| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
どうやって見ても何か違うなーと納得がいかないので、手直しを始めてしまいました。
フレームの太さや緩衝材の未取り付けから来る違和感だけではない様な気がして仕方がないんです。
このキットの製作に再チャレンジの可能性は多分・・・、この際ですから自分の気が済むまで手を掛けてみようとしています、RC166キットとの一期一会といったとこでしょうか。
底辺の変更が目的ですので底の部分だけ塗装をヤスリでガシガシ落とし、0.3、0.2oプラ板を流し込み接着剤を使って貼り付け圧着させて一晩置きました。
接着剤が乾燥したのを確かめてから、先日買った光硬化パテを底面全体を覆う様に薄く塗り、30W蛍光灯の下10pくらいの所に置いてトイレに行きました。
10分くらいで戻ってくるともう固まっています。
塗った表面はべたべた脂っこくなっていますが薄め液で湿したボロで一拭きすれば綺麗にベタつきは取れてしまうので直ぐに次の削り込みに入れます。
削り込むこと1時間半、机が粉だらけになってしまうので卓上ハンドクリーナーで掃除しながらの作業でした。
このカットでは殆ど変わらない感じですが、実際に増えた厚みは中心部で0.4oほど。
底面の前後に穏やかなスロープを付けてあります。
塗装前にフレームに乗せてみます。
私的にはOKです、これで行きましょう。
タンクの塗装に要する時間の間に小さな部品を仕上げてしまいます。
ハンドルパーツにはアクセルの巻き取り装置、二股に分かれるフロントブレーキ用のアダプターとアジャスター、クラッチレバーのアジャスターとケーブルを繋ぐためのパイプを付けました。
ブレーキペダルと同一モールド左ステップは、つま先部分を弄り、ステップバーには滑り止めのモールドを彫りエンド部分を少し盛り上げ、裏側も半分に削りモールドも付けてあります。
右ステップは3oプラ棒を削りだして左と同様に工作しました。
クランクケースから左右のフェアリング内に有るオイルクーラーにつながるパイプを1oアルミパイプとプラ板で作り、取りあえずホースを繋ぎホースバンドを掛けておきました。
一度はOKを出して次に進もうとしたところ、バイクツーリング仲間の情報で新たな資料がもたらされた結果、やっとタンク全体の形が掴めました。
先端の形状や色々な部分に誤りを見つけてしまい修正に入っています。
作業時間の向上を狙って、タミヤの光硬化パテを使い先端に肉盛りをしています。
10分後にはヤスリを掛けられますから能率は格段に向上、天日に当てると1分も経てば完全に固まるのでこれだけ盛っても5〜6分の作業でした。
修正箇所は先端を1o延長、先端の丸みを無くし、唯一存在する先端両端の「カド」らしき部分の再現、ニーグリップのエグリ形状の上部を若干細くなるように削り角度を寝かせて全体を削って面を出しました。
更にタンク上面のなだらかな曲面を出し、サイドの面とのつながりのRも修正しました。
タンク後部にはフレームマウント用のバンドが掛かるフックを0.2oアルミ板で作り、瞬着で固定、塗装で一緒に塗り込んでいます。
タンクキャップのベース部分の造形も修正し、後でこの上にもう一段給油口部分を作り足します。
キットのマークはご覧の状態で、しかも形も違うし色の配置が上下逆になっています、メーター板も然りで、どうにも使うことを躊躇われ作り直すことに挑戦しています。
特別なプリンターや材料を持っていないのでどんな方法を取れば出来るだろうかと試行錯誤の真っ最中、今やっている事は、まず正しいマークを雑誌を探しまくりスキャンして取り込み、インジェクトプリンターでサイズを何パターンかに変えて紙にプリントアウト。
デカールフィルムを染み込ませ更にクリアー塗料でコーティングしてマークギリギリのラインで切り出しています。
キットのデカールは一般的な水に漬けて剥がすデカールとは違い、厚みも有ります。
紙の厚さほどでは無いにしても大差無いだろうと思い、この切り出したマークを使うべく何か他の材料に貼って塗装してみてから様子次第で本番に移行しようとしています。
シルバーのラインは塗装で仕上げるとしても、このマークやメーターシールは細かすぎるために筆で書くことは僕には不可能です。
フェールタンクを作る傍ら回転計を作っています。
キットの部品は文字盤が直径12〜3oも有って大きすぎる感じがしましたので文字盤部分の直径を3o削ってほぼ10ミリに直しました。
ケーブルの取り出しのピニオンは伸ばしランナーを削りだして付けてあります。
メータが収まるフレームは、キットではスナップキットの様な簡単な部品しか無いので、ココは少し拘ってフローティングマウントにすべく工作をしてみました。
0.3oプラ板を切り出し、4箇所に伸ばしランナーでピンを作り、同じく伸ばしランナーで細いラバー(ゴムひも)を再現しました。
実際ではこのラバーがメーター本体の4箇所のフックに掛かってマウントされ振動を防ぐようになっている模様です。
文字盤には資料雑誌からスキャンした物を光沢紙にプリントして切り抜いた物をはめ込み、上からエナメルクリアーを流し込みガラスの変わりとしましたが文字のにじみは全く起こりません。
この写真では分かりづらいかも知れませんが透明度は抜群です。
メーターはフレームとの間に小さなスペーサーを数個おいて隙間を空け、横から見るとあたかもラバーでマウントされているかに見える工夫をしました。
メーターが出来上がったら次はメーターを支えるフレームを作ります。
このフレームはカウルステーと一体の様に見えるのでその様な工作をしていきましょう。
材料は1.2o真鍮パイプを使い、メーターをフレームに取り付けるビスは虫ピンの頭を6角に削った物を使います。
このフレーム部品はキットには有りません。
ですから資料を元に作らなければなりませんが、なかなかそんな資料が都合良く見つからない時は推測に頼るしかありませんが今回は運良く何とか参考になる写真が見れたので作ることにしました。
但し、カウルの方は作らないので正確な位置は出してはいません、おおよそこれくらいといった数値で作りましたが全て現物合わせの工作で少々てこづりました。
ステー先端にはカウル取り付けビスがハマるプレートを付ければ完成です。
治具も無く半田付けするのもだいぶ慣れてきました。
これが決まらないとハンドルバーやケーブルの取り回しが決められないので、やっと前に進めそうです。
本来ならメタルプライマーを塗るところですが生憎切らしていて模型屋さんにも在庫がないため、1200番のサフェーサーを吹いて代用としました。
黒に塗装して仮置き、ケーブル類とメーターが緩衝しないか確かめます。
プラグコードやイグニッションコイルを取り付けました。
リヤフェンダーとシートの間にオイルキャッチタンクを付けるべく、ランナーの太い部分を利用して作りました。
台座になるプレートは0.2oプラ板、3方向に分岐しているパイプの根本は0.5oピアノ線、根本のナットは0.3oプラ板から作りました。
ステアリングダンパーです。
スピンドル部をプラモールドに変わって1oアルミパイプに置き換えました。
アルミパイプは磨いて光沢を出しました。 ハンドルをステアさせるとこの部分も伸縮するので、目立たない部分ですがチョット奢ってみました。
ダンパー部の長さを5o短くしてスピンドル穴がブカブカなので0.3oプラ板で塞ぎ、1oの穴を開け直してあります。
フェールタンク中央にある顎乗せ用のスポンジです。
素材はフェールタンクのサンプルを作った時使用したケミカルウッドの切れ端を利用して0.4oほどに薄く削って作りました。
ケミカルウッドには無数の気泡が有るのでスポンジの表現にはプラ板を艶消しブラックに塗るよりも遙かに質感が出ると思います。
フェールタンクのフレーム固定用バンドです。
0.3oピアノ線と被服線の中身の線を使って作ってあります。
バンド部分は0.3oプラ板、表面を紙で覆いバックルを包む様にプラ板に巻き込んで瞬着で貼り付けてあります。
フレーム側にはこのまま直付けします。
ステムヘッドボルトです。
ボルト下部の6角部分の厚みを殆ど削り落とし高さを低くしました。
そのまま取り付けるとアンバランスに飛び出てしまいタンクとのバランスが崩れてしまいます。
チェーンアジャスターボルトとロックナットです。
0.5o虫ピンの頭を切り落とし、0.3oプラ板から6角のボルトの頭を作り、同様にナットを作りました。
ハンドル回りのケーブルの取り回しにはいつも気を遣います。
ケーブルの取り付け部には殆ど全てにカプラーに当たる一回り太めのチューブを被せてあります。
使っている物は園芸用0.8o被服線の中身を抜いた物です。
レーサーとしては時代を感じさせる華奢なフロントフォーク、雰囲気が出せたでしょうか。
むき出しのケーブル部分はロッド部分よりひとサイズ細い0.4oステンバネ線を使い、シルバーに塗ってあります。
オイルキャッチタンクと各ホースの取り付け。
マフラーステーに細い針金を使って止めています。
リヤタイヤは結局他のプロターキットから外しました、仕方がないので諦めです。
フェールタンク・シートを外したストリップ状態、整備中の佇まいの様に見えるでしょうか。
いよいよ残すところタンク・シートだけになりました。
タンクマークにもやっと目途が付き、キットのタンクに実際に貼り付け実験をしてから本番に移行しようとしています。
その前に、スーパーイタリアンレッドに塗ったタンクの色がどうも暗い感じがしてならないのでシャインレッドで試そうと思います。
タンクマークをクリアーの層に半分埋め込むように貼るためにクリアーを少し吹きますが、その前にシルバーのラインを先に塗装しておきます。
ライン塗装の前にタンク全体をコンパウンドで、多少の凸凹や付着した綿埃などを均しておきます。
モデラーズのマスキングテープを1o弱の幅に細く切り、狙ったラインを出します。
ラインの幅は1oとしています。
このテープは良くしなってくれるのでこの程度の曲線は密着して貼る事が出来ます。
マスキングテープが貼れたらピンセットの先などで軽くテープを密着させてからクレオスのマスキングジェルを塗ります。
この時点でラインが左右対称になっているかがよく分かります。
今回は上手く行った。
ライン塗装が終わりましたら生乾きの時にマスキングはサッサと剥がしてしまいます。
ライン塗装にはクレオス・シルバーGを使いました。
塗装は一気に吹かず、万が一テープのスキマに浸透しないように、少し遠目に軽く色を乗せる感じに何回かに分けて吹いてみました、結果は良好です。
メーターの文字盤と同じ方法で光沢紙にプリントして、余白を残さず図柄だけを切り取りました。
切り取る前に、印刷面の裏と表にクリアー塗装を予め施しておきます、丁度マーク全体ををクリアーコーティングする様に。
シルバーのラインの保護を兼ねて、次にフェールタンクに軽くクリアー塗装をして薄い膜を作っておきます。
タンクのクリアー塗装が乾燥したらいよいよ紙のデカール貼りの本番です。
マークの裏に小筆でクリアー塗料の原液をほんの少量付け、それを接着剤にして狙いを定めて仮置きします。
多少の姿勢を修正してピンセットの先で押しつければ、部分的に定着しますから、後はタンク表面とマークの隙間を狙って小筆に含ませたクリアーを流し込み接着剤を使う要領で染み込ませました。
染み込ませたクリアーが半乾きになったらピンセットの柄など平らな部分でマーク全体を軽く押しつければもう浮き上がることはありません。
マークの回りは多少クリアー層の乱れが生じますが、この後全体をクリアー塗装しますから、この乱れは消えてしまいます。
下地にクリアーを吹いておかないと塗装色がもろに溶け出してマークを汚す可能性が高いので、クリアー層を作ってからの方が安心してこの作業が出来ます。
マークの状態が落ち着いてからクリアーを2回吹いたところです。
この段階でマークの回りに浮きや隙間が完全に無くなり、マーク自体がクリアー層と同化しています。
上から見たところです。
エッチングのタンクマークと考えてみれば、この方が厚みが薄く仕上げる事が出来ました。
側面のカーブに合わせ、貼る前にマークを面に馴染む様に曲げて置く事が大事。
今回は緊急避難的にこの様な方法でデカールの代用を試みましたが、この方法がどんな場合にも通用する訳ではありません。
もっと大きなマークやライン、スポンサーマークには応用はどうかな?と思いますが、兎に角キットのデカールと比べれば格段にマークその物の存在感をアピール出来たんじゃないかなと・・・・、自己満足ですかね。
タンクにクリアーを吹いたため4〜5日は触れなくなりましたので、タンクキャップやシートの最終的な工作をしています。
スエード調のシート地がシートエンドに被さる部分に有るリベットの頭を加工しています。
新品のワイシャツの襟や袖を止めているピンをいつも使いますが、頭が歪んだ形をしているので、そのままでは使えません。
リューターに噛ませて砥石で研ぎ出し、お椀を伏せた様な丸い形に作っています。
リベットを打つ場所には05oの穴を空け、座繰りをして頭が半分埋まる様にしてあります。
フレームに固定するためのシートエンド両脇のボルトは同じくピンを使いますが、この部分は6角に削ってボルトの頭に見立てました。
0.2oアルミ板で1.4oφのワッシャーも作り、一緒に差し込みます。
給油口の立ち上がり部分とタンクキャップです。
タンクキャップの押さえ金具を0.2oステン針金で作りました。
クリアーコートしたために艶が有りすぎて他とのバランスが取れません、コンパウンドを掛け少し艶を落とし、その後コンパウンドワックスで再度磨いてテカり過ぎた艶を押さえました。
タンクキャップ部品と顎乗せスポンジの部品を接着してフェールタンクが完成しました。
タンクをフレームに取り付ける部分の工作です。
タンクの内側にはフレームが通るトンネルが設けてありますが、正確に幅3.4oとしてあるためにフレームには0.2oプラ板を巻き、この部分でタンクを接着します。
タンク後部には短いホルダー用のベルトが付きますので、後部はこれによって固定されます。
さあ、タンクとシートを取り付ければいよいよ完成です、長かったけど楽しかった、充実した7ヶ月間でした。
キット内容以外に使った材料
@ 0.2、0.3、1.0ミリ プラ板。 A 0.2、0.5ミリ アルミ板 B 0.3、0.4、0.5、ミリ ステンバネ線。 C 0.6ミリ ピアノ線。 D 2、3ミリ、プラ丸棒。
E 3ミリ フレックスロッド。 F 1、3ミリ アルミパイプ。 G 1、1.2ミリ 真鍮パイプ。 H 5ミリ プラパイプ。 I 1ミリ角 真鍮棒。
J 0.5ミリ 虫ピン。 K 外径0.8ミリ 被服線。 L 0.2、0.5ミリ ステン針金。 M 60番真鍮メッシュ。 N ケミカル・ウッド O 1.2ミリ ゼムクリップ
P コスモズファクトリー製 エッチングチェーン。 Q 光沢プリント紙。 その他ジャンクのビニールパイプ。 以上。
終わりに。
因みに15年ほど前に作った同キットの完成写真です。
100%キット部品を使い、それ以外の材料は使っていません。
組み立てはシートの角を少し丸めた加工以外は素組で、「プロターのRC166をそのまんま作ればこうなります」、の良い見本です。
ピンぼけカメラの所為もあって写りがぼやけていますが、キット自体の部品から受ける印象もまた、どことなく輪郭がぼやけた感じがしました。
パソコンもネットも無い時代、資料も無くただ箱絵に惹かれて購入、やっとの思いで作り上げた当時は凄く嬉しかった事を今でも忘れませません。
しかし、似てはいるものの何か違う・・・、バイク雑誌などで目にした記憶と随分ズレがありました。
為す術を知らない当時の私は、嬉しさより悔しさに気持ちが変化してしまいました。
15年の時を隔てて再挑戦しようと決めるには私にとって非常に勇気が必要でした。
バイク模型を作る度に、常にプロターRC166のトラウマに悩まされて、プロターには近づけない自分がいました。
せっかくキットを持っていても満足に作る事が出来ないと決めて掛かっている、それは非常に悲しい精神状態です。
長年抱き続けてきたトラウマを今何とか打ち砕かなければ、この先絶対に作る事は無いだろう、それでいいのかと自問自答していた矢先、KIM'S
HOUSE
GARAGEオーナー 軽部さんの勧めが私のリベンジに切っ掛けを与えてくれました。
ベッタリ張り付いての7ヶ月間、私にとって初めての経験でした。
各セクション毎の工作に温度差が有ってはならないと思ってはいても、今の自分にはこれが精一杯で、詰めの甘さは隠し切れません。
しかし、このキットの製作で得た数え切れない発見やノウハウは、私にとって掛け替えのない財産になり、トラウマを打ち砕けた気がしています。
最後に、沢山の励ましを頂けました来訪者の皆様、情報、資料を提供して頂いたMOTO MODELING
の柴田さん、その他応援して頂いた方々、素晴らしい経験をさせてくれたプロターに、心から感謝いたします。