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 現在はタミヤ製品をあまり買ったり作ったりしない私ですが、大好きなモデルで過去にもプロターキットを年を隔ててですが2回作った程なので、発売のニュースを聞いた時是非作って見ようと思っていました。

 1/9に手を加えた作品程の濃密感は無いのでしょうが、1/12でその雰囲気をどれだけ再現出来るのか・・・素組み+アルファーで作ってみようと思います。

 キットは茂木コレクションホールに展示してある車両をモデルにしている様で、RC166としては後期型になる様です。

 12ページに及ぶ組み立てマニュアルと実車写真資料。
 昨今プラモキットは高くなったと実感していますが、このキットは部品点数の多さ、内容などを見ると決して高くは無いでしょう。
 一昔以上前、グンゼの一連のメタルバイクキットが同じ様な価格で販売されていましたが、貨幣価値が変わった現在ではむしろ安いと言ったほうが適しているのかも知れません。

 スペシャルパーツにはH型アルミリムと0.4mmスポーク&ニップルセットと言うのが有りますが、お値段はキット価格よりも御高くなっております。

 しかし、スポークの太さ0.4mmというのは実寸でいうと4.8mm・・・。

 70年代のナナハンでさえ3.6mmだと言うのに、1/12サイズでは確かに細く出来ていますが、これが限界なのでしょうね。

 そこで今回もいつも通りに0.3mmステンバネ線に張り替えて作っていきましょう。

 この写真はドラムとスポークが一体成型されている部品で、外側のリング状の部分はランナーです。

 片側それぞれ内外2枚の部品を貼り合わせるので合計4枚、それを2枚の部品にまとめます。

 外リングからドラムと一体成型されたスポークを取り出しました。

 4枚の輪はH型リムの構成部品で、これも片側それぞれ内外の2枚を貼り合わせます。

 リム部品だけを写しています。

 左右の合わせ面にはスポークニップルが収まる様に凹モールドになっています。

 しかしこの穴太いです。

 4枚の部品を重ねるとHリムが出来上がると言うわけ・・・なのです。

 流石に合わせ面は良好で、メッキを生かした工作ならば流し込み接着剤で用は足りそうですが中央の筋は残ってしまうかも知れません。

 スポークを張替える事を考えると、この穴は少し大きくて1/9サイズならピッタリなんですが・・・っと言うより穴埋めして開け直す方が懸命かも知れません。

 接着剤を一切使わずに仮組みしてみました。

 スポークが細くフニャフニャと柔らかいので折れはしないかと気を使います。

 仮組みの結果は冶具も使わずに簡単に組みあがる事を考えれば非常にグッドだと思います。
 ニップルとリムの勘合部分に少し隙間が出来る事を除けば、スポークの直線がハブからニップルに至るまで正確に保たれ、内外のスポークのハブに刺さる部分のモールドも秀逸と言えるでしょう。

 中央を縦断している線は張替えに使おうとしている0.3mmステンバネ線です。

 実寸に直すと3.6mm、これでも250ccレーサーには太すぎの筈ですが、これ以下のサイズを持っていないので今回もこのサイズで張り替える事にします。

 仮組みを終えて大体の様子を掴んだので早速キッチンハイター風呂に入浴、すっかりメッキが剥がれて色白美人になって頂きました。

 折れても構わないスポークはまるで鰯の小骨の様に柔らかです。

 鰯の小骨を切り落とし、スポークのモールドも綺麗に削ってスポークの通る穴ともう一つの穴あけをすればハブはいつものパターンになります。

 ただ、ハブのリップ部分は貼り合せに注意しないと接着剤が行き渡りにくいために剥がれやすくなってしまいます。
 その場合は流し込みタイプの接着剤を染み込ませ、ピンセットなどで全周にわたってつまみながら圧着さてた方が良いでしょう。
 
 4枚貼り合せのリムはドロドロになった古い接着剤を使いニップル穴を含め多めに塗り付け、接着剤がはみ出す様に最初に中央の2枚を貼り合せました。
 接着剤が硬くなるまで時間が掛かりますが辛抱しましょう、急ぐ人は瞬間接着剤を用いると良いかも。
 固まったら余分なはみ出しをカッターで削ぎ落としながら整形します。
 
外側の2枚は流し込みタイプを使って接着、後はニップル穴に溜まった接着剤が完全に固まるまで穴あけは厳禁。
  

 外側の2枚が固まったら、今度はリム内側にはみ出した接着剤を窪みのRに合わせて研いだスペシャルカッターで削り落としながら整形します。

 いくらタミヤでも多少の段差は有るもので、こんな特殊工具も作って損は有りません。
 尤も、プロターのHリムを作る時はその都度部品のカーブに合わせて研いだカッターを使っていますから、云わば私の定番作業となります。

 これでニップル穴をあけ、それぞれの部品を塗装すればキット部品を使って作ったスペシャルパーツの出来上がりとなります。

 塗装を前後輪同時に行うためにフロントも作っています。

 フロントはダブルブレーキパネルでエアースクープも両側に設けられています。
 冷却風を取り込んみ排出するためにドラム中央に12箇所の四角い排出口が設けられているのでそれを再現しました。

 排出口を彫る為に小さな平刃が必要なので、使わないカッターの刃を削り、砥石で研いで作りました。

 刃幅1ミリ、研ぎ出すのがチョット難しい。

 リムにニップル穴を開けるのですが、プラの材質がいつもと違う様で非常に脆い様ですぐに割れてしまい大穴をいくつも開けてしまいました。

 ニップル穴への普通のプラ用接着剤の充填も粘りが有って切削しにくいこともありました。

 ご覧の様に大穴が開いた所には瞬間接着剤を充填してリカバリーしています。

 このリムを改造するには最初から瞬間接着剤でニップル穴を埋めてしまった方が良いかも知れません。

 2本目の工作は最初の失敗を元に最初から瞬間接着剤で貼り合せ、穴埋めをしてから工作に入りました。

 一本目よりはかなり正確な物が出来ましたが、プラ材の脆さはやはりギリギリの所まで削ると割れてしまいますから非常に気が抜けません。

 何だかんだ有りましたが、前後のハブも出来上がり、いつものパターンに軌道修正出来たのでやっと塗装に入る準備が整いました。

 塗装方法と手順はいつものYoshida流のやり方です。

 ハブは塗装が終了、リムは違う塗料を使うのでもっと乾燥させる必要が有るのでもう暫く放置します。

 ニップル穴は0.6mmとし、塗料がのった分細くなるので塗装が完了してからもう一度ドリルを通します。

 バリやパーティングラインの凸凹が殆ど無いのでサクサクと呆気なく組み立てられます。

 RC166のエンジンはシルバー系数種類でトーンを変えるのと、マグネシュウム合金の部品が使われているので、質感の差も表現しようとしています。

 塗料が奥まで届かない可能性が強い部分は塗装後に組み付けられる様に敢えて接着しないで塗装することにします。

 充分過ぎるくらいの乾燥時間を掛けてメッキ風塗料を吹きました。

 メッキ風塗料を吹くときは充分過ぎると言う事は有りませんからね。

 どこかに展示されているビッカビカに塗装され新造されたエンジンを嫌って素材のままの無塗装で金属感を表現しようとしています。

 リムにピッタリの冶具が残っていたので小改造で使える様にすれば・・・いつものスタイルになります。

 用意したスポークは0.3mmステンバネ線で作った物。

 内側と外側の掛かり部分の角度を変えて作るのもいつもの通り、ニップルも細いビニールチューブを短く切って被せていきます。
 普通の縫い針と糸の関係よりも細いので苦労致します。

 全て部品が揃えば後は簡単、テレビを耳で聞きながら一時間もすれば片面終了です。

 接着はリム側のみで瞬間接着剤使用は言うまでも有りません。

 エアバルブの取り付けとニップルを塗装する事を除いて前輪の張替えが終わり・・・。

 

 後輪も完成しエアバルブを取り付けニップルも塗装して前後ホイールの完成です。

 因みにリヤホイールにタイヤを履かせると・・・いい感じです。

 ディティールアップパーツを一切使わないのでクラッチ部品はスジ彫りでクラッチディスクの存在をアピールしようとしています。

 ただ、ハウジングの方には放熱と軽量化のために穴が空けられていますがそこまでは無理そう。

 クラッチのガードプレートは肉厚のため、薄く見える様に裏側から削っています。

 1/12は一つ一つの部品が小さくて参ります。

 素材のままだと分かりずらいので色付けしてみました。

 多少乱れは有るもののやらないよりはマシといったところでしょうか、何しろバランスの悪くなった視力のせいでどうにもならんのです、早く目の処置をしなければと・・・考えなければならなくなりました。。

 自分には無理・・・一時はそう思った工作はどうせ失敗したら作り直せば良いと考えが変わり、どうしたら小さな丸い穴を彫れるか考えました。

 先に使ったドラムの通気口を彫った刃物を改造して刀の切っ先の様な形に研ぎ直したら使えないだろうか・・・。

 そう考えてやってみました・・・やれば出来るじゃん。

 0.3mmほど平らに掘り下げて、後はカッターの刃で筋をいれただけ、それでも中に入ったプレートの様に見えなくも無いか。

 試しの着色なので粗粗しいですが、無いよりマシ、俺には無理からやれば出来るに変わった瞬間は嬉しいものです。

 キャブレターをいじっています。

 小さな小さなファンネルが6個、穴は塞がっているので、それは無いでしょうとばかりドリルで開口しました。

 キャブ本体にも一手間掛けて最もそれらしく仕上げましょう。

 クラッチ部分は最終的色付けをして、加工や塗装を済ませたクラッチガードと共に取り付けました。

 各部分に墨入れやドライブラシを行い、だいぶ金属感が出てきました。

 着々と加工が進んでいますが、作っていない人には分かりにくいかも。

 「素組み+アルファー」のアルファーが段々そうで無くなりそうな・・・。

 0.3mmのプラ板を長さ3.5mm、幅1mmに切り出し、0.8mmと0.4mmの穴を空けたプレートを何枚も作っているところです。
 さて、何を作っているのでしょうか・・・分かる人手を上げてください。

 プロターのRC166を作った時、同じ部分の工作をしました。

 当時は資料不足で構造や役割が良く分からず、凡その見当で作ってしまいましたが今では資料も揃い構造、役目も理解しています。

 ただ、大きさがプロターよりも遥かに小さいことで工作は難しく、材料の関係で正確に再現出来ないという悔しさも残りそうです。

 黄色い部分はそれぞれのキャブを同調させるアジャスターを止めるアームです。
 アームとアームの間にアジャスターが位置するのですが、その隙間は0.8mm・・・狭すぎです。

 果たして出来るのでしょうか。

 アジャスターです。

 辛うじて隙間に入る太さで作っていますが、小さくて見えないので正確なディティールまでは出来ません。
 まあ雰囲気だけでも出せれば良いかなといった程度で・・・。

 アジャスターを取り付けたところです。

 本来ならばアジャスターの奥にスプリングが有るのですが・・・。

 プロターの時は再現出来たのですが・・・縮尺の違いを思い知らされた、っと言うか下手だからしょうがないので諦めます。

 キャブをエンジンに仮組みしてみました。

 やっぱりスカスカな空間よりもこちらの方がメカニカルな感じが出て良かったかな?。
 タンクを載せてしまえば両端のキャブしか見えなくなるし・・・。

 後はファンネルを付ければ次の工程に移れます。 

 ファンネルを付け薄くウォッシング、最後にタッチアップしてキャブの工作は取りあえず終了です。

 ファンネルは当時の物は樹脂製だそうなのでその様な色付けをしてあります。

 キャブをエンジンに装着すればいよいよエンジン全体の形が現れてきます。

 手の平にコロンと乗っかってしまうほど小さなエンジンですが、流石にタミヤだけあってディティールのメリハリは利いていますね。

 フレームをチェックしています。

 タミヤの揚げ足を取るつもりは些かも有りませんが、チョットだけ気に入らない部分が有るので直そうとしています。

 後期型フレームには補強が追加されているのですが、モールドでは一枚のプレートになっていて、しかも抜けていません。

 この部分は薄い板をUの字状に曲げて裏側まで被せる様に溶接されている様です。

 従って表のモールドを活かし、開口してから薄々攻撃。

 裏側にはプラ板の端材を貼り、回り込んだ後と裏側部分を作ろうとしています。
 実はこの部分、プロターRC166は補強無しの前期型フレームなので、後期型に直すべく工作した箇所だったりして。

 接着が固まったので削り込みました。

 ついでに溶接跡を細く伸ばしたランナーを貼り付け再現しようとしていますが、実車ではブラック塗装のフレームなので殆ど目立ちません。

 アルミフレームならばかなり目立つのでしょうが、当時そんなフレームは存在していないのですから。

 裏側から見たところです。

 一枚のプレートがフレームを回り込んで溶接されている様子が分かるかしら?

 前方から見たところです。

 よっぽど気を付けて眺めないと実車でも気が付きません。

  抜けている奥が暗いのと、ブラック塗装のフレームだから仕方の無い事です。

 僕の作るバイクモデルの殆どはパイプフレームの持ち主で、いつも気になるのがパイプとパイプが交差する部分のモールドです。

 型割りの関係で仕方が無いので納得していますが、どうしてもここ(赤矢印)に手をいれてしまいます。

 上方向から見て下が修正した部分、上は未処理です。

 同じ部分の下側から見たところ。

 プラモデルの宿命と言うべきモールドも、一つ一つ潰していけば実物に少しは近づけるのではないか・・・拘りの一つですね。

 フレームの修正はほぼ終わり、カウルとの合いをチェックしています。

 カウルはフレームサイドから伸びるステーとメーターステー先端の5箇所で留まり、サイドステー前部で極小ビスで固定されます。

 ただこの時、後ステーにピッタリカウルが密着せず浮いてしまう事に気が付きました。

 どうやらそのまま組むと浮くのだなぁっということで、ビスどめするステーの長さを少々短く削り調整したところです。
 
 これはどのキットにも言えそうなので作る方は要チェックです。

 徐々に仕上がるフレームを見ていると、何か忘れている事は無いかと慎重になってきます。

 補強部分に溶接跡を付けた事で他の部分にも無ければ変かな?と思い始め・・・ならばいっそと溶接箇所の見える部分を皆付けてしまえとばかり始めてしまいました。

 白い部品のランナーを使って細く伸ばし、貼り付けています。

 流し込み接着剤で付けていくと、細く伸ばしたランナーはすぐに柔らかくなるので潰れやすくなります。
 
 適当な柔らかさになった頃合を見計らって先の細い金属、例えばピンセットの先とかで押し付けてモールドを付けていけば出来上がり。

 当時の熟練工が溶接した目立たない溶接跡を再現しようとすると、これでも大変気を使っているんですが太すぎますかね?。

 まぁブラック塗装なので目立たなくなるし・・・良しとしますか。

 溶接跡を付けたのはフレーム後半部分が主で、全て目に見える部分です。

 溶接跡を付ける工作が終わってまた眺めていますが、気に入らない部分はまだ有ります。

 2箇所有るサイドカウルステーの前ステーがネジ止めの関係か太すぎ。
 金属棒に置き換えるか思案していますが、素組み+アルファーの範囲を超えそうなのでスルーしようか・・・。

 一見派手かな?太すぎない?と思った溶接跡は塗装すると近づいて見ないと分からないくらいの物、でもちゃんと有る・・・そのくらいが丁度良い。

 フレーム単体を完成させるためにリヤフェンダーを同時に組み込む事になります。

 リヤフェンダーにはオイルキャッチタンクが取り付くので、そのタンクを加工しています。

 付属の透明パイプが差し込みにくい取り付け部分は0.6mmスチールロッドに替えます。

 同様にエンジン側の2箇所も同じ工作をしました。

 接続部分には0.3mmプラ板から六角に切り出し、0.6mmの穴を空けてロックナットに見立てました。

 この部品にはフェンダー取り付け用の足が2本付いていましたが、切り落として整形、フェンダーの穴は伸ばしランナーを差し込んで塞いであります。

 フレームを完成させるためにもう少しだけ弄ります。

 これはスイングアームピボットシャフトのナットです。

 1mmのプラ板から切り出して溝を彫り、シャフトは1mmアルミ棒を使い0.4mmの穴を貫通させています。
 割りピンは伸ばしランナーを使ってそれらしく形を作ってみました。

 フレームのナット部分のモールドを丁寧に削り取り、代わりに作った物と置き換えました。

 ナットのサイズはモールドのサイズと同じにしたので違和感無し、ただナットのモールドがシャフトのストッパーにもなっているので、この部分はシャフトのねじ込みには注意を払わねばなりませんね。

 リヤホイール関係を組み付けるために前後ブレーキパネルを作りチェーンと共にシルバーを吹きました。

 基本色のシルバーだけでは当たり前過ぎてつまらないので少し筆を差してみようと思っています。

 チェーンは勿論キット部品を使いますが、これも細かく塗り分けするだけでは面白くないので彫りを入れてローラーや駒部分を浮き立たせようとしています。

 上下の両面をやってローラーとローラーの間を空かそうと思ったのですが工作途中で折れる様な気がするので、見える範囲だけの彫り込みに留めておきます。

 これだけでも随分違うと思いますが・・・。

 彫り込みが終わったばかりの物は、いくら丁寧に削ったと思っていても表面はささくれていたり荒れていたりします。

 僕はそういう時に流し込みタイプの接着剤を薄く表面に塗布する事にしています。
 そうする事で表面の小さなささくれが溶けて目立たなくなるからです。

 今回もいつもの様に同じ処置をしました。

 塗装が終わって上方向から見たところです。

 彫り込みの成果は抜群でローラーの丸みが奥まではっきりとし、駒も独立した部品の様に見える様になりました。

 下方向から見たところです。

 下側は彫り込みはせず色の塗り分けだけにしてありますが、黙っていれば分からないでしょう。

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HONDA RC166
TAMIYA 1/12

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