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 初回作では無視してスルーしたフレーム修正、キットのフレームはリヤステップの取り付け用サブフレームの存在から398cc仕様ですから、408cc仕様に改造するためも含めると修正箇所は大まかに3箇所。

 その@  フロントダウンフレームの下で左右に枝分かれする部分、何やらダウンチューブ下から枝が伸びて左右に分かれた様な形になっている。

 しかも太さやカーブが均一でなく、モールドも汚い。

 実際のフレームワークはダウンフレームの横にこんな形で溶接されています。

 プラ棒を曲げて長めのアンカーを仕込んで繋ぎますが、水平フレーム側の太さが急に細くなっているので、つなぎ部分で段差が目立たない様にする工夫が必要です。

 パッと見何処を修正したか分からないと思います。

 上の左半分の修正点は2箇所。

 白い部分と、中央のエンジンマウントフレームで、シートレールとのつながり部分を直しています。

 キットのままだとこの部分は直線的にシートレールにつながりますが、実際はこの様に少し手前からカーブが付いて垂直近い角度で修正以前よりも後方へ2mmほど後退した位置に取り付きます。

 このカーブが有るため、サイドカバーも同じ様なカーブになっていてバランスを取っているようですが、キットのサイドカバーは直線的な物となっているのでこちらも修正する事になります。

 左右のフレームに有ったリヤステップ用のフレームを切断して、右側のみマフラー用のフレームをプラ棒を使って作り直しています。

 後にマフラーを仮組みしてからブラケット位置を決めるので、其の工作はもう少し後になります。

 エンジンマウントプレートとリヤサスの取り付け付近の溶接脈を伸ばしランナーを使って作りましたが、あまり派手にはしないのでブラック塗装後には目立たない部分でしょう。

 フレームには未だ少し手を掛けなければいけない箇所が有りますが、先にスイングアームにリヤステップを付ける工作をして408cc仕様に改造しています。

 キット部品のステップは四角い断面なのでそれは使わず、3mmのプラ棒を使って可倒式のステップを作っています。

 スイングアームの工作はこの部分だけでは無く、既に切り落としているチェーン引きボルトを含めチェーンアジャスター部分にも手を加えていきます。

 サイドカバーの付き方にも疑問が有ります。

 そのまま付けるとカバーは側面に斜めに付きますが、本来は垂直近く立った状態で付きます。

 これはフレームに有るサイドカバー下部の取り付けステーの位置に関係していて、そこを修正して直します。

 サイドカバー取り付け用のガイドはフレームよりも奥になければいけないのにフレームと面一に有るのでカバーは斜めに付いてしまうので、この部分を切り落とし正しい位置にガイドを作り直します。

 ガイドを作り直し、サイドカバーを嵌めるとこの様な状態になり、本来の姿になりました。

 サイドカバー自体も全体の形が合っていません。

 左の部品を修正中ですが、4辺を微妙に削りながら様子を見ています。

 削り過ぎると穴が開いてしまうので裏打ちをしてからの作業です。

 下のカバーが修正中、上は手付かずです。

 修正したフレームに沿ったカーブを付けていたり、上面は水平面をより水平にと目立たないですが、4辺の面はそれなりに手を入れて修正しています。

 フレームの修正と同時期にやってしまわなければいけない部分にサイドスタンドの可動改造が有ります。

 単に穴を開けてシャフトを通せば良いといった簡単に済ませられる部分では有りません。

 最初にシャフトを通す為に金属パイプでブッシュを挿入して直に金属シャフトとプラを接触させず、動きが軽くなる様にしておきます。

 サイドスタンドを上げた時の角度はこの位になる様に調整も済ませます。

 問題は根本の強度、補強無しでは長期の使用には耐えられないだろうプレートの薄さです。

 薄いプラ板を小さく切って何枚か貼り付けながら頃合を見ています。

 表からは見えない様にギリギリの厚みを持たせて補強が終わりました。

 全く不安を感じさせないしっかりした根本が完成しました。

 サイドスタンドを使う時は当然ですがメインスタンドは
跳ね上げられます。

 動きをスムースに加工すると、スプリング無しではだらしなく降りてしまうので、キットには無いメインスタンド用のスプリング機構を作ります。

 作ったのはアルミ板から切り出して加工したプレートとステン針金で作ったスプリング。

 フレーム側にプレートが取り付くブラケット、スタンドにはスプリングが掛かるフックを作っています。

 メインスタンドを立てた時の様子です。

 スプリングの伸びた状態ですが、あまり強く張らない様にスプリングの長さに注意が必要です。

 スタンドを上げた状態。

 メインスタンドのストッパーが付いていないので、スタンドは途中からバネの張力でピン!と跳ね上がります。

 ここで申しておきますが、メインスタンドの形状が事実とは少し違いますが、大勢に影響が無いのでそのままキット部品を使用しています。

 フレーム関連部品もそろそろ塗装出来る状況になって来ました。

 其の前にもう一つ済ませておきたい部分はチェーン引きの部分です。

 金属で作り換えるという手も有りますが、ここでは刃物で彫り込んで貫通させる事で立体にしています。

 アジャストボルトには金属棒を使いましたがロックナットにはプラ板から切り出して六角に削って作っています。

 スイングアームピボット部は隙間が有り、そのままビスで止める事になりますが、ビスの頭がプラスネジのマル頭になって模型ですって主張しているのを嫌って改造しています。

 ピボット部分の隙間をプラ板貼り付けで埋め、ネジの代わりにプラ棒をシャフトとして使える様に加工しています。

 組み立てた後にボルトの六角頭を付ければそれらしく見えます。

 リヤショック取り付けの穴はブカブカでシッカリとした組付けが不安なので、シャフトを金属に換えるべく大き目の穴を開けてスリーブを入れました。

 そのうえで金属シャフトを通せばシッカリとした組付けが出来ます。

 ショックユニットの下部は、キット部品ではシングルで外側から貼り付ける様になっていますが、前述の様にブカブカなのでスイングアーム側とシンクロさせてこちらもダブルにして実車通り挟み込む方式に改造しています。

 そのために元から有るモールドを40%削って薄くし、補強と糊代を兼ねたプラ板を貼ってスイングアームが中央に来る様に加工しています。

 上下反転した画像ですがリヤショックの頭部を加工しています。

 キット部品の頭部は右側の様にずん胴ですが、左の様にクビレが入った形に削って修正。

 この先スピンドルを金属に換えればリヤショックの修正は終了です。

 工作と仮組み、かなり先までの仮組みと考察は初回作では考えも及ばなかった事。

 今では私の作り方の常套手段となり、部品作りや修正、仮組みで、未塗装のまま暫くは進行していきます。

 そんな進行の中でチェーンもそろそろ準備しておかなければいけない段階になって来ました。

 同じメーカーのチェーンを使いますが、使うのはいつもと同じ駒だけです。

 ただ排気量によって多少のボリュームの違いは付けようとしています。

 チェーンの幅は 1/8 モデルの400ccという事で今まで使った事が無い0.8mmのアルミ板をスプロケットに使い、ローラー幅も0.8mmとしています。

 この辺の厚みや大きさは0.1mm違うとかなり見た感じが変わります。

 そうしてある程度長さが出来てきたらドライブスプロケットを作ります。

 今更ですが、スプロケットの出来如何でチェーンが実車通り可動出来るか否かが決まります。

 前後のスプロケットがチェーンと全周に亘って軽く噛み合う様に作らなければ、その目的は達成出来ません。

 ドライブスプロケットが完成したのでリヤのドリブンスプロケットも作ります。

 板厚が0.1mm違うと工作難度も上がり難しい工作になります。

 罫書き線やマーキング、穴あけ位置にポンチをする作業、ピンバイスドリルでの穴開けは全てフリーハンドの手作業です。

 少しのミスでも完全に噛み合う事は出来ません。

 やはり今回も2回目での完成でした。

 歯の工作が確定したらスプロケットの造型を作っていきます。

 糸鋸などと言うものは持っていないので、ひたすらピンバイスで穴を開けカッターとヤスリで穴を開けて整形しています。

 最後にハブへの取り付けボルトの通る穴を開け、中央部にもう一枚アルミ板を重ねて行きます。

 外周に有る4つの穴はチェーンカバーが取り付くビス穴ですが、今回はカバーを付けないでスプロケットが丸見えになる様に穴埋めをしています。

 スペーサーの役割を持った短い筒状の部品を作ればブレーキハブへの取り付けが出来ます。

 チェーンは規定の長さまで作り上げ、キット部品と比べています。

 全体で誤差1mm以下ということで、ドリブンスプロケットをミッションに取り付ける時に張りの調整をして組み付けます。

 ブレーキドラムに4本のアンカーを植え、ナットで締める方式でスプロケットを留めてみました。

 実際はボルトで締めるのか、このようにナットで締めるのか判っていないので取りあえずこの取り付けで、正式には調べてからにします。

 エンジンをフレームに載せ、スイングアームやショックユニットなど組み付けが出来る程に、各部品の下地工作が進んで来ました。

 フレーム組み立てに直接関係する部品にメインスタンドが有ります。

 加工する項目は二つです。

 一つはスタンドの接地する部分の肉抜きで、いつもチェーンの浮き彫り加工に使う刃物で彫り込んでいます。

 もう一つはサイドスタンド同様に強化対策です。

 シャフト部分が細いプラモールドで、重量を増したエンジンが載る事を考えると補強が必要と考え、シャフトを真鍮棒貫通で強化しました。

 1/12 サイズのモデルでも経年変化でピン部分が折れて倒れてしまうケースが何回か有ったので、それ以来スタンドの補強は必須工作項目に入っています。

 この部分が本当に最後の修正部分、ステムのガタ消しです。

 トップブリッジと三つ又を繋げて点検したところ、上部は左右に、下部は前後に結構なガタが有りました。

 その両方のガタを消し、ついでに若干立ち気味のキャスターも直しています。

 こうして見ると何処をどう直したか判りませんが、それで良いのです。

 ここで依頼者からの是非との願いで、オリジナルには無い小さな部品を作っています。

 いろいろ作り方を考えましたが、文字デカールを作る術が無いのでこんな方法を取っています。

 3mm角のプラ板から文字を切り出していますが、老眼には酷な作業で決して綺麗な切抜きでは有りません。

 切り出した文字はベースになる部品を作ってそれに貼り付けました。

 其の状態で少し輪郭を整え見栄えを良くしています。

 全体をメッキ塗装して窪んだ部分に黒を流し込めばメッキ文字が浮き上がる仕掛け。

 こんな具合に取り付く予定ですが、部品が上手く出来上がればの事、上手くいったら気に入って頂けるかしら。

 塗装作業に入る前、見過ごしている部品が無いか点検していて見つけました。

 フロントフェンダーの左側ブラケットはブレーキホースの逃げが有ります。

 模型では真っ直ぐ平らになっていますが、仮組みするとやはりケーブルはきつくて入れ難い事が判りました。

 実物と同様に逃げのカーブを作って対処、ホースは余裕を持って通す事が出来る様になりました。 

 

 塗装を始めています。

 最初に終わったのはブレーキキャリパーです。

 シリンダー形状を直し、ブレーキパイプの取り付け部分やブリーザーを新設、キャップも被せて色分けしています。

 ピカピカでは違和感が有るので少しヤレた感じを出すためシルバーでドライブラシを軽く掛けてあります。

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