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 キットのフレームを少しいじっています。

 フレームの4箇所に鋸を入れ延長したり、微妙に曲がっているラインに直したりしています。

 斜め前から見るとハッキリと解ります。

 キットのフレームは後半部分が真っ直ぐに伸びています。

 また、キャスター角が立ちすぎているのを修正するためにステムに溶接されている3本のフレームの内2本に鋸を入れて水平のフレームを延長、ダウンチューブの位置をずらす工作をしました。
 白く見える部分がプラ板を挟み込んで修正した箇所です。

 キャスター角の修正が上手く行ったか、フォークを仮組して確かめています。

 いよいよエンジンをフレームにマウントしようと言う段階で??な部分を発見してしまい、どうしようか思案しています。
 キットを素直に信じれば、
矢印の位置にエンジンマウントボルトとスイングアームピボットが有るので指示通り組み付ければ良い事になります。
 ところが、実際は
赤丸の位置にスイングアームピボットが有ります。
 この部分は通常のシャフトではなくエキセントリックシャフトが使われ、シャフトを回転させる事でチェーンの張り調整を行う仕組みになっています。
 従ってスイングアーム後端にチェーン張り機構は存在しないように見えます、マフラーの陰で見えません。
 ちなみに3-cilも同様な構造になっていて、MV独特な物なのかも知れません。
 この部分を直す事はスイングアームも直さなければなりません、リヤショックのアッパーブラケットの位置も違うし・・・。
 この判断が正しければ、プロヴィーニおじさんいよいよ本領発揮と言うところで、危うく乗せられてしまうところでした。
 だけどまたまた面倒な修正を本当にするの〜? 

 意を決して手を掛け始めてしまいました。

 ピボットのベースになる部分を平にするためカッターを入れています。

 次に0.5oプラ板を使ってピボットの位置決めをしました。

 スイングアームのリヤシャフト穴を基準に仮置してみると、使えないとは言えスイングアームピボット穴位置が2o以上後方にずれてしまいます。

 スイングアームピボットの穴はカットして短くし、新たにピボットを作らなければなりません。
 また、リヤショック取り付け穴位置も後方に2o移動させなければなりません。

 フレーム側も裏表のモールド作りをしながら、上下左右の位置に狂いが出ない様に慎重な工作をしなければならなくなりました。

 先に基準となるポイントから工作しています。

 位置決めをしたプラ板にプラ板を積層して削り出す方法で、フレームその物を切断する事無くピボット部分を作りました。

 シャフトを通す穴開けやシャフトを固定するボルト、エキセントリックシャフトの調整部などは後で工作します。

 次にキット部品のスイングアームを切り刻みます。

 いっその事全部作り直したらどうか、との声も聞こえてきますが・・・。
 あくまでもキット部品を尊重して上げたい気持ちが有るので、その物を利用します。

 チェーン引きの部分は無くなり、ピボット部分は新たにプラ板を使って造形、リヤショック取り付け部は後方へ移動、ここもプラ板で作ります。

 スイングアームの修正に依ってホイールベースが長くなりリヤショックの傾き角度も正しく直す事が出来るでしょう・・・上手く行けば。

 それぞれの部分修正が終わって位置出しをしなければなりません。

 此処が一番慎重になる部分で、狂いが有ると全てが台無しになってしまうからです。

 作っておいたホイールと2oバイスを利用して各方向から入念にチェックします。

 フレームのシートレール部分が幾分すぼまる様にフレーム全体に曲げを微妙に入れて作っていますが、これはスイングアームの改造に伴い取り付け部分の形状修正をすると左右のショックの平行が取れず、逆ハの字になってしまうため苦肉の策の工作と言えます。

 とは言っても実際のフレームの形は全く分からず、一方ではキットの形が真実なのかも疑わしいので、こういった修正を加える場合は僕流のアレンジをするしか無いのが実情ですから完成した姿をご覧になるまでは大目に見てやって下さい。

 スイングアームの形は概ね出来上がりました。

 後はリヤショックのフランジの工作を残しています。
 この部分はキットでは上下とも片持ちモールドになっていますが、実際のショック取り付け部分の形状はダブルになっている様ですから修正しましょう。

 スイングアームの位置決めが出来たのでリヤショックブラケットを作りました。

 材料は0.5oプラ板を使っています。

 ショック側も同時に工作をしました。

 メッキされている部品が元の部品で、真ん中の筒はスプリングカバーですが実車にはスプリングがむき出しで付いている個体も有るので、よりレーシー感を出そうと思いカバーは付けないことにします。

 スイングアームとの合いのチェック。

 隙間が空きすぎてグラグラしない様に、華奢な感じがしますがこれでも結構しっかりしたものです。

 同時にシートレール側との位置関係をチェック。

 フレームの太さ1本分外側に付く、少し変わった取り付き方を作らなければなりません。

 何やらモノトーンの写真ばかりで代わり映えが無く面白くない工作が続きます。

 アッパーの造形をしました。

 プラ板の積層で下と同じ様な工作です。

 リヤショックには針金を使ってコイルスプリングを作って仕上げます。

 フレーム修正も多分これで最後、ステッププレートを元のモールドを生かしてプラ板とパテを少々使って作り足しました。

 ダウンチューブはエンジンを抱える部分が取り外せる様になっているのか太さの違うパイプで繋がっている様に見えます。
 その証にボルトの頭が数カ所認められますから多分そうなのでしょう。
 0.2oプラ板を巻いて再現してみましたが見える部分のみにしています。
 ボルトの頭は塗装終了後の工作になります。

 その他補強のために横方向のフレームを足しました。
 この部分は全くの推測で、後の工作を考えての下作りの意味で、完成後には見えなくなる部分です。

 こうなってくるとキットのタンクやシート、サイドカバーの様なプレート等殆どの物を作り直さなければ収まりがつかなくなりました。

 フロントフォーク周辺の工作に入ります。

 3本の内左がキット部品ですが、ボトムケースが太すぎる事が気に入らないため作り直そうとしています。

 いろんなサイズを探しましたが、ノートンコマンドの時と同じで適当な材料は見つかりません。
 仕方なく、あまり違和感を感じない程度に細くするため3oアルミパイプと外径5oプラパイプを使うことにしました、今回も前後の可動ギミックはオミットします。

 三つ又の穴もサイズに合うように加工し始めています、っと言うことはハンドルバーもですか

 フロントサスの角度を確認するために一部分を仮組して、最終的にオーケーだったのでフレームやリヤサスなどの塗装を済ませ組み付けに入りました。

 色々な部品がフレームやスイングアームを手直ししたため寸法に違いがでたので一つ一つ現物合わせで作っています。

 この部品はフレームの中央に有る隔壁板で、0.5oプラ板で作り直しています。

 これまでに出来上がっている状態です。

 リヤサスのスプリングはキットの造型を変えてしまったので当然の如く0.8oステン針金を巻いて新規に作りました。
 取り付けは1.4o真鍮パイプをシャフトに、ボルトの頭はキット部品のモールドを切り離して流用しています。

 ダウンチューブのつなぎ目にはボルト、ナットをプラ板と真鍮パイプで作り足し、ステップ部分のボルトも作り足しました。

 エンジンマウント後部はスイングアームピボットが無くなった分スペーサーを作って補い、マウントボルトはキット部品ではなく2oプラ丸棒を使い、ナットは3oプラ丸棒から削りだして作っています。 

 扇型のサイドプレートもフレームの角度が変わってしまったのと形が違うため0.5oプラ板で作り直しています。

 プレートは下の部分でフレームに巻き付く様な感じに取り付いていますからその部分も再現してみました。
 0.5oの厚さでもここの曲げは綺麗にいきませんから、裏側からギリギリの厚さまで幅広く削り、曲げクセを付けておきました。

 取り付けは虫ピンを加工して小さなリベットを再現します。

 フォークの材料は、ボトムケースに5oプラパイプ、インナーチューブには3oアルミパイプを使います。

 最初に軸受けの部分を作っています。

 軸受けの部分はボトムケースの直径分の幅が必要なので、プラ板を積層してブロックを適当にな大きさに作り、ボトムケース底面からの距離を左右同一にして2oのシャフト穴を空けてからボトムケースに接着しました。

 しっかり固まってからどんどんカッターで削り込んで左の形までになりました。
 この後シャフトをロックするためのボルトを付けるために少し肉盛りをして最終的な形を出していきます。

 ・・・・結構面倒。

 薄いプラ板を巻き付け(左)チェリアーニ風に試作中・・・・、あくまで風にですよ。

 ボトムケース上部にもプラ板の巻き付けで肉盛りをしてから削り斜めに太くして、更にもう一枚巻き付けダストシールラバーを作りました。

 ダストシールラバーには約1oの溝を掘ってアルミ板を細く切りだしてはめ込み、ダストシールラバー押さえバンドも作ってみました。
 
 三つ又の白い部分はインナーチューブの締め付けボルトが付くプレートを作っているところです。

 それらしく見えれば良いんですが・・・。

 インナーチューブに関係する部品としてハンドルバーも有ります。

 インナーチューブの改造で、径が変わったためにキット部品の径と差が出来てしまい付け根部分が合わなくなりました。

 そこでプラ板の積層やプラ丸棒などで付け根部分を作り、キット部品の使える所だけを切り離して作ろうとしています。

 もともと付け根部分の形状も違う様なので、ちょうど良い機会だったのでしょう。

 トップブリッジ部品は形を出すために裏表を削り、全体に薄くして様子を見ていましたが・・・、このマシンのトップブリッジってこんなに山になってたかなーっと少し調べてみました。

 案の定、結果としては殆どフラッとな形状の様で、この形は間違いと判断し作り替える事に決定。
 せっかく時間を掛けてここまで作ったのに惜しい気もしますが、後々の工作にも影響を及ぼす部分だけに仕方がないでしょう。

 プラ板を積層して厚みを出してから3箇所に穴開けをするのですが、キット部品から正確な位置を割り出すのは簡単な作業ではありませんでした。

 部品から実寸をノギスで測り、製図ソフトで書いてプリントアウトした紙をプラ板に貼り付けてマーキングをしてから工作をしていくのですが3回失敗しました。

 位置の計算の間違いか、穴開け時のミスか、ステムヘッドの位置が出せないので、微調整しながら試行錯誤を繰り返した結果4度目のトライでバッチリ上手くいきました。

 この位置が狂うとキャスター角にもろに影響が出てしまうので余計に神経を使いました。

 輪郭を削りだしてから裏表を削ってそれらしく形を出してあります。

 仮組をした状態の表と裏です。

 トップブリッジに目途が付いたので、次にハンドルバーを修正しましょう。

 プロターのハンドルバーはこれまで3台手がけましたが、全部同じようにバーの長さが短く、ラバーも同様に短い物です。

 キット部品のバーの太さは2oなので2oプラ棒に置き換える方法も有りますが、今回はレバーの元がバーに溶接されている形状の様なので、キット部品を使って握り部分の修正をしています。

 本当はレバー自体がもう少し長いのですが、デリケートな部分なのでここはそのまま使うことにして、バランスを取りながらグリップラバーの長さを決めています。

 グリップラバーには3oプラ棒を使い両端に」1oと0.5oのプラ板を貼り付け、握り中央部分が幾分太くなるように削って形を出しています。
 輪の様な部品はアクセルワイヤー巻き取り装置の部品で、同じくプラ板の積層からの削り出しで作っています。

 メッキを落として組み立ててみました。

 レバーは流石に無骨な感じで少しシェイプアップしなければなりませんね。

 出来るならばフロントブレーキのダブルワイヤーを引く仕組みを追加工作したいのですが、大きさ的に可能かどうか・・・結構メカニカルな構造の様なので無理かなー?

 各レバーはこの様にセットされる様です。

 ハンドルバーの高さはトップブリッジに並ぶ程の高さの位置で、トップブリッジとの緩衝は避けなければなりません、微妙な距離を工作する必要が有ります。

 フレームに仮組です。

 こうしてみると、まだ考えなくてはならない部分が色々と見えてきますが、概ね順調に推移してきたのかな〜?といった感じです。 

 フォーク上半分は目途が付きました、少し手こずりそうなのはこのフェンダーです。

 太すぎるステーと長すぎるフェンダーの前後をカットしています。

 フェンダー中央にステーを支えるパネル状の物を作らなければなりません、材料を何にするか迷うところです。

 フェンダーの支点はボトムケースの内側に有り、フェンダー幅よりも大きく幅が有るため、ステーをその幅に合わせて作らなければなりません。

 ステーを介してフェンダーを宙に浮かせる様に・・・、ステー作りにまた試行錯誤です。

 ステーには0.8o真鍮パイプの両端を潰して虫ピンが通る穴を開け、ボトムケースに取り付けるセンターのパネルは0.3oプラ板を使い、それぞれ現物合わせで作りました。

 左右パネルの位置合わせと真鍮ステーの位置合わせが直角に交わっていないため、何度も仮組をしながら恐る恐る仮止めをしてやっと落ち着きました。

 ステーとフェンダーを止める虫ピンは0.5oの手芸用の物、頭が大きく歪なのでリューターに噛ませて0.9oくらいに小さく、また扁平になる様に砥石で加工しています。

 センター部分には左右のブレーキワイヤーのクランプも工作しなければなりません。

 全体に少し短い感じがしています。

 実際のレバーはもっと長いので、その分が影響しているのでしょう。

 レバーを作り直す事は今回はしない代わりにレバーを削り込んで付け根や先端付近の太さや形に表情を付けようとしています。

  それにしてもアクセルの件、未だ迷っています。

 各虫ピンを切り離し、裏側はリューターではみ出している部分を削り落としました。

 ブレーキワイヤークランプは1o真鍮パイプをプラ板で巻き、ロックナットもプラ板で作りプレートに接着。
 何とか左右の狂いも最小限に押さえて出来上がりました、後は塗装するだけ。

 塗装前の仮置きで位置の確認、何度もこの作業を繰り返しました。

 さて、もうお気づきでしょうが次に工作しなければならない部分はお分かりですね。

 そうです、ブレーキパネルです、この部分もRC166の時と同じでかなり手を加えないとならない部分で、ドラムブレーキ車のいわばチャームポイントですから念入りにお化粧してあげなくては・・・・。

 なんちゃってチェリアーニフォークを作ったために、僕の資料ではキットのパネルが使えなくなってしまいました、あれっどうしよう・・・。

 仕方がないのでパネルの自作をしようと決め、早速極めて曖昧なデーターを製図ソフトに入力・・・・大丈夫かいな。

 一方、プラ板をキット部品の厚み分の3oまで積層して、超扁平なお皿を伏せた形になるまで削りまくってベース作りです。

 ブレーキパネルのスクラッチなんて初めてなもんなので上手く行けば儲け物、失敗覚悟で挑戦してみます、ダメだったらキット部品で行くか。

 図形を輪郭に沿って切り出し、ベースに木工用ボンドで貼り付けて細いドリルで穴開け開始、徐々にドリルを太く換えて取りあえず穴開け終了です。

 次にエアスクープの工作をしなくちゃ。

 参考にしているのはこのピンぼけな絵、ブレーキのアーム類などはキット部品とは違うためこの辺の部品も自作しなければなりません。

 本当に上手く出来んのかなー、ドキドキしてきた。

 どうやったら良いか試行錯誤の始まりで、取りあえず薄い0.5oプラ板でこんな物を作ってみます。

 どんな構造なのか、真横からの写真では奥行きに関しては全くの想像でしか有りません。

 空気取り入れ口は少し細くなりすぎたかな?取りあえずの工作ですからもう少し先に進めて、裏側を削って空気抜けの3個の穴付近の肉厚を薄くします。

 この製作奮闘記をご覧頂いているMさんから嬉しい情報を頂きました。

 全体像が把握出来ず、想像でこんな物かな?の雰囲気濃厚だった時でしたからとても感謝しています。

 早速一日がかりでここまでやって来ました。

 やはり板厚が足りなく、1oプラ板を貼り足していますが、問題の箇所はこの写真では光が強く分かりませんね。

 フラッシュを使わずに少し影が入る様に撮ったものです。

 エアースクープサイドの扇状の部分はフラットな平面ではなく、幾分逆Rになっているということで、送っていただいた写真を参考に作ってみました。

 その他メッシュの取り付け具合なども分かりましたので順次工作していきましょう。

 作ったパネルを塗装しました。

 空気抜きの3個の穴の内側にブレーキシューと2枚のシューを互いに引き合わせるスプリングのジョイントが一部分ですが見えています。
 せっかくなのでその部分をプラ板で作って裏側に貼り付けました。

 ブレーキドラムの塗装は最初黒塗装していましたが、パネル内側の工作と塗装をしたこととドラムの内側の色を同系色で塗り直し、パネル内側に有るブレーキ部品の存在を目立たなくしたつもりです。

 あとはブレーキのアームや2本のアームを連結するロッドとジョイントなどの工作を残すだけとなりました。

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