気に0.8を使うと穴位置がずれてしまう可能性大なので、手順を踏んで丁寧で正確な仕上げを狙っているのですが、如何せん工作機械では無いので、ある程度のバラつきは許容しなくては・・・。
リム裏側もこの様なドリル刃の大小2種類を使って、指でコリコリしながらリムを貫通しないようにギリギリまで掘り込んで接着剤溜りを作っています。
プロターのタイヤはお世辞にも褒められた物ではなく、いくつも使い物にならない付属タイヤのお陰で手を付けられないプロターキットがお蔵に入っています。
このDUCATI 750s キットのタイヤは一見大丈夫そうに見えていますが(厳密な目で見れば不満は有ります)、タイヤの内側の切り欠きが気になります。
なぜ切り欠きが有るのか、リムとどの様な理由でこうなっているのか分からぬままリムの塗装前に取り合えずリムにタイヤを履かせてみました。
タイヤサイドの肉厚は薄く、案の定切り欠き部分の腰が弱いためリム内側に入り込んでしまいその部分だけ凹んでしまいます。
4箇所有る切り欠き部分は全部凹み、タイヤの輪郭が綺麗な円になりません。
ゴム質は柔らかく内側に支えになる物を作るかどうにかしないと、せっかくのモデルも台無しになってしまうので、是が非でも何とかしなければ・・・・っと暫し頭の中でシミュレーション。
要は切り欠き部分がリム内側に潜り込めなくすれば良いという結論を出し、ならばリム側にストッパーを付ければ収まるのでは?と1mm厚プラ板を細く切り出してリム内側の壁の沿って貼り付けてみました。
結果は上々、何も知らない人が見れば違和感は感じないくらいの形状になりました。
こんな細工をしたのは始めてですが、プロターのタイヤには本当に悩まされます。
これも一つのノウハウとしてノートに取っておかなくては。
さて、これで前後のハブとリムもやっと塗装が出来るようになりました。
塗装の段階に進んだところで、リヤハブも同時に塗装するために部品を仕上げています。
キットではドラムブレーキですが、ここもディスクブレーキに改造となるために前後共通する部品までの組み付けをしていきます。
塗装工程に入りました。
「プロターのタイヤはリムを溶かす」と、よく言われています。
事実リムだけではなく、長く保存しているキットで、むき出しのタイヤと接触していた部品が溶けてしまうということもよくあります。
僕はこの現象を避けるたにリム塗装の際は裏側、つまりタイヤと接触する部分の塗装の層を厚くする方法で回避しています。
最初のプロターRC166を制作して既に3年以上経ちますが、タイヤのリムへの侵食は認められません、全く当時制作した状態のままを維持し続けていますし他の2台にも異常は出て来ていません。
スポークの張替えをしても塗装の層が薄かったり、キット部品を素直にそのまま作ってしまうと、おそらくメッキ層までも侵食して溶かしてしまうのでしょう。
高価なアルミリムを使えばこんな面倒な工程は無くて済みますが、そこまで拘らない向きにはご参考まで。
塗装の完了です。
塗料はクレオスのクロームシルバーSM06を使いました。
次にスポークの材料を作りましょう。
スポークには長さ30cmのステンレスばね線を20mmに揃えて40本用意、工作を容易にするために両端をヤスリで丸くバリを取っています。
ニップルには今更ながらですが、いつも使う園芸用被覆線の中身を抜いた物を使い、4mmに揃えて40本用意しました。
スポークの先端はいつもと違ってまっすぐのまま、内外用に先端を角度を変えて曲げなくても良く、ただ差し込むだけなので手間要らず・・・この方が楽ですね。
先にニップルを全数はめ込んでおき・・・。
後はスポークを通して行くだけ。
ニップルの突き出し量を1mmくらいに調節しながら接着剤溜りに瞬間接着剤を流し込んで固まればOK。
全て固まり、ニップルをゴールドに塗れば完成です、ってエアバルブはこれから・・・忘れないでね。
最後にタイヤを履かせて例の凸凹の問題をチェック、まあこんな物でしょう。
この先このホイールを冶具にしてフロント周辺のスクラッチはまだまだ続きます。
前後共ホイールの基本的な形が出来たところで、先ずはフロントホイールをダブルディスク化しました。
先に述べたように中心部の造形はキットの部品を応用しディスクローターはプラ板で作りました。
真ん中に穴が空いているためリューターにくわえる心棒が使えないので、筆塗りで色々な種類の調色したシルバーを使い、ローター部分に回転焼けの雰囲気をつけています。
リヤはこれとはだいぶ造形が異なり、片側にフロントより小径のディスクローターが付き、もう片側にはショック吸収ラバーが内臓された薄いドラムを備えたスプロケットが付きます。
ホイールのディスク化では多岐にわたる部品のスクラッチが必要で、リヤも造形するにあたり、またまた寸法出しの計算に頭を悩ますことになるのかも・・・。
左右のボトムケース間の寸法に余裕を持って組み付けられる様にハブやディスクローターを作り、一応完成の目途が立ったところで、例によって仮組みをして確認をしています。
左右共、ローターとボトムケースの間に余裕の隙間が出来ています。
フェンダーが被ってくる部分やフェンダー取り付けボルトの部分にも余裕が有るので、今後の工作に対しての不安はどうやら消えそうです。
フロントホイールの完成を受けてブレーキキャリパーを作っています。
同じ物を3個ということで、キット部品には手を付けず3個手作りといきます。
一応キット部品の寸法や、資料なども参考にして、形状などスカラブのブレーキキャリパーを模して作ることにしました。
プラ板の積層から削り出す方法で、極めてアバウトな方法ですが上手く行けばお慰み。
何だかんだと言いながらも3個とも平均値に入る形で出来つつあります。
問題は如何にボトムケースに取り付けるかで、ここでも現物合わせの工作です。
試しに作ったプレートを組んでボトムケースに当てて寸法を出し、修正値で作り直してまた仮組みといった手順が掛かる作り方で何とか部品が出来てきました。
とは言いつつ、実際に組んで見ないと成功とは言い難いのがちょっと情け無い話です。
こんな具合に現物合わせの工作は製作当初っからなので、もう動じなくなってしまいましたが・・・。
右側の位置決めをしています。
ほぼ同間隔で隙間を調整しているので、多分左のプレートの取り付け位置も右に準じた位置で良いことになる筈。
右にはスピードメーター取り出しのギヤケースが挟まる分余分にみなければならないですが、どうにかキャリパーはディスクローターに擦らずに済んでいます。
左もほぼ順当に収まり仮組みから本付けに入れます。
取り付け位置が確定したので、キャリパーを仕上げてしまいましょう。
フロントフェンダーの改造をしています。
キット部品は細いフェンダーステーの付く底が浅く長い物ですが、キット部品の長さを詰め、ステー取り付け用の穴を塞ぎ、プラ板を重ね貼りして深さを出しボトムケースに取り付くプレートを付けて金属ステーの無いフェンダーを作ろうとしています。
ザッと形を作り、前後の長さを確認しています。
長さとバランスを見ながら削りだし、板厚を薄くするため裏側を削っています。
リヤホイールも同時進行で進めています。
これはスプロケット側のキット部品ですが、ハブを改造しているためと構造そのものが違うのでこの部品をそっくり使う事は出来ません。
チェーンも作るのでスプロケットはアルミ板で作り直すことになるので、最初から考えには入っていません。
スイングアームのアクスルシャフト部に有るチェーン引きの部品を作っています。
キット部品を使おうとしたら内径が大きすぎてブカブカになってしまうので、外径6mmのアクリルパイプを使って6角に削り、更に半分に切りわけをしています。
ザッと切り出したところ。
キャリパーブラケットも出来て、主だった部品が揃って来たので、仮組みをしてホイールとスイングアームとのセンターが出ているか仮組みをしなくては・・・。
フレームのリヤショック取り付け位置と幅が決まっているので無闇にスイングアームの幅は弄れません。
予め決められた幅に無理なく収まるかどうか・・・心配は要らなかった様です。