意を決してイメージの合わないフェールタンクを無視することにして新たに作り直す事にしました。
プラ板で作ろうとしましたが、最初から作ろうとしても具体的な形が掴めないので、一度下作りとして形を作ろうと思います。
前々からこんな時の為に、ネットでケミカルウッドの無料サンプルを見つけて取り寄せていた物を使う事にしました。
この素材は初めて手にするもので、どういう性質の物か全く知りませんが工作性が良いとは聞いているので今回良い機会なので探求してみたいと思います。
早速採寸より少し大きめに鋸を入れて切り出します。
予めスケッチして置いた型紙を使って縦横を切り出しました。
この素材は堅さに4種類有り、今回は3番目の堅さの物を使っています。
彫刻刀やカッターナイフでサクサク削れ、ヤスリでもガシガシ削れていきます。
殆ど出来上がりましたが、試しにこれがそのまま部品として使えるかどうかサフを吹いて見ようと思います。
結果として、きめ細かな気泡が無数に有るためにサフがドンドン染み込んでしまい、表面を塗装出来る状態にする事が出来ず、これはあくまで形のサンプルとして使うしかありません。
そこで当初の予定通りプラ板での製作に切り替え、箱を作って行きます。
使ったプラ板の厚みは1o、在庫が有るので敢えて2o厚は使いませんでした。
フレームに最初省略しようとしたタンク下を通るフレームを追加し、そのフレームにタンクを取り付けるためにタンク裏側にトンネルの工作をしてあります。
一番最後に顎乗せのスポンジが入る穴を開けた1o厚プラ板を貼り付けました。
ケミカルウッドを削り出す最初の状態にやっとなりました。
今度はプラ板の積層なのでケミカルウドをサクサク削る様には行きません、平と半丸のヤスリを駆使して形を出すのですが、いかに削れるヤスリと言えどもだいぶ時間が必要でしょう。
リンクして頂いているMoto
Modelingの柴田さんからフェールタンクに関しての資料写真を送って頂きました。
早速それに基づいて削ること丸一日、殆ど良いかなーっと思える形になってきました。
ただ、タンクの先端部分の造形は判断がどうしても付かないので、取りあえずサンプルより平らに削ってみました。
もしかしたらサンプルに作った先端の形の方が正しいのかも知れませんが、僕が作るんだったらこう作るかも知れないという形に仕上げる事にします。
フレームには3oプラ棒で補強のフレームと、メインフレームとシートレールの分かれ目には補強プレートをプラ板で追加工作します。
タンクの取り付け兼用の役目を負ってもらいます。
資料を見るとタンクはニーグリップのえぐれた部分がフレーム幅よりやや内側にあり、それより前の部分はフレームより幅広の様です。
フレーム幅に合わせてタンクを描いたため少しタンクが幅広に感じるのは気のせいでしょうか。
と、言うことはキットのフレーム幅が広すぎと言うことになるわけで・・・。
シートの幅もフレーム幅とほぼ同じで、キットの部品は幅が広すぎる感じなのでこの部品も作り替えないとなりません。
様々な角度から眺め、写真と同じアングルで見て形を出していくのは簡単な事ではなく、 写真から微妙な形を読みとると言うことは本当に難しい事だと思い知らされています。
HONDAコレクションホールに実車が展示されているので、見に行けばハッキリと解るのでしょうが、それはいつか機会が有るときに、三度目の正直の機会が有るときまでお預けしておきましょう。
もう少し手を入れて見ましょう。
結局最初に作ったサンプルと瓜二つの物が出来上がり、タンクキャップのベースをプラ板を貼って面のつながりを工作した後サフェーサーを吹いて全体の表面を均し、取りあえず完成です。
この後シートやシートエンドも作るため、塗装はシートエンドと共にする事にします。
キットのシートエンドよりも4o幅を詰めた物を作るためにいろいろ方法を考えた結果、タンクを作るときに使ったケミカルウッドを使い、型どり用のシートエンドを作りました。
1oのプラ板を蝋燭でデロデロになるまで熱して型に押し当て・・・。
やってみること数回、最初はワキが薄くなり、2回目も同じ。
3回目は熱する範囲を広くして、押しながら包む様に・・・だんだん感じが掴めてきたぞ。
4度目の正直!。
今度は押さずに被せるように、包む様に・・・。
手が熱いので軍手をはめて火傷を防ぎ、手早くエイヤッとくるんでやった。
型を取り出すには回りを削らないと取り出せないので、整形と同時に取り出すことにしてドンドン削って・・・。
1oの厚みが完全に保たれたままのシートエンドの素材が作れました。
幅も計算通り、まるでホワイトチョコでコーティングしたお菓子みたいで美味しそー。
ゆで卵のカラを剥くような感じで中身を取り出し、角度を付けて切り出しました。
シート自体の造形は1.0oのプラ板で箱組をした後熱を加えて2面を少し凹ませ0.2oプラ板を短冊に切り、それぞれの端を丸く仕上げて並べて貼って作りました。
側面にも0.2oを貼り、多少へたった感じに柔らかく皺を表現していますが、少し分かりづらいかも。
シートエンドに被さる部分にも0.2oを使い、やはり端を丸く仕上げました。
後はフレームに止める穴をシートエンドに3ヶ所開け、シートにはシートエンドに止めるリベット穴の工作の後やっと塗装に入ります。
シートとシートエンドを別々にして作ったためそれぞれ独立して塗装ができます。
下塗り2回、キットのシートを並べて具合を見てみました。
シートはこんなにテカってはいないので最終的には艶は消します。
同時にタンクも塗装しています。
タンクの場合は、作る材料が1oのプラ板の積層でしたので、斜めや球形に形を作る時に貼り合わせた筋が出てしまい多少凸凹になってしまい、パテで修正しながら形を整え、最終的に塗装出来るまで少し余計に手間が掛かってしまいました。
やはり有り合わせの材料よりも、適材適所の厚みを選んだ方が作業が確実に早く進める事を学びました。
まだ下塗りの段階で、色具合も少し明るすぎる様です。
キットのシートがやけに大きく感じます。
先送りになっていたドライブスプロケットとドリブンスプロケット、0.5oアルミ板から切り出し何度と無く失敗しながらやっとの事で許せる範囲までもってきました。
製図をして寸法を出して切り出した物はことごとく失敗、歯の間隔を製図より広くしなければならなかったのは何故?今でも疑問???。
まあ少しノウハウを覚えたので良しとしましょうか。
エンジン側のスプロケットはこのままでは板厚が薄いので裏表にスペーサー代わりのプラ板を重ねて振れを無くし、リヤはプラ板を整形して取り付け金具を重ね、伸ばしランナーを輪切りにして6角に削りボルトの頭を作って6ヶ所に置きました。
スプロケットには軽め穴を空けて表情を付けました。
作りすぎて長くなってしまたと思っていたら一齣足りない長さでした、危なかった。 このチェーン、どの段階で駒を繋ぐか思案のしどころです、まずは仮組をしながら考え中といったところ。
ホイールを取り付ける前にチェーン張りを0.2oプラ板で作り、この時点で接着しておきます。
また、キットのホイールシャフトは使えないので、2oプラ丸棒を少し細く削り(2.2o近くあるため)置き換えます。
同時にナットやワッシャーも作ってしまいました、1/12では絶対にここまではやらないでしょう。
この段階まで来るとスタンドがどうしても必要になってきます。
キットのスタンドが使えなくなってしまったので1o角の真鍮棒を半田付けして作りました。
治具なんていちいち作ってられないので、セロテープでチョコット止めながら半田を染み込ませて作りましたが歪みは幸い無いようです。
ヤスリをかけて綺麗にするまでが大変。
スタンドを真鍮棒で作ったのはこれで2回目ですが、この様なキットを作る場合は必須の工作になりそうです。
スタンドを作ったので早速プロポーションのチェックです。
マフラーを片側だけ付け、シートの浮きを直して・・・・うーむ・・・・、何だかなー。
形に対して有る程度のこだわりを持ってここまで製作を続けてきました。
充分とは言えないまでも資料も集め、何とか形を作ってきたつもりでいたのですが、キット部品を信用したためにまんまとプロターの落とし穴にハマってしまいました。
気が付いた時には本組寸前でした。
今気が付いてかえって良かったのかも知れませ、今ならバラせますから・・・その部分はマフラー。
明らかに違います、3本のテール開口部にこの様な長さの段差は無く、実際は殆ど揃っています。
考えれば分かった筈ですよね、集合管が世に出る以前の時代、独立した3本のマフラーの長さが違うのは物理的に見てもおかしいと。
どうして見落としたかなー。
少し落胆しました(3分間くらい)、このまま諦めて先に進めるか、それとも修正するか・・・やっぱり修正でしょう。
せっかく出来ている物を壊す様で悔しいですが、間違いのまま進んでも恥を晒す事になるので意を決して3本をつないでいるプレートにメスを入れ、バラバラにしました。
エキゾーストパイプを3oで作ったので、中間の部分で3oプラ棒で延長。
おおよその長さにカットして並べてみました。
上が間違い部品です。
一番上のマフラーには誤りが無いと思うので、ココを基準に残り2本のラインとテールの位置関係を修正するのですが、微妙に曲げたり削ったりして合わせてあるので直すにはだいぶ手間が掛かりそうで、この結末の更新は少し先になると思います。
白い部分がプラ棒を使った延長分ですがこの分が後方へヅレるため合わせてあったカーブが当然合わなくなります。
曲がりを一度直し、また曲げ直すには、最初に火を使った方法でやるしか有りません。
無理をして火を使わないで直せばポキポキと折れてしまいます。
それでなくとも老化したプラ材は脆くなっていて折れやすくなっていますから恐くて仕方有りません。
プラ棒で延長してから修正をして、繋いでからも修正をしています。
そう言いつつ何とか片側を直しましたが正直言うと数カ所折ってしまい、その部分を修理しながらの悪戦苦闘は冷や汗もので、代わりの材料が無い中でもう片方を強いられるには精神的なダメージが回復しないと出来ない作業です。
マフラーが終わってもまだ気に入らない部分が有るので修正作業は暫く続きそうで、つまらない製作記になってしまいますが、何分にも試行錯誤をしながらの製作なのでご勘弁を。
左右マフラーの修正が終わり一旦仮組をして様子見です。
製作するに当たって最初から数え切れないくらいの仮組ですが、殆どの部品に手が入ってしまうと部品として完成させても組んだときに全体のバランスが崩れていないかが一番心配されることです。
このマフラーは最初から手を加える予定でいましたから、失敗すると言うことはボツにする事なので直すのには真剣になりました。
修正したマフラーは、どうやら資料の写真と比べても大差無く収まりそうです。
こうして見るとまだ全体にシックリ来ない部分が有ります。
スクラッチしたタンク・シート、特にタンクは捕らえどころのない形故、勢いで作ってしまった感が有りますが、タンク底辺が平面で作ってしまったためフレームとの間が結構有り、そのために妙に厚さが薄くなってしまいました。
次はこのタンク、もう少し形を整える工作をします。